2010年12月23日

ドアロックする?しない?についての考察(考察シリーズ20)


クルマはドアロックをしますか?それともしませんか?

以前乗っていた車ではエンジンを始動すると自動的にドアロックをするのもありましたが、私は本当か事実確認をしたわけではありませんが「欧州では事故の時にドアロックされていると救助が遅れることからドアロックしないのが常識」という話しを30年以上前になにかで読み「なるほど!そうだったのか!(池上彰風)」と、それ以来ドアロックをしていません。

しかしウル覚えですが、運転免許を取る際に自動車教習所では「ドアロック確認」を教えられ、運転中はドアロックするのが必須だったように思いますし、自動的にドアロックするクルマがあることからすると、少なくとも日本国内においては「運転中はドアロックをする」というのが常識になっているようです。

またアメリカではドアロックせずに信号待ちで停車していたら、強盗がいきなり乗り込み、ナイフや拳銃を突きつけ、そのまま人里離れたところまで運転させられて暴行や金銭を奪われる事件が頻発し、都会ではドアロックするのが身を守る上で必要ということを読みました。

日本でも停車中に見知らぬ人が乗り込んできて事件が起きています。
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トラックから振り落とされ、タクシーにもはねられて死亡 2010/12/11
8日午前1時35分ごろ、愛知県名古屋市北区内の市道で、トラックの助手席側にしがみついていた44歳の男性が振り落とされて路上に転倒したところ、進行してきたタクシーにはねられる事故が起きた。男性は収容先の病院で死亡している。
愛知県警・北署によると、死亡したのは同区内に在住する44歳の男性。目撃者の証言によると、男性は信号待ちをしていたトラックに近づき、助手席側のドアを叩きながら怒鳴りつけていたという。
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信号待ちの隙、タクシー助手席乗り込み強盗 2010/11/19
19日午前3時10分ごろ、大阪府泉大津市東港町の府道で、信号待ちをしていたタクシーの助手席に男が乗り込み、運転手の男性(56)にハサミのようなものを突きつけて「金を出せ」と脅迫。運転席横にあった、現金約3万5千円入りのケースを奪って逃走した。
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車乗り込み女性に強制わいせつ、中年?男逃走 2010/11/21
19日午後9時30分頃、兵庫県豊岡市福田のコンビニエンスストアで、買い物を終えた同市内の女性(19)が、軽乗用車の運転席に乗った直後、男が「お茶でも飲みに行かへん」と言って助手席に乗り込んだ。
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軽自動車の助手席に乗り込み女性にわいせつ 2010/6/15
けさ(15日)和歌山市内の駐車場で、配達を終えたばかりの新聞配達員の男が、女性の乗った軽自動車の助手席に乗り込み身体をさわったとして、強制わいせつの疑いで和歌山東警察署に現行犯逮捕されました。捕まったのは、和歌山市来栖(くるす)の新聞配達員○○容疑者32歳です。
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近畿産業信組支店長、1700万円盗まれる 2010/3/8
大阪府枚方市東香里新町の駐車場で、「近畿産業信用組合香里支店」の男性支店長が、止めていた車を発進させようとしたところ、男に助手席側のドアを開けられ、助手席に置いていた現金約1700万円入りのかばんを盗まれた。男は走って逃走した。枚方署は窃盗事件として調べている。
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長期不況にあえぎ、失業や生活破綻、また犯罪が目的で違法滞在している不良外国人の増加などもあり、今後こうした犯罪や異常者?による被害が日本でも多発していきそうな予感がします。

と、考えると、ドアロックはやはり必要じゃないかと思ってしまうわけですが、私には心配もあります。

img_3 (1).jpg

都会の中で一旦停止無視や信号無視で突っ込んできたり、前が渋滞しているので停車したら後続車が気がつかず突っ込んでくるような大きな事故が起きたとします。ま、比較的都会ではよく起きる大きな事故の典型です。

