2012年11月17日

衝突防止装置の普及を加速するための考察(考察シリーズ25)


全国でクルマが暴走する事故が多発していて2011年には約6432件発生している(警察庁)とのことです。この数字1日にすると毎日18件起きていることになります。ちょっと最近のニュースをネットから拾ってみるだけでもこの通りです。

 ( )内は加害者の年齢
「75歳の車が暴走、歩行者1人死亡、1人重体…花巻」2012年11月4日
「コンビニ駐車場でペダルを踏み間違えて暴走、はねられた客が重傷」2012年11月3日(67歳)
「軽トラ暴走:埼玉・川越の中学校で4人けが 「誤って急発進」」2012年10月8日(60歳)
「スーパーに車突っ込む 店員ら3人軽傷 60歳男性「ブレーキとアクセル踏み間違えた」」2012年9月1日
「コンビニに女性の車突っ込む 男児含む4人負傷 埼玉・狭山」2012年8月27日(56歳)
「「ネッツトヨタ」に車突っ込む、男性客が軽傷 大阪狭山市」2012年8月17日(81歳)
「コンビニに車突っ込む、4人けが 店内で男児が一時下敷きに 愛知」2012年7月23日(70代)
「「サーティワン」に車突っ込む 親子連れ軽傷 堺」2012年7月7日(85歳)
「スーパーに車突っ込む 7人負傷し1人が心肺停止 静岡・磐田」2012年7月5日(84歳)
「ATMコーナーに車突っ込み、男女6人はね飛ばされる 千葉・君津市」2012年6月29日(79歳)
「大東で車急発進、ブレーキとアクセル間違える」2012年6月27日(86歳)
「小学校で車暴走、車と物置に衝突 甲府、けが人なし」2012年6月19日(60代)
「大阪市旭区のコンビニに車突っ込む 男性客1人が軽傷」2012年6月5日(50歳)

こうしたクルマが暴走してしまう事故の多くはアクセルとブレーキの踏み間違いで、比較的高齢者ドライバーの割合が多いというのが特徴です。

もうひとつは脇見運転やボーッとしていて前のクルマに追突してしまう事故も私の知る限りでは非常に多く、これが高速道路で起きると悲惨な事故につながります。

居眠り運転はもってのほかですが、高速道路などで単調な運転になると前方への注視がおろそかになり、タバコに火をつけるためやカーナビの操作をしていて気がついたら前に渋滞が発生していて突っ込んでしまうようなケース。

あとは渋滞の中でよく起きているのがノロノロ進んでは止まりを何度も繰り返しているとやはり単調となり集中力が薄れ、ちょっと目を離した隙に前車に衝突という事故で、これもよく目にします。

これらの事故を予防するために、以前このブログでも紹介しましたがスバルの「アイサイト」など衝突防止装置が各社で開発されています。

現在では各社が競って開発競争し、一歩リードしたスバルが先に商品化しレガシィなどに搭載し好評を得ています。

続いてこの10月から三菱が新型アウトランダーに「イーアシスト」を、トヨタが同じく10月よりレクサスLSにオプション設定と順次普及に向けて進められています。

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他のメーカーでは、マツダはこの11月に発売するアテンザに「スマート・シティ・ブレーキ・サポート(SCBS)+AT誤発進抑制制御」が、日産も年内にマイナーチェンジされる予定のエルグランドに「踏み間違い衝突防止アシスト」が設定されるようです。

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一方、昔はこのような技術革新で率先してきたホンダは「マルチビューカメラシステム」の技術に関して公開をしているものの、具体的な商品化の予定はまだのようです。

どちらかと言えばホンダはもっと先のITS(高度道路交通システム)へ目が向いているようです。

そして困ったことに、各メーカーとも現在搭載または搭載できる車種は、前述の通りいずれも高級車かそれに近い車種ばかりで、実際にアクセルの踏み間違いのよる暴走事故がよく起きている軽自動車や小型車ではありません。

軽や小型車こそ、運転初心者や高齢者の多くが使う車種でもあり、暴走事故などを起こす割合の高いクルマなのですが。

つまり衝突防止システム自体がまだ開発直後と言うこともあり、価格が高いせいもあって、安価な普及車や軽自動車などに装備するのはメーカーが二の足を踏んでいるものと思われます。これは本末転倒ではないでしょうか。

現在の衝突防止装置の開発は各メーカーが巨額の費用をかけバラバラでおこなっています。そのような開発と実装に多額のお金と時間がかかるものは、本来は国が主導して、各メーカーから人とお金を出させてやるべきことかもしれません。

