2015年04月11日

バカバカしい軽自動車の馬力規制の考察(考察シリーズ30)





2014年度(2014年4月〜2015年3月)の車種別新車販売台数ランキングでは、1位こそトヨタの小型車アクアに奪われたものの2位以下の上位10台中7台を軽自動車で占めるに至りました。新車が売れると10台の内4台以上が軽自動車ということで、日本のベーシックカーとしてすっかり定着してきた感があります。

ただしこの4月からの軽の自動車税増税のための先食い(増税前の駆け込み需要)があったことや、エコカー減税の見直しと厳格化により小型車や普通車のハイブリッドカー、電気自動車、水素エネルギー車などへの恩恵がより高まることとなり、増税された今年度は軽自動車にとって厳しい年になりそうです。

その軽自動車ですが、エンジンには業界団体で自ら手足を縛る馬力規制(最高出力規制)というものがあります。

以前は普通自動車においても日本自動車工業会が主導して、事故を誘発しかねないパワー追求競争の警戒から、運輸省(現国土交通省)の顔色をうかがいつつ、長く馬力規制を敷いてきましたが、そうした規制がない輸入車と比べ、性能が劣っているかのように見える馬力規制は10年ほど前からうるさく言わなくなり、現在は規制はなくなっています。

しかし軽自動車は660ccという日本独自の規格ゆえに、国際競争という理由がなく、今でもしぶとく残っています。

軽自動車では1987年にスズキが出したアルトワークス(当時は550cc)が最大出力64馬力を出して、その後排気量が660ccまでと増えたにも関わらず、最高出力は28年前の64馬力のままで抑えられています

この28年間に様々な技術の進歩で安全装備がつき、また道交法改正などにより自動車事故の死亡率は下がってきて、軽自動車も安全になってきているのですが、頭の固い役人と、ガラパゴス的に進化し税制面などで優遇されてきた軽自動車規格の保護と維持を条件に、国に逆らうことができない業界団体という図式はずっと変わっていません。

現在、この規制いっぱいの馬力を出している軽自動車は、スズキやダイハツ、ホンダ、日産(三菱等のOEM)など各社から出ています。大きな荷物が積めるワゴン車も二人乗りのスポーツカーも最高馬力はすべて同じです。

じゃぁ二輪車はどうなっているかと言うと、こちらは国際競争力の必要性からか、2007年には馬力規制はすべて取っ払われています。

参考までに、軽自動車の排気量と近い600〜700ccの代表的な二輪のスポーツモデルとその最高出力を上げておきます。

SUZUKI GSX-R600
最高出力 125.8ps/13,500rpm
水冷DOHC4バルブ直列4気筒599cc
suzukigsxr600.jpg

ホンダ CBR600RR
最高出力 78ps/12000rpm
水冷DOHC4バルブ4気筒599cc

ヤマハ MT-07
最高出力 73ps/9,000rpm
水冷DOHC4バルブ直列2気筒689cc

などがあり、
外国の輸入車モデルにも、

トライアンフ デイトナ675 SE
最高出力 125ps/12600rpm
水冷並列3気筒DOHC12バルブ675cc

ドゥカティ モンスター696
最高出力 80ps/9000rpm
空冷L型2気筒 2バルブデスモドロミック696cc

など、同程度の排気量ながら、軽自動車の最高馬力を軽く超えている二輪車は珍しくはありません。しかも現在の軽自動車で馬力規制いっぱいの64馬力を出しているのは、すべてターボチャージャー付きエンジンですが、二輪車の場合はすべてNAエンジンでこれを超えているのです。

理屈や原理から言っても、600ccのNAエンジンで80馬力出せる力があるのなら、それにターボを付ければ100馬力超えもそう難しいことではありません。すでにスズキの軽自動車のターボエンジンを載せているケータハムセブンは80馬力を出しています

seven160.jpg

もちろん2輪と4輪ではトルク特性(4輪のほうが重いので運転しやすさからトルクを高める必要性がある)や、日常での扱いやすさなどでエンジン特性の違いがあり、ピークパワーだけを追い求めていいわけではありませんが、少なくとも28年前の馬力規制が技術的には過去の遺物と化していることは明らかでしょう。

ホンダの2シーターミドシップS660が登場する前には「いよいよ軽の馬力規制が外される」と期待を込めて言われていましたが、結局は規制内に収まり、ホンダの最近のポリシィ「枠にはまるな。」ではなく「枠に収まれ。」だったのはご存じの通りです。

hondawaku.jpg


なぜ軽自動車の馬力規制が解除されないのか?自分なりに考えてみました。

(1)軽自動車に力を入れていないトヨタや日産など大手自動車メーカーや天下り業界団体への遠慮
(2)海外自動車メーカーから日本独自規格の軽自動車優遇へのバッシング回避
(3)軽自動車メーカーの横並び意識と、護送船団方式への役人達の自負と利権確保