突然大きな衝撃が加わったため、運転していた本人や後席の子供は意識を失うか意識朦朧としている時に、ドアがすぐ開けば、消防や警察が来る前に近くにいる誰でもが助け出し、安全な場所へ移すことができます。

しかしドアロックがされていると、サイドウインドーが割れているぐらいでは、奥にあるシートベルトを外したり、意識のない大人の身体を引っ張り出すのは素人では簡単ではありません。

それよりガラスが割れていれば外から手を突っ込み内側のドアロックの場所を探して外すのが手っ取り早い方法ですが、そううまくガラスが割れていてドアロックが開くかどうかはわかりません。

もし火が点いて燃え上がる一刻を争う場合ならば、このドアロックをしていたことが生死を分ける事になるかも知れません。

とにかく最近のクルマは内装に燃えやすい素材を多用していて、非常によく燃えやすくなっていますから、衝突後トランク付近でチラチラと炎が上がれば、もう数分のあいだに全焼してしまいます。

大きな衝撃や当たり場所によってドアが開かなくなることも想像できますが、クルマの前後の衝突であれば、ドア周りは比較的頑丈にできていて変形しにくく作られていますので、クルマのサイズと衝撃の強さにもよりますが大概はちゃんと開くそうです。

確かドイツ車でしたがテレビコマーシャルで、クルマの衝突実験を行い前半分が無茶苦茶につぶれたクルマにツカツカと歩み寄り、何事もなかったように普通にドアを開けるシーンがありました。

あの場合だとサイドガラスは割れていませんでしたので、もしドアロックがかかっていたら、救出するのはたぶん困難でしょう。

さらに良心的なクルマのドアの取っ手(ドアノブ)が輪っか状(グリップタイプ)になっているのは、元々はベンツのアイデアらしいのですが、事故でドアが開かなくなった時に、その取っ手にロープをかけて強引に引っ張り出すためのものと言われています。ランエボ]のドアノブもちゃんと輪っか状になっています。

ただ最近は形状こそ輪っかのグリップタイプでも、グリップが樹脂でできていたりして、万が一の際に引っ張ってドアを開けられるほどの強度を持っているものばかりではなさそうです。なんでも、女性の長い爪を守るためにグリップ式のドアノブにしているという話しも実際あります。

事故で開かなくなったドアをドアノブにロープをかけて引っ張って開けたというのを一度見てみたいと思いますが、たぶん消防などの救助隊では、火花の出るカッターで切るよりも安全で早いので当たり前の作業なのかもしれません。

結論としては「ドアをロックするかしないかは乗員の考え方やケースバイケースでどちらでもいい」というのが本当のところです。

私ももし現金数千万円をクルマに積んで運ぶようなことがあれば(一生ないと思いますが)、当然ロックをして走るでしょうし、女性がひとりで都会を夜間クルマを走らせるなら、やはりロックするのは必須のような気もします。

一部の上級車では自動でドアロックをしますが、衝撃を受けたときにはそのドアロックが外れるという仕掛けがあると聞いたことがあります。それが一番いいのかも知れませんが、なかなかそうした目に見えない改良は利益追求企業では後回しになっていそうです。


【考察シリーズ】
冬場に常時エアコンを使う是非についての考察(考察シリーズ17)
車の大規模オフラインミーティングについての考察
エコカーの定義についての考察(考察シリーズ6)



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2010年08月29日

スバルアイサイト(EyeSight Ver.2)の考察(考察シリーズ19)