そこで共通の前後衝突防止基本パックを開発し、まずは低価格で全車にまず普及させるぐらいの意気込みでやってもらいたいところです。

もちろん高級車にはさらに各メーカー独自の安全機能や前車追随機能などそれぞれ特徴を持たせたオプションを組み入れることで差別化ができるでしょう。本来高級車に乗るような人には実はこのような暴走防止装置などあまり必要でなかったりします。

さすがにドイツのフォルクスワーゲンは「機を見るに敏」、「かゆいところに手が届く」モデルを日本向けに出してきました。

日本のメーカーのようにまずフォルクスワーゲングループの高級車アウディではなく、排気量1000ccの一番小型の「up!(アップ)」という車種に衝突回避装置を標準装備して出してきました。本来なら日本車もこうでなくてはいけません。

今からでも決して遅くないので、最低限必要と思われる「前後急加速抑制&低速度前方衝突防止装置」を各メーカー共通品として軽自動車から大型車にも装備を義務づけるようにすれば、一気に暴走事故や追突事故を大幅に減らすことが可能でしょう。

このようなちょっとした不注意による事故を防ぐことで様々ないい影響が生まれてきます。例えば世界中へ輸出される日本車には全車安全装備が付いているという安心感、様々な場面で使われ装置のノウハウを蓄積することにより、より安全で進化した装置の開発ができ、ユーザーにとっては対物や車両保険料が大幅に下がることとなるでしょう。

トヨタやホンダが力を入れているITSなど日本独自のものにお金をつぎ込むよりも、世界中でいますぐに役立ち、事故を大幅に減らせる装置なのですからもっと優先的に日本が主導してやっていくべきでしょう。

現在のアイサイトが10.5万円、イーアシストが9.5万円、レクサス(トヨタ)のオプションはお高くて19万円、トヨタの他の一部車種には14.7万円のオプションなどメーカー独自の商品が10〜20万円で商品化されているわけですから、それらから余分な機能を大幅に削りとり、センサーなど部品の共通化などにより量産効果も考慮すると4〜5万円で標準機能をもった装備が実現可能となるでしょう。

それをいますぐなぜやらないのでしょうか?
そのせいで毎日何十人もの人が傷ついているというのに。

【考察シリーズ】
バカバカしい軽自動車の馬力規制の考察(考察シリーズ30)
衝突防止装置の普及を加速するための考察(考察シリーズ25)
ランエボの維持費についての考察(考察シリーズ24)



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2012年10月08日

ランエボの維持費についての考察(考察シリーズ24)



一般的なクルマの維持費は年間どれほどなのか?そして自分のランサーエボリューション]の場合とどれほど違っているのかを計算してみました。もちろん様々な前提条件や机上の計算と実際では違ってくるのは承知の上です。

まず一般的なクルマの維持費を計算してみます。

前提条件は、自分の過去の使用パターンと一般的な想定に基づきます。

・値引込み車両本体価格250万円の車両本体で購入し、9年間使用
・車重は1.5トン未満の普通車セダン
・走行距離は年間5千キロ
・レギュラーガソリン仕様(142円)、平均燃費9.0km/L
・任意保険は21歳以上限定、車両保険含め基本全部込み、等級12
・定期点検、車検はすべてディーラーで実施

■購入費用
車両本体250万円
購入時の税金・強制保険など諸費用40万円
購入時オプション(カーナビ、サンバイザー、マット)30万円
購入時合計320万円

9年後の下取り価格10万円
年間分割費用(320-10÷9年)34.4万円
月間分割費用2.9万円

■維持費
9年間ガソリン代(9年×5000km÷9km×142円)71万円
車検代(税金・保険代含む)3回分(17万円×3回)51万円
任意保険代(14万円×9年)126万円
自動車税(4.5万円×9年)40.5万円
整備費用(3万円×9年)27万円
故障修理費用(5万円×5回)25万円
有料道路代(2万円×9年)18万円
タイヤ、バッテリー等消耗品代(8万円×2)16万円
駐車場代(1.5万円×12ヶ月×9年)162万円

維持費計536.5万
年間59.6万円
月間5万円(駐車場代抜きの場合3.5万円)

購入費用含む月間総コスト7.9万円
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次に2008年式ランサーエボリューション]で維持費を計算してみます。

・値引込み車両本体価格360万円(2008年当時)の車両本体で購入し、9年間使用
・車重は四駆のため1.5トン以上
・走行距離は年間5千キロ
・ハイオクガソリン仕様(150円)、平均燃費7.0km/L
・任意保険は21歳以上限定、車両保険含め基本全部込み、等級12
・定期点検、車検はすべてディーラー