でしょうか。

(1)は軽自動車のエンジンパワーが上がると、現在の1000ccクラスの小型車の馬力と肩を並べてしまい、税制面では不利な小型車を大量に製造して売っているトヨタや日産にダメージを与えかねません。そうした大メーカー様に遠慮して軽自動車は窮屈な枠の中に収めておこうという考え方です。また自動車メーカーの業界団体であり官僚天下りの温床一般社団法人日本自動車工業界に対する遠慮ということもあるかも知れません。

(2)は日本独自の軽自動車規格に合わせてくる海外自動車メーカーはほとんど皆無で、軽自動車と同じぐらいの大きさや排気量でも日本の区分けでは小型車または普通車に入ってしまいます。外国メーカーは軽自動車の税制優遇は外国車を排除につながり反対していますので、これ以上軽自動車の性能が上がりシェアが増大すると、外国との貿易摩擦や軋轢が起き、外圧が高まるのを恐れているのかも。

(3)は、日本の自動車業界を世界でもトップクラスにしたのは自分たちだという妙な自負と自信を持ち続けている官僚が多く、自分たちの作った規格や規制こそ日本の工業を守るために重要という伝統が今も生き続けています。銀行や保険会社を当時の大蔵省が、自動車産業を通産省(当時)と国交省が、電話会社や放送局を総務省が、農協を農林水産省が、保護育成の名の下に牛耳ってきました。なので技術的にはとっくに可能なのに、親方日の丸に逆らって勝手に自主規制破りなどすればその仕返しは相当厳しいものとなる恐れがあり、どこも逆らえません。そして規制をおこなっている業界団体にはしっかりお目付役の官僚がいっぱい天下ってきています。

もっと複雑な問題が絡んでいるかもしれませんが、そろそろ軽自動車の無意味な馬力規制なんか取っ払って、世界に冠たる高性能スモール(軽自動車)を国内だけに留めず、国を挙げて海外、特に軽自動車が似合いそうなアジアやアフリカの各国へ輸出、現地組み立てしていく方針へと変えていくべきだと思っていますがどうでしょう。

【考察シリーズ】
自動車の車幅に関する考察2(考察シリーズ29)
新車購入の考察その1 ディーラーか業販店かそれともネット通販か?
エコカーの定義についての考察(考察シリーズ6)



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2015年02月22日

自動車の車幅に関する考察2(考察シリーズ29)


最近販売される国内の普通乗用車のサイズを見ていると、国際的な流行のダウンサイジングではなく、アップサイジングの傾向がまだまだ止まらないようです。

私がクルマを選ぶときに注目しているのは、狭い日本の道路や駐車場で取り回しやすく最適と思われる小型乗用車(5ナンバーサイズの幅1700mm未満)と最少回転半径(概ね5m以下)なのですが、もうこれは国産乗用車ではほとんど意味をないしていない状況になっています。

例えばトヨタのミニバンで、つい最近モデルチェンジしたアルファード/ヴェルファイアの幅は1850mm、最少回転半径は5.6〜5.8mで、2tトラック顔負けのでかさです。狭い国内の道路や都市部の駐車場では不便極まりないと思うのですが、どっこいこれがまた、同じ車幅を持つ日産エルグランドとともに小金持ちなオヤジ達に大人気でよく売れるんですよね。

ちなみに最小回転半径は外側のタイヤの軌跡で、タイヤ前後のオーバーハングの大きさによって実質的な最小回転半径(ボディの外側軌跡)はまた違ってきます。

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私がランエボXを手放した理由のひとつに「幅がでかくて(1810mm)、小回りが効かず(最少回転半径5.9m)、使い勝手が悪すぎ!」という点にありました。確かに維持コストの面も理由としては大きかったのですが、それに増して狭い場所での使いにくさにはヘキヘキしました。そうした狭い場所には近づかないと割り切ることができればよかったんですけどね。

例えば信楽(滋賀)の古い工房地域へ迷い込んだ時、筑波山神社(茨城)付近で混雑を避けるべく脇道に入った時、ヤビツ峠から宮ヶ瀬(神奈川)へ抜ける時、室町・壬生寺・島原・鞍馬(京都)を観光で巡った時、浜石峠・さった峠(静岡)を上り下りした時、観音寺山城(滋賀)へ向かった時など、対向車とすれ違えないのでバックしたり、急なカーブで曲がりきれず、切り返しをすることになったりします。この前は軽で楽々走れた関ヶ原の古戦場巡りも、狭くて曲がりくねった道が多く、ランエボだと相当に苦労しただろうと思います。