今年から販売されたスバルレガシィに搭載された機能「ぶつからないクルマ」アイサイトが好評のようです。

まだ試乗をしていないので、それについて詳しく書くことができないのですが、注目はしています。ぜひ試乗できる機会があれば、試したいものです。

*プリクラッシュ機能:2台のカメラで前にある障害物を検知し、ノーブレーキでも衝突前に自動的にブレーキがかかる機能

*AT誤発信抑制制御機能:最近よく起きているコンビニや駐車場でリバースにいれたつもりが前進してしまい建物などに突っ込んでしまうことを防止する機能

*全車速追従機能付クルーズコントロール:高速道路の長い渋滞時などで重宝するストップ&ゴーが繰り返される状況でアクセルもブレーキも踏まずに前車に追従してくれる機能

などが秀逸の機能です。

30〜40年前なら「あったらいいな」というこのような最新ビックリ機能は、どこよりもホンダがいち早く出してきたものですが、今やホンダはトヨタとの普通のクルマ戦争で忙しいらしく、宗一郎氏のDNAは消失してしまったようです。

もちろんまだ改良すべき点がいくつもあるでしょうけど、装着車が増えていけば価格も下がるでしょうし、テストだけではわからなかった様々な状況下でのノウハウを蓄積していくことでより洗練していくことでしょう。

現在は高級車だけにオプションで装着される訳ですが、週に1〜2回しか使われないマイカーの高級車ではなく、日々使われる商用車やトラック、タクシーなどに標準装着されるようになれば、その効果は覿面に現れることでしょう。

ボルボが初めて実用化した三点式シートベルトの普及は同社が持つパテントを乗員の安全のために無償で提供したため世界中に一気に拡がりましたが、このアイサイトはシートベルトとは違ってその開発費には莫大な費用もかかっていることでしょうから、そうはいかないでしょうし、他社の多くもすでに独自で開発をしているでしょうからこれが標準になるかはまだ微妙なところでしょう。

しかしメーカーによって機能が違うと、他社に乗り換えたりレンタカーに乗ったりしたときに勘違いをして「停まると思っていたら停まらずに衝突した」「追従するときの時間差や車間距離に差があり違和感がある」とかの問題も起きそうです。

(試乗記などの参考サイト)
ぶつからないクルマ、レガシィ「アイサイトver2」の全貌 松田秀士動画レーポート
【井元康一郎のビフォーアフター】先進電子デバイス開発に必要な“対話”…スバル アイサイト

さて、エコの大ブームの次はアクティブセーフティということで、ボルボ(Volvo)も当然同様なことをやってます。

で、自信満々にマスコミを呼び、その先進技術を公開したところ、、、

ボルボ、シティセーフティーの実演が一転、クラッシュテストに・・・(音声出ます)


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ああ、やっちまったなぁ、、、

【考察シリーズ】
バカバカしい軽自動車の馬力規制の考察(考察シリーズ30)
ドアロックする?しない?についての考察(考察シリーズ20)
ランエボ]に付けたオートクルーズコントロール(以下クルコン)についての考察



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2010年04月12日

自動車ワイパーの考察(考察シリーズ18)


数万点と言われる自動車を構成する部品の中にあり、重要な保安部品であり、1900年初頭からおよそ100年近くその形状や機能、性能に変化がないのがワイパーです。

エンジン、変速装置、燃料噴射機、タイヤ、フロントガラス、シート、バンパー、ライト、サスペンション、ラジエーターなど様々な部品が高機能、高性能化していきますが、ワイパーについては、基本的にゴムで窓についた雨や雪をこすり落とすだけのものです。

例えば、エンジンは2サイクルから4サイクル化されたり、2バルブから4バルブになり高性能化が図られ大きく進化してきました。変速機もシンクロやATの出現で進化が激しい部品です。燃料噴射機も様々な進化を遂げて現在は電子制御式のほぼ行き着くところまで来たという感じです。

タイヤは一見するとあまり変わっていないようですが、元々馬車や自転車に使われていた車輪から現在のようなゴム(と言っても最近のタイヤはほとんど石油から作られた合成ゴムを使用していますが)に空気を詰めるようになり、バイアスタイヤからラジアルタイヤ、チューブレスタイヤ、ランフラットタイヤなど地味ですが、確実な進化を遂げています。