■購入費用
車両本体360万円
購入時の税金・強制保険など諸費用45万円
購入時オプション(カーナビ、サンバイザー、マット)30万円
購入時合計435万円

9年後の下取り価格50万円
年間分割費用(435-50÷9年)42.8万円
月間分割費用3.6万円

■維持費
9年間ガソリン代(9年×5000km÷7km×150円)96万円
車検代(税金・保険代含む)3回分(18万円×3回)54万円
任意保険代(22万円×9年)198万円
自動車税(4.5万円×9年)40.5万円
整備費用(4万円×9年)36万円
故障修理費用(6万円×5回)30万円
有料道路代(2万円×9年)18万円
タイヤ、バッテリー等消耗品代(12万円×2)24万円
駐車場代(1.5万円×12ヶ月×9年)162万円

維持費計658.5万円
年間73.2万円
月間6.1万円(駐車場代抜きの場合4.6万円)

購入費用含む月間コスト9.7万円
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まず、走行距離が「年間5千キロとはえらく少ないじゃん!」と思われますが、実際に他の家族も使わず週末のみのドライバーならそんなものです。私の場合も週末だけと、年に1〜2回は関西を往復(約千キロ)していますが、ここ30年間ぐらいはずっとそんな感じです。

その他、任意保険は事故を起こさなければ翌年度は等級が上がり、車両価格が下がって保険料が毎年下がりますが、ま、そのような細かなことは省略しています。だって事故を起こせば逆にもっと高くなることもありますからね。

故障修理費用やタイヤ・バッテリー費用に関してはエイヤの世界です。おそらく消耗品にはワイパー、ベルト類、油脂類などがありますが、その消耗度は乗り方によっても大きく変わってきます。

あと大きいのは任意保険です。もし35歳以上限定+割引最高ランクであれば、おそらく今回記載した任意保険は半分ぐらいになるでしょう。駐車場も自宅敷地にあるのか、有料で外に借りるのかによって大きく維持費が違ってくるものです。

総合すると、2000cc級の普通のセダンに乗る場合は、初期費用320万円、その後は月々平均5万円(自前の駐車場があれば3.5万円)という結果になります。車検時や修理時に一気に支払うことが多いので感覚的には毎月そんなには支払っていないように思いますが、平均してならすとするとこれだけかかっているのです。

さらに、購入時の初期費用も含めると、9年間で856万円支払うことになります。1年平均にすると95万円ですからザクッと年間100万円、月にすると8万円コストがかかります。

一方、ランエボ10の場合、初期費用435万円、9年間の維持費合計658.5万円とやはり普通のセダンよりは初期費用で115万円(9年後の下取り価格を考慮すると75万円)、9年間の維持費用合計は122万円高くなります。

維持費用の中でも特に事故や盗難リスクが一番高いランクとなる車両保険を含む任意保険の差が大きく、月間維持費は6.1万円(駐車場代除くと4.6万円)で、普通セダンより1万円ほど多く支払うことになります。

購入時の初期費用も含めると、総額1044万円(9年後の下取り分含む)で、月々に換算すると約10万円近く負担することになります。普通のセダンとの比較では有利な下取り価格分を差し引いても月々負担の差は約2万円ほどあります。

一般的な2000ccクラス普通車とランエボXとでは、任意保険以外にも車重があり構造が複雑な分だけ税金や整備費用などの維持費が高くなります。例えばバッテリーひとつとってみてもカーショップで普通のセダン用が1万円程度で買えるものが、ランエボ10の場合、トランク内に装備する特殊な純正バッテリーは3万数千円かかります(そんなクソなの使わないけれど)。

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その他では車検、点検整備、故障修理代が上がり、さらに高性能ワイド&グリップタイヤのため摩耗が激しく、高価なタイヤをより多い頻度で買い換える必要が出てきます。今回は含めませんでしたがスタッドレスタイヤを買うにも通常のセダンのタイヤとでは価格に1.5倍ぐらいの開きがあります。

いずれにしても普通の2000ccセダンでも月間維持費が5万円、駐車場が自宅にあっても3.5万円がかかる自家用車ですから、これだけ収入が低迷する中では、通勤や仕事で必要な人、障害や病人を抱えて移動に必要な人、クルマの保有に価値を見いだす人以外はそう多くなさそうです。

若者のクルマ離れを心配する人が多いですが、若者と言うよりも、いままでクルマの所有に価値を見いだしてきた多くの団塊世代が、65歳を過ぎて収入が年金しかなく、巣立った家族と出掛けるようなことがなくなると、クルマを手放すこととなり、ここ数年の間に一気に新車販売台数が減少していく可能性のほうを心配しています。