親戚の家に行ったとき、狭い道を90度曲がったところにある駐車場へ入れる際、「クラウンでも1回で曲がれるのだから(クラウンよりも車格が下の)そのクルマ(ランエボX)なら楽に入れる」と言われたものの、どうやっても曲がれず2度も切り返しをすることに。そりゃ〜車幅が同じでも最小回転半径が5.2mのクラウンと、5.9mのランエボでは全然違いますってば。

各社の代表的な普通乗用車の車幅サイズを見てみると、現行の日産シルフィー(ブルーバード後継)はモデルチェンジ後に5ナンバー枠を飛び出し1760mmに、さらに上級のフーガ(セドリック後継)370GTタイプSだと1845mmです。

レガシィも登場したときはセダンもツーリングワゴンも5ナンバーサイズだったのが現在(B4)は1840mmまで拡大。トヨタが満を持して発表し販売が開始された燃料電池車MIRAIは1815mmです。



マツダのアテンザセダンやSUVのCX-5は1840mm、ホンダ オデッセイ2.4も1840mm、新型レジェンドは1890mm、三菱アウトランダー(エアトレック後継)は1800mm、パジェロは初代が1690mmの5ナンバー枠だったのが今は見る影もなく18.5cmもデブって1875mmです。いくら走破動力性能が高くなっても、狭くて通れない山道やトンネルが増えたことでしょう。

サイズが拡大していく理由は、国内販売不振とは逆に海外販売好調で、従来のように国内専用サイズでクルマを作るよりも、海外、特に北米輸出に合わせたサイズでクルマを作って、それを国内でも売っちまおうと単純なことです。

この車幅1800mm前後のサイズだと北米では車幅が2mを超えるフルサイズのキャデラックやリンカーンが走っていた時代からすれば十分にダウンサイジングになっているのですが、軽(1480mm)や5ナンバー(1695mm)が主体だった日本の自動車からすればとんでもなくアップサイジングなわけです。

北海道始め、土地が余っている地方ならば道もそこそこ広いし、駐車場にも余裕がありますが、都会や昔ながらの街や古くからある峠や山道では、未だに30年以上前の5ナンバーサイズに最適化されたインフラが多いです。都市に多いリフト型の立体駐車場は最近は幅1850mm未満のところが増えてきていますが、少し前のタイプだと幅1800mm未満や5ナンバー以下するところもまだ多く見掛けます。

都会のスーパーの駐車場やコインパーキングへ行くと、3ナンバー同士が隣り合わせに停めると、ドアが開くすき間がほとんどないという時がよくあります。自走式の立体駐車場ではビルの中をクルクルと回りながら上ったり降りたりするわけですが、狭いコーナーを曲がりきれずに何度も切り返しをしているシーンや、コーナーの壁や柱、料金精算機にこすった跡が残っていたりするのをよく見掛けます。

もっとも柱や壁にこするのは運転が下手なだけで、クルマの大きさには関係がないとも言えますが、少なくとも小さなクルマは狭い場所での取り回しについてはずっと楽にできます。

って、前述の通り、最近まで幅1810mmで、最少回転半径が小型トラック並みの5.9mもあるランエボXで、狭い場所で切り返しばかりしていた私が言うのもなんなのですが、乗ってみて初めてわかることも事実です。今ではもう取り回しの悪い3ナンバー車は懲り懲りって思ってます(3ナンバー車すべてが悪いというのではなく、幅や最小回転半径が大きく取り回しの悪いのがダメってこと)。

メーカーにしてみれば、海外向けに作ったクルマを国内で売ることは、上記に述べたように効率的、つまり儲けが大きくなるので、利用者に不便を強いることについては一切触れようとせず、また軟弱な自動車評論家も本質的なところではメーカーに逆らいたくないのであえてそれを話題にしたりはしませんが、考えてみるとく大メーカーの都合に合わせて押しつけられた幅広車の流行はまったく酷いものです。

それともうひとつ頭にくるのが、都会の道路ではよくある「センターラインのない車道の幅が4〜5mの狭い道」で、そうした幅があるミニバンが「おらおらーどけどけ!」とばかりに道の中央を我が物顔で向かって来るケースです。対向車がいようと、坂の上りや下りの優先などお構いなしに「オレ様がまかり通る」です。

そうした道では片方か、あるいは双方ともに端に寄らねばすれ違えないわけですが、でかいミニバンのオレ様ドライバーは常に自分が優先されるものと思っているに違いありません。まったく困ったアホな奴らです。

こちらが優先であるのに、そういう厚かましく威圧してくる相手には、同乗者がいないときに限りますが、ぶつかる寸前まで避けずにいる(チキンレースみたい)ことがあります。