ライトも以前書いたように光源は現在はハロゲンとHIDですが、いずれLED化されるのでしょうし、フロントガラスも乗員に安全なように強化ガラスや合わせガラスなど進歩してきました。

サスペンションも独自の進化をし、もう4輪独立式が当たり前となり、今後は同じ性能でいかに軽量コンパクトに作るか、または電子制御でどこまで安全快適にアクティブに動かすかというところでしょう。一時期流行った乗用車の4WS(4輪ステア)は結局普及しませんでしたけど。

そしてワイパーですが、最近では雨滴関知式のオート化されたものがありますが、基本構造はゴムへらのついたアームを動かして窓を拭き取るという、元々の原始的なスタイル(昔は電動ではなく手で動かした)から特に変化がありません。

なぜ自動車のワイパーが進化しないのかが不思議なのですが、これに代わる画期的な装置を発明すれば、ノーベル賞ものかも知れません。

ちなみに船にはクルマと同じようなワイパー式と、窓ガラス自体がくるくる回って遠心力で水滴を吹き飛ばすものがありますが、自動車の窓を回転させるのには無理がありそうです。

最新のジェット機も地上走行用には(飛行中は風圧で吹き飛ばす)クルマと似たワイパーが装備されていたりします。

昔、まだドアミラーが解禁される前のある日本車に「世界初!フェンダーミラーワイパー装着!」というとっても魅力あふれる広告が飛び込んできましたが、もちろん好評につきその後も長く続いたという話しは聞かれません。

バカバカしくて世界(もっともフェンダーミラーのような不格好なものは日本以外では使われていなかったのだが)の誰もやらなかったことをこの会社は誇らしげにやってしまったと言うことです。やっちまったなぁ、、、と言う冷たい視線をデザイナーは感じたのでしょうか気になるところです。

以前、と言ってもずっと前の社会人3年生の頃ですが、初めて買った新車のクルマがホンダプレリュード(2代目)で、このクルマのワイパーには驚きました。

ワイパーブレードを支えるアームが一本しかなく、巨大な1枚のワイパーブレードがフロントガラスの上をほぼ180度一気に動いて拭き取っていきます。当時としては珍しく、レーシングカーのようで格好いいと思いました。

シングルワイパー代表のHondaプレリュード1800XX(1983年) 撮影場所:千里浜なぎさドライブウェイ
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ところが運転席側の前を早く拭き取る必要があるため、1本しかないワイパーブレードは運転席側のフロントウィンドーから拭き始め、反対側の助手席前で反転をするため一旦停まります。

そのスピードが半端なく速いので、助手席側(ということは一般的に歩行者用の歩道側)で折り返しで停まる瞬間、フロントウィンドー全面からかき集めた水滴を1〜2メートル真横へビュッっと飛ばしてしまいます。

これにはまいりました。歩道にいる歩行者はいきなり横から水をかけられ迷惑千万で、歩道から離れて停まっても信号待ちで左横に停まったクルマに遠慮なく水しぶきを浴びせかけてしまいますので、雨の日はまるで周囲に喧嘩を売って回っているようなものでした。怖いので徐行中や停車するたびに雨が降っていてもワイパーを止めるクセがつきました。

それ以降、特殊なスポーツカー以外では、日本ではこのようなシングルワイパーを付けたクルマが出てこない(ホンダの軽自動車に1件あり)のは、このような問題があったからだと確信していますが(3世代目のプレリュードでは廃止された)、なぜかベンツやシトローエンなど欧州車では時々見かけます。

うまくワイパーのスピードをコントロールして、止まる少し前にワイパーのスピードを落せば水滴が飛ぶのを防げるように思いますが、欧州車がそうなっているのか知りません。

ワイパーブレードですが、カーショップへ行くとブレードの中のゴムだけを売っていますので、それだけを交換するのが一般的です。

消耗品ですので、長く大事に使おうと思うのではなく、1〜2年に1回ぐらいは、まだ使えると思っても新しいものに交換するのがよろしいかと思います。交換は1本あたりものの2〜3分もあれば、できてしまいます(要領さえ知っていれば)。