それを避けるためにも高齢者が安心して乗れて車両本体も維持費も安いクルマ。つまり小型乗用車でありながらアイサイトなどの先進的な安全装備が付き、しかも世界一品質にうるさい日本の高齢者向けに、アジア製ではなく国産で上質でフル装備を施したモデル、例えばフォルクスワーゲン「up!(アップ)」のようなモデルを出してもらいたいものです。

こんな記事がありました。
月間維持費1万円を実現せよ―「若者のクルマ離れ」を考える(Biz誠)

ランエボX から N-WGN へ その1(プロローグ)
ランエボと自動車保険(特に車両保険)についての考察
もっと光をあてていい軽自動車の考察(考察シリーズ23)



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2012年09月08日

もっと光をあてていい軽自動車の考察(考察シリーズ23)


自分で買ったことはないけれど、日本という人口密度が高く狭い道路しかない国に一番相応しい乗り物は軽自動車だと思っているわけです。この軽自動車の規格は日本独自のものですが、エコが世界的なブームとなり、海外からもこの規格はよい評価をされているそうです。

クルマがないと不便な生活を強いられる地方の家では、世帯主は普通車に乗っていて、その妻や子供達の多くは2台目3台目のクルマとして軽自動車に乗っていることが多く、なんと言っても車両価格とともにガソリン代や税金、保険料など維持費の安さから日常の足として使うには最適な乗り物です。

しかし最近はそうでもないのですが、一般的には軽自動車は名の通り軽く見られがちで、高い乗用車に手が出ない人向けの若者や貧乏人用のクルマというイメージがつきまといます。

それは各メーカーとも車体価格を抑えるために内装など作りがチープだったり手抜きだったり、快適さや安全性よりも実用性重視だったりするのでやむを得ない面がありました。

しかしそれだけで終わらなかったのが、さすがに日本の優秀な自動車メーカーで、バブルの時期(開発時期)というタイミングだったとはいえ、下記のような秀逸で世界に誇れるいかにも日本的な軽自動車を世に送り出してきました。こういうクルマは世界広しといえども日本でしか生まれないでしょう。

ホンダ ビート 1991年-1996年
スズキ カプチーノ 1991年-1998年
マツダ・オートザム AZ-1 1992年-1995年
ダイハツ コペン 2002年-2012年

当時はユニークな車作りで世界を驚かせてきたホンダが作ったビートは高級スポーツカーと同じミッドシップエンジン・リアドライブ方式をとり、屋根がないフルオープン2シーターモデルです。

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もちろん4輪独立懸架装置、4輪ディスクブレーキなどが装備されています。総生産台数は6年間で33,892台(wikipedia)とのこと。1991年に亡くなったホンダの創業者本田宗一郎氏が送り出した(見送った)最後の4倫車ということです(同)。

軽自動車の雄スズキが満を持して売り出したカプチーノは、ビートと真っ向対決するライバル車で、FR方式のフルオープン2シーターモデルです。サスペンションは高級スポーツカーに多い4輪ダブルウィッシュボーン式、ボディーやルーフの各所にはアルミニウムを使い軽量化にも努めていました。

スズキはこのこのカプチーノ登場よりさかのぼること20年、1971年にフロンテクーペという軽の2シータースポーツモデルを出しています(後に4シーターを追加)。

このときは排気量も360cc、車両サイズも今より小さなものでしたが、当時としては衝撃的なスタイルでインパクトがありました。このフロンテは基本デザインはイタリアのデザイナージョルジェット・ジウジアーロ氏が手掛けるなど、従来の機能優先で貧乏たらしい軽自動車の概念を塗り替えてしまう大きな出来事でした。

AZ-1は長く軽自動車も作っていたマツダがビートやカプチーノに強く影響を受けたのか、それらから約1年遅れで世に出した驚きの軽自動車でした。

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エンジンこそ提携先のスズキから調達しましたが、軽自動車で唯一のガルウィングドアを持ち、高性能エンジンをミッドシップに積み当時流行ったスーパーカーのミニ版を世に出しました。もちろん格好だけでなく走りも洗練されていて、ハンドリングマシンとして高く評価されました。

軽自動車の西の雄ダイハツも黙っていません。コペンはホンダやスズキから大幅に遅れながらも、軽スポーツのが熟した頃に出したラグジュアリー志向のフルオープン2シーターモデルです。