「当然相手が避けてくれる」と思っているミニバン側は急ブレーキ急ハンドルで、目を釣り上げてこちらをにらみつけてきますがザッマミロ!いい気味!です。

えぇ、相手が急ブレーキをかけないと間違いなく衝突(あるいは接触する)しますので、危険で大人気ないことだと自覚しています(真似はしないでください)。ミニバンだけでなくタクシーも同様に相手を威圧し、なめた真似をしてくることがよくあります。

世界的にはエンジンのダウンサイジングが流行していますが、ここらで自動車の幅のダウンサイジングもぜひ日本車が先陣を切っておこなってもらいたいものです。でも実は今の5ナンバー車って、デザイナーの怠慢ですがパッとしないデザインのものばかりで、あまり売れていないんですよねぇ、、、

昔は5ナンバーサイズでも117クーペやピアッツァ(JR)、セリカ(A60、T160、T180)、RX7(SA、FC)、フェアレディZ(S30、S130)、レガシィ(BF、BG、BH)、ローレル(C130)、ブルーバード(510、910)、ギャランシグマ、セフィーロ(A31)など、5ナンバーでも洗練されたデザインのクルマも多かったのですが、最近の5ナンバー車は地味で貧乏たらしく、メーカーもとりあえず品揃えするため仕方なく作っているような物ばかりで納得がいきません。

世界的に見ても日本には軽自動車や小型自動車の規格があり、その限られた範囲で最善を尽くしてきたという先駆者の利があります。これは他の国ではすぐに真似が出来ない大きなアドバンテージで、背伸びをしてメルセデスベンツやBMW、フォードにガチンコ対決をするのではなく、小さくても安全で壊れずよく走り、しかも格好よくて機能的なデザインの日本車をもっと自信を持って突き詰めていってもらいたいと願ってやみません。

【考察シリーズ】
バカバカしい軽自動車の馬力規制の考察(考察シリーズ30)
自動車の車幅に関する考察1(考察シリーズ28)
自動車盗難(2013)の考察(考察シリーズ27)



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2013年10月20日

自動車の車幅に関する考察1(考察シリーズ28)



車幅が1810mmと2リッターセダンとしては比較的ワイドなランエボ10に乗っていて言うのも変ですが、最近の日本車の車幅がどんどんと広がっていることに懸念を覚えています。

1990年半ばまでは国産乗用車といえば小型乗用車という5ナンバーサイズの車幅1700mm未満(車幅1695mmというのがお約束)がほとんどでしたが、1989年の税制改定で、自動車税に関しては5ナンバーでも3ナンバーでも関係がなくなり、排気量だけで税額が決まるようになりました。その後モデルチェンジを繰り返すごとに、従来は小型乗用車(5ナンバー)だった乗用車の車幅が拡がっていくことになります。

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1980年頃まではクラウンやセドリックでさえ1700mm未満の5ナンバーサイズだったものが、やがてバブルでふくれあがった日本の景気と、欧米からの強い外圧により、日本独自規格の小型乗用車優遇税制が見直されることになりました。

なぜ外圧があったかと言えば、この小型乗用車のサイズは日本の自動車メーカーを外国メーカーから守る上で大いに役立ったのですが、他の先進国にはこのような車幅の規格がないので、例えファミリーカーでも車幅が1700mmを越えてしまい、それによって国産乗用車の同クラスと比べ自動車税が年間で数万円高くなるというハンデを背負っていました。

輸入車は高い関税の他、日本の左側通行用にわざわざ右ハンドルに変えたり、独自の排気ガス対策をおこなったり、その他にも180km/h以上のスピードが出なくなる装置や110km/hを越えるとアラームが鳴る装置とか日本独自の基準に合わせるための装備を追加させられたうえに、さらに自動車税が割高ということであまり売れず、国産メーカーを守ってきたわけです。

一方では日本メーカーは、最初は国内で売っていた小さな車をハンドル位置だけ左側に変えてそのまま海外へ輸出していましたが、やがてそれが軌道に乗ると、今度は車幅を拡大し大型バンパーを付けた輸出専用モデルを作り、世界に向けて一気に売りまくったのです。

そして現在では国内で売る台数よりもはるかに多い台数を輸出していますので、立場は逆転し、車幅の広い輸出仕様の車をそのままハンドル位置を変えて国内でも売るようになりました。

なので、本当は現在の国産普通乗用車(3ナンバー車)の車幅は国内の道路や交通インフラに適したサイズではなく、海外、特に数が売れる北米や豪州向けの車のサイズそのものなのです。