ワイパーゴムは長さと形状タイプ(角形、キノコ型、台形型)と幅のサイズで違ってきますので、必ず合ったものを選びましょう。車によっては左右のブレードゴムの幅も長さも違っていたり、リアワイパーのサイズも違っています。

万が一の時のために左側のブレードやリアワイパー(ランエボ10にはありません)を一番大事なフロント右側にブレードを移設できるように、またコスト抑制のために部品の共通化をはかってもらいたいものです。

古く固くなったブレードのゴムでフロントガラスをこすり続けると、ガラスに細かな傷が付き、それがひどくなると結局は高く付きかねません。交換用のワイパーゴムは、ガラスコーティング用とかの高級品もありますが、普通のもので十分だと思います。

要は高級品を大事に長く使うより、安物でいいから悪くなる前にどんどん替えていくのがベターです。これってサーキット走行とかをしない普通の使い方をするクルマのエンジンオイル交換と同じ発想です。

あと一時期は誇大広告とも思える「ワイパー不要!」などと宣伝されたこともあるガラスコーティング剤ですが、私は今のクルマからフッ素系のコーティング剤を塗っています。

それまでは30年ほど前からあったシリコン系のコーティング剤を使っていたのですが、ようやくプロ用とか言われていたフッ素タイプがリーズナブルな値段で普及してきたので試しているところです。

フッ素系ガラスコーティングの魅力はなんと言ってもその撥水効果の持続性です。しかし塗布はシリコン系と比べると難しく、失敗すると逆に乱反射して見にくくなったりします。

コツはまだ新車でガラスが真っ新で綺麗な時にやってしまうか、専用のクリーナーや脱脂剤などを使い、ガラスを十分に磨いた上で、塗布することでしょうか。

いずれにしてもゴシゴシとすり込み、拭き取るのに力と根気がいります。なので最近では購入時にディーラーで、ボディのコーティングと一緒にやってもらう人が多いようです。

自分でやれば安上がりで、半年に1回程度上塗りするだけでいい状態をキープができますが、お金で時間と便利さが簡単に買える時代ですから、まぁそれも良しなのでしょう。クルマに愛着を感じる人は、簡単な作業はできるだけ自分で作業しましょう。

【考察シリーズ】
ランエボの維持費についての考察(考察シリーズ24)
雑誌の自動車評論、試乗レポートについての考察
ETCカードの考察(考察シリーズ10)


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2010年03月12日

冬場に常時エアコンを使う是非についての考察(考察シリーズ17)


冬場でも空調(エアコン)は入れてますか?

最近のクルマにはオートエアコン(AUTO)という機能がついていて、車内の温度設定さえしておけば、あとは夏でも冬でも自動的に快適な温度にしてくれます。

クルマにあまり詳しくない人は、おそらくこのAUTO設定のままで夏でも冬でも乗っているのが一般的ではないでしょうか。

もうひとつ、AUTO設定(温度、風量が自動)にはせずに、マニュアルでエアコンスイッチをONのまま(温度は自動、風量はマニュアル)にしているケースもあると思います。ほとんどの人はこの二通りが多いと思います。

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これはAUTOだと満足できない人やオートエアコンがまだ普及する前からクルマに乗っていた人は、このマニュアル操作をする人が多いのではないでしょうか?