特徴は、軽自動車でありながら電動油圧ポンプの開閉式ルーフを持ち、ビートやカプチーノが生産中止になったあと、唯一の軽オープン2シーターとして長く販売されてきました。しかし残念ながら誕生10年目の今年でとうとう生産が打ち切り(すでに完売)となります。

このような特殊な軽自動車は、決して数が売れるわけでもなく、それだけで大きな利益が得られるわけではないので、メーカーにある程度資金的な余裕がある時でないとなかなか売り出せません。世界的な景気低迷により厳しい環境で、その余裕がないこともわかります。

しかしこれらのクルマは直接的な利益ではなく、それぞれのメーカーの技術力と、イメージを高める効果があり、根強いファンには長く愛され、ずっと記憶に残る名車として語り継がれていくことになります。そういうメリットと遊び心を経営陣がどう考えるかでしょう。

ビートにしてもコペンにしても後継車の噂が出てきていますが、果たして売りに出せるかどうかは不明です。しかしこれだけエコ、セーフティ、環境性能と言われる中で、HVやEVに十分対抗できる日本の軽自動車の技術は、おそらく今後ますます世界中で認められていくはずです。

その軽自動車の象徴的なフラッグシップカーとして、エコと安全と快適さを併せ持った2シーターオープンスポーツモデルを、国内と世界に向けて再度売りまくってもらいたいと願うのは私だけではないでしょう。

【考察シリーズ】
車の大規模オフラインミーティングについての考察
ランエボと自動車保険(特に車両保険)についての考察
カーナビについての(自己流)考察(考察シリーズその4)



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2011年07月08日

高速走行中に集中豪雨に遭った時に関する考察(考察シリーズ22)


梅雨明けが近くなるとあちこちで集中豪雨の被害が起きます。集中豪雨は元々亜熱帯地方に多い現象で一般的にはスコールと呼ばれたりしていますが、日本も気候温暖化の影響なのか頻繁に起きるようになりました。

その集中豪雨も普通にクルマに乗っていれば、濡れることもなくさほど慌てることはないのですが、都市部の道で鉄道や道路の立体交差の下へ潜るような場合、その最下部に水が貯まり、途中でクルマに浸水して動けなくなる事故がよく起きています。

また山の崖付近では、土砂が流れて道をふさいだり、運が悪ければ押し流されることもありますので、そういう場所からは一時も早く脱出するべきでしょう。

私が経験した集中豪雨では、高速道路を100キロ程度で走っている最中に突然ゲリラ豪雨とも呼ばれているもの凄い雨が一気にやってきて、昼間なのに前方視界が十数メートルもなく走行車線がわからないという非常に緊迫した時が何度かありました。

そのような中でも座席位置が高く比較的視界のよい大型トラックは、急な雨で視界不良となりスピードを落とす乗用車に対して、遠慮なく後ろからどけどけとばかりに詰め寄って来ます。危険極まりないし嫌がらせにもほどがあります。

そして乗用車が大型車の後ろや横にいると、大量に跳ね上げられる水しぶきを次々とかぶり、ワイパーでは追いつかず完全に視界を失います。

そうなると乗用車のドライバーとしては、前に走るクルマのうっすら見える尾灯だけが頼りで、必死に食らいついて走るしかありません。怖いからと言って高速道路の走行車線や追い越し車線上で、いきなりブレーキをかけて単独で低速走行するのはこれもまた危険な行為です。

そんな状況に恐怖を感じて乗用車の中には路肩に寄せて停車するクルマもちらほら出てきます。

確かにそのような状況になるとある程度は運転に経験と自信がないと怖くて走れなくなります。しかしその路肩停車も決して安全な場所とは言えないのです。

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集中豪雨の中ではまず視界不良で走行車線がまったく見えなくなります。かろうじて中央分離帯と路側帯のガードレールや防音壁がわかる程度です。

なので路肩に停まっていても、そこに赤いテールランプが見えれば走行車線と勘違いして突っ込んでいくクルマがあっても不思議ではあり舞えん。

まだ双方が動いていれば、後続車は近づくと安全距離を保つためにスピードを落とすことができますが、停まっているクルマを直前で発見しても濡れた路面の急ブレーキでは避けることはできないでしょう。他のクルマも巻き込んで大事故にもつながります。

それに路面は轍(わだち)部分に大量の水が溜まり、ハンドルが取られます。その轍部分を避けようと、車線をはみ出して轍の左右にある比較的盛り上がった部分を(轍をまたいで)走ろうとするクルマが必ず出てきます。

もし狭い路肩に停めていると追突される危険は増大します。轍部分を走るかそれを避けて走るかは、その時々状況を見なければ決めつけられませんが、原則は例え轍があり水が溜まって走りにくくても車線内で走らなければなりません。