三菱ランサーエボリューション、トヨタカムリ、スバルレガシィの歴代車幅変遷
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例えば都市部に多い立体駐車場の多くは、幅が小型乗用車サイズ(ミラーを倒したあとの出っ張りも含め1800mm以内)が多く、これだとカタログ上車幅(ミラーの出っ張り分含まない)がギリの1800mmだとしても、折りたたんだサイドミラーの出っ張り分が邪魔をして入らないか、細心の注意が必要であまり実用的ではありません。

ショッピングセンター、スーパー、コンビニ、高速のサービスエリア、道の駅など、最近できたところは多少広めにとっていますが、それでも基本は小型乗用車サイズの1700mm幅+左右に200〜300mm程度で、隣に停めた車との余裕を足して間隔が400〜600mmといったところです。

古くからあるスーパーの狭い駐車場に停める場合、運悪く3ナンバーサイズの車が両側にあると、両側とも駐車スペースをはみ出さんばかりにいっぱいを占めていて、隣との隙間がほとんどなくなり、ドアは30cmぐらいしか開けず、苦心して乗り降りするはめになります。そうなると今度はドアを開けるとき、よほど注意をしないと隣のクルマのボディにガツンと当ててしまう(当てられてしまう)リスクが拡大しています。

また古くからある道路の幅は狭く、3ナンバー同士だと走行しながらすれ違えないという場所が多々あります。しかもそういう道には電柱が張り出していたりして、歩行者や自転車のリスクも大きくなります。狭い道路ではよく電柱や標識にミラーがぶつかった後が見られますが、これは運転の上手い下手より車幅がドライバーの感覚以上に広がってきている弊害ではないかなと思っています。

山道を走ると、元々軽トラや小型車がギリギリ走れるような場所に出くわすことがあります。幅広の3ナンバー車だと道の中央を走っていても左右から飛び出している木の枝が次々と接触し、ボディ塗装を傷め、またカーブなどでは舗装した路肩から片方の車輪が落ちて泥だらけになることもよくあることです。

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しかしこの車幅拡大の流れは止められそうもなく、国内のインフラをこれから整備していくときにはこれらの要素を反映したものになっていくのでしょう。例えば新東名高速道路の車線幅が旧東名より広くなっているのもその表れでしょう。

最近発売された1.8〜3リッターの3ナンバー車の車幅を書いておきます。
三菱 アウトランダーPHEV  2リッター+HV  1800mm
三菱 RVR 4WD  1.8リッター  1770mm
マツダ アテンザ セダン  2〜2.4リッター  1840mm
マツダ アクセラ・ハイブリッド  2リッター+HV  1795mm
レクサス ISハイブリッド  3リッター+HV  1810mm
レクサス RX  2.7リッター  1885mm
トヨタ クラウン ロイヤルサルーン  2.5リッター  1800mm
トヨタ SAI(Gパッケージ)  2.3リッター  1770mm
トヨタ アルファード  2.4リッター  1870mm
トヨタ  エスティマ  2.4リッター  1800mm
ホンダ アコード ハイブリッド  2リッター+HV  1850mm
ホンダ オデッセイ  2.4リッター  1800mm
ホンダ CR-V  2リッター  1820mm
スバル インプレッサXV  2リッター+HV  1780mm
スバル フォレスター  2リッター  1795mm
日産 シルフィ  1.8リッター  1760mm
日産 エクストレイル  2リッター  1790mm
日産 エルグランド  2.5リッター  1850mm

自動車の車幅に関する考察2(考察シリーズ29)

【旧車シリーズ】
ブラオヤジ7(含む旧車シリーズ)
ブラオヤジ4(含む旧車シリーズ)
ブラオヤジ5(含む旧車シリーズ)



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2013年10月12日

自動車盗難(2013)の考察(考察シリーズ27)





警察庁統計資料によると、自動車盗難件数の多かった10年前2003年頃から比べるとおよそ件数は1/3に減っているものの、現在でも年間2万台以上の自動車盗難被害が起きています。

1日当たりにするとおよそ58台が毎日盗まれている計算です。それにしても2003年は年間6万4千台、1日平均175台の盗難ってひどかったんですね。

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自動車盗難の多くはコンビニや自宅の駐車場などで、キーをつけたままにしておいたすきに盗難に遭うケースがもっと多いのかと思っていましたが、実際はそうではなく盗難件数のおよそ8割がキーをかけた状態で盗難に遭っています。

キーがついたままのクルマを盗むのはアマチュアの仕業で、キーがかかっている状態で、狙ったクルマを盗むのがプロの仕業と言えます。

アマチュアの泥棒対策は、クルマから降りるときは必ずキーを抜くことや、予備キーをバンパーの裏とかわかりそうな場所に置かないなど、そう難しくはありませんが、プロに狙われると、それを阻止するのは困難です。