それはきっとAUTO機能があまり信用できないという先入観(初期のオートエアコンのセンサーはいい加減なものが多かった)があるのではと思います。

せっかくの快適な装置であるエアコンをAUTOでもマニュアルでもフルに使えわない手はないのですが、一方でエコエコと騒がしく言う割に、ここで大きな反エコが見逃されています。

ある自動車雑誌のレポート記事にこういうのがありました。
冬場の天気のよい昼間にエコカーの試乗体験をおこなっていて、以前に出した最高燃費に迫れるよう、できるだけ燃費走行をしようと努力しています。周囲のクルマに迷惑をかけない程度にアクセルをそっと踏み、経済速度で巡航するよう心掛けをしています。

しかし本文を読む限り、エアコンは常時ONなのです(AUTOかマニュアルかは不明)。

「自動的にエアコンが入るとアイドリングが少し上昇」とか書かれていたので、そうとわかります。

もし本当に燃費を稼ぎたいと思うなら、エアコンは常時オフにしておくべきです。しかも晴天の冬場ですからエアコンを常時付けている意味はまったくありません。

唯一理由があるとすると、AUTOのスイッチを押す(OFFにする)のが面倒なのか、それともレポーターが機能を知らないということだけです。

たぶんこの筆者は、エアコンは常時ONになっているのが普通だと思っているのでしょう。それが今のクルマの使い方としては一般常識なのかもしれません(私は違いますが)。

もちろん夏場の暑いときや、雨や雪が降っている時、外の湿度が高い時などはエアコンの本領発揮で、車内を冷やしたり、窓の曇りをとったり、除湿をするためにエアコンをフル活用します。

でも暖房する冬や、春・秋の冷房が不要な晴天時にエアコンをONにしておく必要はまったくありません。

私の場合、山道や高速道路の上り坂などで少しでもパワーが欲しいときや、ガソリン残量が怪しくなってきたような時(いつも残量ギリギリまで入れない)は、夏場でもエアコンを切って走ります。

もちろんタイムを争う専用のレースカーやラリーカーにはそもそも重たくてパワーを損ねるエアコンなんてものは付いていないのが普通です(一部にエンジンブレーキがかかるときだけその不要なパワーを使ってコンプレッサを回して冷風を送り込む装置があるようです)。

エアコンを入れているのと、入れないのとでは私の個人的な体感値として燃費で1〜1.5km/リッター、エンジンパワーで10%ぐらいのロスになっていると思います。あくまで体感値ですが。

エンジンの側にデンと鎮座する大きなエアコンのコンプレッサーはエンジンから直接ベルトで動力を持っていきます。エアコンのスイッチを入れるだけで多くのクルマは自動的にアイドリングが少し高くなりますが、それだけ負担が大きいからです。

私に言わせるとサイドブレーキを軽く引いたまま引きずって走るのと同じようなものだと思っています。

ちなみに20歳代の若い人にクルマの暖房の暖気はどうして作っているか?と聞くと、様々な答えが返ってきそうな気がします。そりゃエアコンなんだから家にあるエアコンと同じく室外機で(電気で)作っている?とか答えてくれそうに思います。

正解はもちろんクルマの暖房は昔も今もエンジン冷却水や排気管などの熱を再利用して作られています。

つまりエアコン(空調装置)とはまったく無関係に作られていますので、エアコンがなくても暖房は得られるわけです。

しかもエアコンのコンプレッサーは上記に書いた通りエンジン動力の何分の一かを必要とするのに対し、暖房は不要な熱の再利用ですから動力を損なうことはほとんどありません。

エコ、エコとうるさく騒がれている中で、このようなちょっとした工夫で10%近いエコ(体感値)が実現できることが、実際にはほとんどおこなわれていないことが私には不思議でなりません。

つまりエコ替えで燃費のいいクルマに乗り換えようとは言いますが、今乗っているクルマでこうすればもっと燃費がよくなるということはあまり教えてくれません。きっとそれは作るほうも売るほうにも収入に結びつかないからなのでしょう。

【考察シリーズ】
自動車の車幅に関する考察2(考察シリーズ29)
ラリーアートとSTIの明暗について(考察シリーズ26)
衝突防止装置の普及を加速するための考察(考察シリーズ25)