そういう怖い目を二輪駆動車で何度か経験してから、私はいざという時に安心感が違うフルタイム4WDを買おうと決めたのが今から20年ぐらい前のことです。

それから構造上複雑になり割高で燃費も悪くなりますが、ずっとフルタイム4WD車に乗っています。おかげでゲリラ豪雨や突風、水たまりや凍結路に突然遭っても慣れもあるでしょうが、慌てることはなくなりました。

4WD車は万能とは言いませんが、そのような悪条件下ではFFやFR車と比べ安定感がまったく違います。もっと言えばFF車やFR車でかろうじて走れる状況でも、4WDだと片手で楽に走れます。

高速道路上が豪雨で大量の水たまりがあり、FF車がおっかなびっくり速度を急に落として50キロ程度で通り抜けるところでも、4WD車ならスピードを落とさず80キロのまま突っ込んでいくことができます。そのぐらいの差はあります。

もっとも4WDと言ってもタイヤ性能やすり減り度によって濡れた路面でのグリップは大きく変わってきますので、私のように、ケチってかなりすり減った状態で乗っている(まだスリップサインは出ていない)と決して安全とは言えないのですけどね。

あと前車レガシィにはリアフォグをDIYで装着していました。日本でも前照灯に加えて補助灯(フォグランプ)を装着している人は多いですが、後ろ向きにフォグランプを付けている人はまだ稀でしょう。

付けていると言っても通常はリアのコンビネーションランプ(尾灯類)の中に埋め込まれていますので外観だけではわかりません。

BMWなど欧州車で、リアの片側だけがブレーキを踏んだときのように、妙に明るくなっているのを見掛けることがたまにありますが、あれがそうです。通常の道ではリアフォグは消すのがまぶしい思いをする後続車への配慮でマナーなのですが、付いているとバカは自慢したくなるのか街中でも点けて走っています。

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このリアフォグは、ゲリラ豪雨の時や霧深い山道を走ることを想定して、後ろから追突される危険を少しでも減らそうと後でDIYで取り付けたものですが、5年の間に本当に必要と感じたのは2〜3回ぐらいで、あまり有用だったとは言えませんでした。

霧の多い欧州ではリアフォグは標準装備が義務づけされていますから、日本車でも欧州へ輸出用の部品を手に入れて少し加工すれば取付けできるものが多いようです。

最後に、高速走行中に突然ゲリラ豪雨に出遭ってしまった際にできる最善の方法は、
1)近くにサービスエリアやパーキングがあれば避難する
2)避難できなければ、乱暴な運転をしないトラックやミニバンなどの後ろにくっついて走る

でしょうか。

ただ
2)の場合、前車が万が一事故を起こすと巻き添えを食う恐れもありますので、安全な車間距離をとり、常に左右に逃げ場所を探しながら走ることが重要です。

前車と十分に安全な車間距離を取り過ぎると、前を走る車の尾灯が見えなくなるので、その距離感覚は悩ましい問題ではありますが、集中豪雨に遭うと車高の低い乗用車の座席位置からは、車線や周囲の状況ががまったく見えなくなりますので、前車の動きが唯一の誘導灯になります。

くれぐれも視界不良の時にヘッドライト(=尾灯)を点灯しないクルマや、左右の車線を行ったり来たりするような乱暴運転のクルマ、それに後続車のことにはお構いなしに、自己中心的に水たまりなどで急激にスピードダウンするクルマの側には近づかないことでしょう。

まずは落ち着いてパニックを起こさず、座席の位置が高く視界のいい背の高いミニバンやトラックに先導してもらい、それらをうまく利用することが一番安全に走るコツです。

都市型集中豪雨はなぜ起こる? 台風でも前線でもない大雨の正体 (知りたい!サイエンス)


【考察シリーズ】
自動車の車幅に関する考察1(考察シリーズ28)
ドアロックする?しない?についての考察(考察シリーズ20)
自動車5ナンバーの栄光と挫折の考察



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2011年05月18日

自動車部品の革新についての考察(考察シリーズ21)


自動車の装備では、日本初や世界初と言われる新しい技術や機能が取り入れられることがしばしばあります。そのごく一部ですが、自分が1980年代以降、実際に使って体験したものについて、その後どのように進化または衰退していったのかを考察してみたいと思います。

1.ボディ複合素材
1983年に発売されたホンダのCR-Xは、日本で初めて試験的にABS樹脂とポリカーボネートをベースとした複合材をフロントフェンダーとドア外装板等に、ポリプロピレンをベースとした複合材を前後バンパーが取り入れられました。これらの素材は、ボディの軽量化にも貢献し、さらに軽い衝撃を受けても復元する能力がありますので、今後多くの車種に取り入れられるのではと期待されました。