プロとアマチュアの中間というか荒っぽい手法ですが、犯人がわざと走行中のクルマに軽く追突し、ドライバーが追突されたところを確認するために降りてきたすきを狙い、別の犯人がターゲットのクルマに乗り込み、持ち去ってしまうという方法が紹介されていました。

そうした気が動転した時でも、クルマから降りるときは必ずエンジンを停止してキーを抜くという習慣づけをおこなっていれば対応できます。

プロの犯罪者によく狙われるクルマは、盗んだ後、外国の業者へ高く売れるクルマということで、トヨタのハイエース、ランドクルーザーと言ったところがここ十数年ずっと人気が高く、その次が国内で転売する目的でしょうか、高額なセルシオ(レクサス)やクラウンなどで、さらに次は海外でも人気のトラックでキャンター(三菱)、エルフ(いすゞ)となっています(2012年に500台以上盗難にあった車種)。

いずれにしても盗難に遭いやすいクルマベスト5をトヨタ車が占めているのは不名誉なことでしょう。

盗難率(登録台数1000台の内、盗難にあった台数)を見ると、セルシオ(5.3台)、ランドクルーザー(4.6台)が群を抜き、次にハイエース(1.8台)が続きます。セルシオ(レクサス)やランクルといったトヨタの高級車に乗る場合は、いつもプロに狙われているという意識が必要でしょう。

トヨタ車の場合、質がよくて外国でも人気車種なので盗難後さばきやすく、また走っている台数が多いので狙いやすいということでしょう。

また車種ごとに違う鍵の解錠法や盗難防止装置の解除の仕方、キーなしでのエンジン始動法などが、一度解明されてしまうと、対象となる台数が多く、プロにとっては盗む効率がよくなります。決して他社と比べてトヨタのキーやセキュリティだけが特に甘いというわけではなさそうです。

次に都道府県別で盗難が多い地域とそうでない地域があります。

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2012年車両盗難件数が多い順に愛知県、千葉県、大阪府、埼玉県、茨城県、神奈川県、兵庫県となっています。

大都市または大都市近郊で犯罪が多く発生しているようです。特に愛知県は自動車登録台数が全国で最も多く、さらに人気のトヨタ車が圧倒的に多いこともあるのか、連続して盗難台数ワースト1を続けています。

しかし盗難台数を各都道府県別の車両登録台数(乗用車+商用車)で割った都道府県別盗難率でみると、茨城県がもっとも高くなり、およそ登録車1万台のうち8台が盗難に遭っている計算です。

では、どういう場所が車両盗難に遭いやすいのでしょうか?

1)契約駐車場(屋外)  40%
2)自宅駐車場(屋外)  25%
3)通勤先駐車場  9%
4)自宅駐車場(屋内)  5%
5)路上  3%
6)コンビニ・スーパー  2%
7)契約駐車場(屋内)  2%

となっています。(損保協会調査 2012年11月)。

不特定多数の人が自由に出入りでき、比較的長時間置きっぱなしとなる契約駐車場(屋外)での車両盗難が一番多い(40%)のはわかるのですが、自宅の駐車場で盗まれるケースが屋外・屋内合わせると30%もあるのは意外な驚きです。自宅の駐車場だと安心して防犯意識やセキュリティ対策が弱まるのでしょうか?

一方、契約駐車場(屋内)2%、コンビニ・スーパー2%が少ないのは、そうした場所の多くは防犯カメラが設置されていたり、夜でも明るい照明灯があったり、また立体駐車場だったりしてプロからは敬遠されているのではと推測できます。

これらからすると、高級車を持っているなら防犯カメラの設置と夜間照明のある駐車場、または立体駐車場を選ぶべきかもしれません。それだけでリスクはグッと減らせそうです。

車両盗難防止法としては、現在のところイモビライザの装着が他の防止策と比べ一番有効とされています(自動車盗難等の防止に関する官民合同プロジェクトチーム調べ)。

イモビライザはイグニッションキーと車両とを特殊なIDで照合することで、一致した場合のみエンジン始動ができる電子制御装置です。しかし最近では、主に修理工場で使うイモビライザ機能をなくしてしまう通称イモビカッターが出回り、プロの車両盗難犯に対しては効果が薄くなっています。

さらに最近では純正キーを使わずドアやトランクが開放された場合や、キーロック中の振動検知でアラームやクラクションを鳴らす装置が最初から付いてくるクルマも増えてきました。

また盗難や車上狙いを特に気にする人が社外製品のアラームやサイレンを後付けで装着するケースも増えてきています。欧米などでは何十年も前からそれが当たり前でしたので、日本がようやく追いついたというか、それだけ車両盗難被害が欧米に近づいてきたということです。