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2010年03月07日

雑誌の自動車評論、試乗レポートについての考察(考察シリーズ16)


クルマを買おうかなと思ったときにまず自動車雑誌を買って、評論家(ジャーナリストという場合もあり)の試乗レポートや購入条件などを調べてからという人も多いと思います。

雑誌には現行車の次のマイナーチェンジやフルモデルチェンジの情報や、今後出てくる時期の予想など書かれていて、どのタイミングで買い替えるのがいいかなど参考になることが多いと思います。

ただ雑誌は読者が書店で買ってくれる売上だけで制作できるわけではなく、当然誌面には多くの広告を掲載し、その広告費も含めて成り立っています。そしてその広告の大きな部分を占めるのが自動車の各メーカーです。

よく「スクープ記事」という表現で掲載される記事がありますが、そのほとんどはメーカーからの意図的な情報リークで、雑誌社が独自にスクープしたものではありません。

もし本物の機密情報をメーカーに無断で掲載したら、それこそ次から広告はもちろん、試乗車の提供すら一切受けられなくなってしまい、自動車雑誌としては生き残れなくなります。

事前のメーカー公認の情報リークはメーカー側にとっては読者の関心を惹きつける効果とともに、他社のクルマを購入しようと交渉中の人に待ったをかける絶好の撒き餌です。

そんな自動車メーカーと持ちつ持たれつの自動車雑誌ですから、そこで書かれているクルマの試乗記やテスト記事は、かなり割り引いて、読み解く必要があります。

例えば「乗り心地は上品に仕上がっている」とは、単に「フワフワしていて頼りない足回りと乗り心地」のことだったり、「エンジンはドライバーの意のままに快適に回る」は、シビアな環境のレーシングエンジンでもあるまいし、新車のエンジンが意のままに快適にまわらないわけがないので、ここでは「ありきたりな平凡なエンジン」という意味だったりするわけです。

その他の言い換え(本音)の例としては、

「乗員に優しい」→「なんの特徴もない」「歩行者には優しくない」「不要不急な意味のない装備が付いている」
「後席がゆったり」→「前後シートが薄くペラペラ」「ホイールベースが長くて取り回しが悪く」
「ゆったりとしたシート」→「長距離運転するとお尻が痛くなるシート」「不必要に大きいシート」
「くつろげる(落ち着ける)スペース」→「たいくつなスペース」「地味な内装」「大作りなインテリア」
「格調高い木目調の…」→「プラスチックに木目のシールを貼った…」
「高級感あふれるデザイン」→「メッキをゴテゴテあしらったデザイン」「無意味にでかいデザイン」
「狙ったラインをトレースしてくれる」→て、言うか、それが当たり前だろ、普通、、、
「エンジン音が静かで」→「エンジンは非力で」「性能はたいしたことがなく」
「圧倒的なエンジンパワーで」→「燃費は悪くて」「足回りやブレーキがパワーに不釣り合いで」
「世界初!」「日本初!」→そのほとんどが、その後継続されない意味のないものが多い

など、優れた自動車評論家や試乗レポートのライターとは「物事の言い換えがとても上手い」ことと同義語と言ってもいいでしょう。

とにかく新車について誉めちぎれることが、自動車評論家やレポーターの最大の能力です。時々本音を語る評論家やジャーナリストもいますが、それはメーカースポンサーに縛られていない場に限ってのことです。

徳大寺有恒氏が1976年に「間違いだらけのクルマ選び」を最初に発刊したとき、「もし本名でこのような正直な感想を書いた本を出せば間違いなくメーカーからの反発を喰らって評論家としての仕事を失う」と覆面評論家として出版しました。

その本は特定の車種を名指しして「こんなクルマを買う人がいるから不思議」「俗悪趣味」「古くさいだけ」「見せかけだけ」などバッサリと切る過激な内容でしたが、当然業界は騒然となり、犯人捜しが始まりました。