しかしこれら複合材は一枚の鉄板で製造するのとは違い、製造や組み立て、塗装などのコスト増につながり、また塗装においては鉄板と複合材で材質の違いから塗装工程も違い、まったく同色にするのは難しく、さらに経年変化により部分的に色やつやが違ってくるなど、量産メーカーとしてはデメリットが大きかったと言えます。

現在はこういった複合材でボディを作ることは、レーシングカーなど一部の特殊車両ではあるものの、一般量産車ではほとんど見られません。量産車の軽量化という意味では、ボディの一部にアルミニウムを使うケースが多く、これは耐久性、加工や塗装のしやすさなどからきているものと思われます。

ただし今後、省燃費の観点からすれば、ボディの軽量化やリサイクル性、それとコストダウンは至上命題でもあり、素材の研究を含め、製造コストや塗料、耐久性などの問題がクリアされたならば、再び見直されることが十分に考えられます。

進化したことと言えば、70年代まではバンパーと言えば一般的にメッキ処理をした鉄と、その保護用ゴムで作られていましたが、80年代以降はこれらの複合素材でバンパーが作られるのが一般化しました。それによりボディと同色に塗られカラフルなものとなり、バンパーの軽量化にも貢献しました。また軽い接触でメッキが剥がれ落ちてしまうことや錆が浮くことがなくなり、小さな傷の修復は容易になりました。

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ただ70年代までのバンパーは傷が付いて交換すると言っても、単なるメッキした鉄板ですので、たいした費用はかからなかったのですが、いまバンパーを交換しようものなら、フロント周り全部を総取っ替えして、さらに塗装代まで別途必要となりますから、交換した際のコストは飛躍的に上がりました。

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さらにバンパーのちょっとした傷の時に、削ってパテ盛って、うまく塗装してという専門職人さんが減ってきたため、ディーラでは安易に交換を勧めるようになり、ユーザーの負担あるいは保険で支払われる修理費用は一気に上がることになりました。自動車保険料が80年代以降に一気に上がってきたのは、実はこの豪華なバンパーの責任に負うところが大きいのです。


2.4WS(4 Wheel Steering)
1987年に発売されたホンダの3世代目プレリュードには当時流行の兆しがあった4WS(4輪操舵システム)が装備されました。4WSは狭い工事現場等で活躍する重機や大きな作業車、トラック、バスなどには普通に装着し活用されていたシステムですが、スポーティカーや量産乗用車に採用されるのは珍しいものでした。

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あのいつも画期的な製品や機能を素早く出してくるポルシェが散々実験をおこなっても「ダメ、4WSは実用化できない。ひっくり返る」とあきらめたものをホンダはわずか10数万円の追加オプションで成立させたことに世間はアッと驚きました。

このホンダの4WSは機械式で構造はいたってシンプル。私も運転したことはありますが、多少違和感を感じますが、高速運転で極めてスムーズな車線移動ができ(同位相※)、また狭い場所での取り回し(逆位相※)においても(後退する時は除き)優れたものでした。

 ※同位相:前輪と同じ方向へ後輪を動かす 逆位相:前輪とは逆方向へ動かす

4WSはホンダ以外の各メーカーからも様々な仕組みで続々と登場し、その後乗用車に一気に拡がるかと思っていましたが、今ではわずかに高級車のごく一部に補完的役割として残るだけで、それも積極的にアピールされることはなくなりました。

理由は4WSは前進している際はいいのですが、後退時にもの凄く違和感があります。中には後退時だけ電気的に4WSシステムをキャンセルできるものもありましたが、結局は構造や制御が複雑となり、コスト増や重量増につながり、また一般のユーザーにしてみると、運転に違和感を感じるような機能は求めていないということで、費用対効果から普及するまでには至りませんでした。

しかし高速走行中の安定性、狭い道や駐車場での取り回しや転回性能などメリットも多く、このまま消え去ってしまう技術としては個人的にはちょっと惜しい機能だと思っています。


3.フェンダーミラー/ドアミラー
元々1980年頃までは運輸省(当時)が定めていた規格では、乗用車にドアミラーを装着することは禁止されており、車両形式認定を受けることができませんでした。そのため海外から輸入した外国車もドアミラーをわざわざ取り去って、新たにフェンダーミラーを取り付けるなどアホなことをやっていた時期があります。フェラーリやポルシェのフェンダーミラー装着車なんてものが実際に走っていたのです(ほとんどのユーザーは車検の時以外はドアミラーに再び戻して乗っていましたが)。