しかし振動検知のアラームは、設定にもよりますが雷や雹などの自然現象、近くの道路を走るダンプやトラックの地響き、二輪車の爆音などにより発報してしまうことがあり、閑静な住宅地の中の駐車場に停めていると、そのたびに近所に多大な迷惑をかけることにもなります。

また、イモビライザーや強力な盗難防止アラームが付いていても、組織的な犯罪集団だと、真っ昼間にキャリアカーやレッカー車をクルマの前まで持ってきて、修理業者がまるで故障車を運ぶようなフリをして(ベンツを盗むときはディーラーのつなぎ服やJAFの服に似せて)、警報が鳴ってもお構いなしで、積み込んだり釣り上げて持ち去ってしまうことがあるそうで、そうなるともう手に負えません。

ドアのロックを解錠するのは、プロにかかればホンの5〜10秒程度、アラームが鳴ってもバッテリーの端子を外すのにプラス10秒もあれば十分です。

そしてレッカーが釣り上げて載せるのに30秒かかっても、1分以内で盗難に必要な作業は完了です。盗んだクルマは仲間の自動車修理工場へ運び込み、そこで分解してバラ売りしたり、輸出用に偽の書類を作成し、車体ナンバーの刻印を切り取り、新たな刻印を溶接します。

セコムが開発した盗難車の位置をGPSで知らせるセキュリティ装置「ココセコム」は、まだそれほど普及していない間は効果がありますが、それもポピュラーになると、やがては対策をとられてしまうでしょう。

つまり防犯装置と自動車泥棒とのいたちごっこで、絶対に安心と言えるセキュリティは存在しないってことです。

それに盗難に気づくのが遅れた場合、GPSで調べた結果、太平洋上で船で運ばれている途中だったという話しを聞いたことがあります。取り戻せたとしても長くかかり、しかも保険が効けばいいですが高くつきそうです。

私のランエボには、元々イモビライザは付いていますが、屋外の契約駐車場に置いていることもあり、車上荒らし対策にと振動やドアなどの開放検知で鳴る社外のアンサーバック付きセキュリティ装置を付けています。

一度だけ購入後まもなくして静かな真夜中に、突然サイレンが発報したことがあります。たぶんですが、誰かがいたずらか車上荒らしを狙ってドアノブを触ったのではないかと推測しています。

実際に警報が鳴ったからと言って、真夜中に気が立った犯人と鉢合わせする可能性があるので、すぐに外へ飛び出して見に行くことはできません。あくまで素人犯罪者向けの抑止効果ってところですが、それでもあるとないとでは安心感が違いますので、最初から付けておいて正解だと思っています。

【考察シリーズ】
自動車の車幅に関する考察1(考察シリーズ28)
ラリーアートとSTIの明暗について(考察シリーズ26)
衝突防止装置の普及を加速するための考察(考察シリーズ25)



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2013年02月09日

ラリーアートとSTIの明暗について(考察シリーズ26)



前スバル乗り、元・現三菱乗りとしてちょっと言いたいことがあります。

三菱のラリーアートは1984年三菱自動車の子会社と設立され各種モータースポーツへ参加したり、またユーザーへサポートをしてきました。中でも三菱ワークスチームとして出場してきたダカールラリーの活躍は目覚ましく、また結果こそかんばしくなかったもののWRC(世界ラリー選手権)での活躍は三菱自動車のユーザーやファンにとっては誇らしく喜ばしいことでした。

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しかし2010年に突然の業務縮小、実際の活動休止が発表され、3月31日をもってほとんどが停止しました。これには三菱自動車のファンだけでなく、多くのモータースポーツファンをがっかりさせました。

それにいたる経緯はよくわかりませんが、考えられることは、2000年のリコール隠し発覚以降、2004年には闇改修をともなう二回目のリコール隠し発覚、元社長の逮捕、2009年頃から連続して起きたオイル漏れのリコールなど、経営にも影響が出る事態となりモータースポーツにお金を投じている場合ではないという社内事情があったのでしょう。そして最近また国交省の立ち入り調査があり、リコールに消極的という伝統がマスコミでささやかれています。

2002年に発覚したリコール隠しについては、それを下敷きにして書かれたという直木賞作家池井戸潤氏の「空飛ぶタイヤ」に詳しいですが、その内容はまったくひどいものです。

モータースポーツにはお金がかかるので撤退やむなしという一方では、時期尚早で売れもしない電気自動車(i-MiEV)の開発と販売に大金を投じ、アメリカで販売されているクルマの中で「2012年もっとも売れなかったアメリカ不人気車」として堂々第1位を獲得する始末です。