メーカーからだけでなく自動車評論家団体からも反発を受けた徳大寺氏ですが、この本が毎年大ヒットし、読者からの信頼を得て、大物評論家になったため、そうなると誰も手出しができなくなったという特異な例でしょう。

ちなみに私個人としては徳大寺有恒氏のレポートは、参考になることも多くて面白いのですが、独断が過ぎて客観性を欠いているように思えてあまり好きではありません。大物評論家たる所以なのかもしれません。

新車の開発サイクルは、現在5年ごとになっていますが、これは新車から初回の車検が3年(1988年までは2年)、2回目の車検が2年の合計5年が経てば、新車への乗り換え時期だろうという判断から来ています。

まだ日本のクルマの発展途中だった20〜30年前は、4〜5年ごとにボディが丸くなったり角張ったり試行錯誤が繰り返され、エンジン性能や燃費、足回り、内装、装備品なども明らかに年々進歩していました(下図参照)。

主たる技術、装備の年代ごとの変遷(画像クリックで拡大)
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1960年代から1980年代の30年間は、クルマが日進月歩で進化してきたことがわかります。ところが、1990年代以降、2010年までの20年間では、ぜいぜいカーナビとハイブリッドエンジンが加わったぐらいで、進化はほとんどありません。

さらにその頃のクルマはボディ塗装や下地の処理の質が悪く、5年も経てば、ボディのあちこちから錆が浮いてくることもよくありました。4〜5年も前のクルマに乗っていると、スタイルが流行遅れで、装備も古く、塗装がハゲかかっている、「いかにも中古車」って感じだったので、その「新車開発サイクル=購入サイクル」が有効に機能していたと言えます。

しかし現在では、耐久性、性能、デザイン、塗装、装備のどれをとっても5年で乗り換える必要がまったくなくなり、1970年代では3〜4年だった乗用車の乗り換えが、現在(2009年)では7.5年と約2倍に延びてきています(下図参照)。

財団法人自動車検査登録情報協会の統計データを元に筆者がグラフ化(画像クリックで拡大)
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そのせいでもあるのでしょう、従来だと前車から同じブランドで買い換えてもらうためにフルモデルチェンジをして、新車もそのまま旧車名を引き継ぐことが多かったのですが、最近では、同じブランド車からの買い替えだけでなく客の目先を変えるため、新しい名称を付けたニューモデルが次々登場してきます。

もう自動車業界の人でも、現在販売されているすべての車名を正確に言える人はいないでしょう。

成熟した現代のクルマ選びでは、せいぜいエコかブランドか価格に頼るしかありません。つまり性能や機能、デザイン、装備で売れる時代は終わってしまったということです。

そうすると、今まで「走りの質」や「新機能」「新装備」でメーカーの代弁をしていた自動車雑誌や評論家達の出番はなくなりました。

どれをとっても似たり寄ったりのデザイン、装備、走行性能ですから、あらためてレポートして評価する必要もなく、他社との違いをメーカーに代わり、あたかも第三者のフリをして感心したり驚いてみせる必要がなくなったということです。

若者のクルマ離れもあり、メーカーから得られるスポンサー料も減り、自動車の雑誌社自体の経営が苦しくなっています。

そうすると雑誌出版社も高額な謝礼が必要な評論家にレポート記事を依頼するのではなく、自社の記者や安い無名ライターを使わざるを得なくなり、高度成長期やバブル時には人気が高かった自動車評論家と称する職業も今や風前のともしび状態、凋落の一途を辿っています。

元々自動車評論だけで食っているわけでない人は、他へ行けばいいだけですが、そうでなければ趣味性の強い欧州車の評論家へ進むしか残されていないでしょう。

【考察シリーズ】
ランエボの維持費についての考察(考察シリーズ24)
ドアロックする?しない?についての考察(考察シリーズ20)
カーナビについての(自己流)考察(考察シリーズその4)



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