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外国メーカー特にアメリカから、ドアミラーの禁止や100km/h走行時の速度警告ブザー設置など日本独自の規格は、輸入車排除につながり不公正だと圧力がかかり、外圧には弱い政府は1980年頃から輸入車については、しぶしぶドアミラーなどを認めることになり、さらに日本車の形式認定でも1980年代前半にドアミラーが解禁されました。

しかしドアミラー車が一気に増えていく中で、日本の特殊事情で困ったことが起きました。

それは日本の道路、車庫、駐車場などのスペースは、基本日本独自の規格である5ナンバー枠(車幅1700mm未満)で最適化されていましたので、ドアミラーを付けることによりそこから左右にそれぞれ10数センチ程度ボディーからはみ出してしまいます。

その点フェンダーミラーは車幅からわずかに外へ出ているだけで済んでいましたので、そのような問題は起きなかったのです。ドアミラー装着車が増えていくと、狭い自宅の車庫や街の立体駐車場に入らなかったり、狭い道で対向車とすれ違えないという事態が日本中で頻発することになります。

当初のドアミラーというのは、歩行者保護の観点からぶつかると後方に曲がる機能は持っていましたが、元々折りたたむという発想はなく(海外特に北米ではその必要はなく)、各メーカーともその欧米への輸出車用のドアミラーを装着したものが主流でした。

そこで日本の道路・駐車場事情を考慮して、世界初の電動折りたたみ式ドアミラーが1984年に上級車種の日産ローレルに初めて装備されました。

これは便利ということで、その後は一般大衆車まで一気に広まることになります。詳しくは知りませんが、国土が広く車幅を気にしなくていいアメリカや豪州はともかく、ヨーロッパではこの電動折りたたみ式ドアミラーは日本発の便利機能として拡がっているのではないかと思われます。

現在でもタクシーを中心にまだフェンダーミラー装着車が走っていますが、実際にフェンダーミラーのほうが斜め後方視界がよく、またドライバーの視線の移動が少なくて街中の運転では安全性は高いと言われています。

当初は新車を買う際にどちらでも選べるようオプション設定されていましたが、フェンダーミラーの美的センスが極めて悪く、車のデザイナーも付けたがりませんし、ユーザーも求めなくなり、現在では一部の業務用車種以外では、オプション設定もなくなりました。

ちなみに世界初と銘打ってフェンダーミラーにワイパーを付けたのは日産レパード(1980年〜)でしたが、作動するところを実際見たところ、オモチャのような小さなワイパーがドアミラーの半分程度の小さなフェンダーミラーの上をチャカチャカと動き、まるで漫画の世界でした。もっともその後当然のことながら普及することはありませんでした。

これらの他にも自動車はエンジン関連(エンジン本体、キャブレター、過給器など)やヘッドライト、タイヤ、シートベルト、過給器、サスペンション、ワイパーコントロールなど時代の要請や技術の進歩により進化を遂げてきました。

その中には、画期的と思われつつもすぐに消え去ったものや、地味なスタートながら長く支持されてきたものまで、数え切れないほどの独創的な技術や発想で作られたものがあります。消えていったものの多くは、排気ガス規制、燃費の向上、コスト圧縮が主因のようです。

また1995年にこれもアメリカからの強い要請により製造物責任法(PL法)が施行され、今までにない新機能を追加することで、想定できない事故や故障が起こるリスクがあり、メーカーはそれらを恐れて、独創的で実験的な新機能の投入はグッと減ることになります。

確かに効果や長期的な検証が完全に整わない新技術やエポックメーキングな製品導入に関して「ユーザーを実験台に使うなよ」という声が上がるのもわかりますが、一番乗りを目指して競い合い、互いに切磋琢磨があって初めて技術は進歩していくものです。

PL法はメーカーに対し「リスクを冒さず、新しいチャレンジはせず、保守的にこなれた技術の範囲で勝負をしなさい」「他社がやって大丈夫だったことを真似て、自社にはリスクがないように」と言っているようなもので、そうなるとどこのメーカーも技術の差はなくなり、コストの差しか考えなくなります。したがって2000年以降の新車は、どれも特徴は消え、どのメーカーも似たり寄ったりのものばかりで、面白みがなくなっていくことになりました。


【考察シリーズ】
自動車の車幅に関する考察2(考察シリーズ29)
新車購入の考察その1 ディーラーか業販店かそれともネット通販か?
ランエボ]に付けたオートクルーズコントロール(以下クルコン)についての考察



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