電池の高性能化、低価格化、充電スタンドなどのインフラも整わない中で、三菱グループや、グループと関係の深い企業の購入以外に買う人は少ないでしょう。

2012年4〜12月の平均でi-MiEVの月間販売台数はわずか500台程度です。三菱の軽乗用で一番売れているekで月平均2300台、人気のホンダNBOXだと月1.5万台と大きく桁が違います。

モータースポーツというのは、保守的で夢のない年寄りばかりで保身と金儲けだけに汲々している三菱の上層部(自動車だけでなく関係の深い銀行や商社、重工など含め)には理解できないでしょうが、会社の製品のイメージを高め、若者にクルマの良さや素晴らしさをアピールできる数少ない投資の場なのです。

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そうした保守的な雰囲気がある三菱の中でも、社内に木全巖氏や篠塚健次郎氏、増岡浩氏、トミ・マキネン氏などエース達の影響が残っていた時代は、モータースポーツへチャレンジする活気あるスピリットが感じられましたが、いかんせんその後が続かず、その後は社内外にカリスマドライバーも育たず、モータースポーツ好きな若い人は他へ流出してしまいました。

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そんなモータースポーツを自粛し、空気読めない、先も読めない指導者の下で作られるクルマに魅力を感じる人はいません。

タイで生産された軽よりも多少大きい貧乏人、いや、ケチンボ向け乗用車にときめきを感じる人はいないでしょうし、安いだけならなにも三菱のクルマでなくともいいわけです。

え?小型車のミラージュはユーザーをときめかせるような車格ではない?

そんなことはありません。三本和彦氏が現在乗っているフォルクスワーゲンポロやBMWのミニなど、新技術を盛り込んだときめかせてくれる小型車も世の中にはいくらでもあります。

もうひとつのSTI(SUBARU TECNICA INTERNATIONAL INC.)は、ラリーアートに遅れること4年、1988年に設立された富士重工業のモータースポーツに関わる事業をおこなっています。

立ち位置としては三菱のラリーアートやトヨタのTRD((Toyota Racing Development 1976年〜)、日産のNISMO(Nissan Motorsports International CO.LTD 1984年〜)などと同様ですが、スバルの会社の規模からすると、どこよりも活動が活発に見えます。

そしてこのSTIとラリーアートは、主として国内外のラリーにおいて、過去形なのが残念ですが、世界でもトップクラスのワークスチームを共に送り出してきました。

特に1992年には宿命のライバルと言われてきた記念すべき競技専用車とも言えるインプレッサWRX(初代)とランサーエボリューションが登場し、やがて主戦場をWRCとし、世界の強豪達とも肩を並べ激しいバトルを繰り広げてきました。

そしてそれは2005年の三菱ワークスチーム、2008年のスバルワークスチームそれぞれのWRC撤退まで続きました。

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このような「インプレッサ対ランサーエボリューション」という国産2000ccターボの4WDセダンという同じカテゴリーで長く続いた好敵手の関係はもうなくなってしまうのでしょう。

浅田真央にキム・ヨナ、アイルトン・セナにアラン・プロスト、大鵬に柏戸、長島茂雄に王貞治、宮本武蔵に佐々木小次郎、星飛雄馬に花形満、矢吹ジョーに力石徹、岡ひろみに緑川蘭子、まともなライバルがいないのに強いのはONE PIECEのルフィーぐらいなものです。

互いに似たライバルがあってこそ切磋琢磨し強くなっていくのはスポーツにおいては必須のことです。

気のせいかも知れませんが、STIは三菱がラリー競技から撤退したあと、どうもライバル不在の国内外ラリーへの意欲が減退してしまったようです。そして今ではワークスチームとして活動の中心をNISMOやTRDがいるサーキット場へと移してしまいました。

世界的にはF-1と並び人気の高いWRCを頂点とするラリー競技において、ラリーアートあっての三菱、STIあってのスバルというイメージを持つ人達が世界中にいたことを三菱自動車関係者はもう一度思い返すべきではないでしょうか。

1964年にF-1に初参加し、1968年に一旦活動停止したホンダが、1983年にエンジンサプライヤーとしてF-1GPにカムバックするまで15年もの年月が必要でした(ホンダ単独チームとしての復帰までは34年)。

一度そのようなトップレベルの競争をやめてしまうと、はるか先へ行ってしまった技術やノウハウに追いつくには相当の年月が必要です。三菱のワークスチームがWRCの舞台で世界に伍して戦う姿がもう見られそうもないのは残念です。

【考察シリーズ】
自動車盗難(2013)の考察(考察シリーズ27)
高速走行中に集中豪雨に遭った時に関する考察(考察シリーズ22)
ETCカードの考察(考察シリーズ10)



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