2026年02月28日

終活で建墓した その2(墓地施工業者の選び方と交渉の仕方)




終活で建墓した その1(公営墓地が当たってしまった!)」では、図らずも自宅の近くにある公営霊園の4平米墓地が66倍という驚異的な競争率に関わらず当選してしまい、慌てて墓地利用代と墓石設置費用をかき集めた話しを書きました。

今回は、この公営霊園では墓地を利用することが決まれば利用者規則で、2年以内に墓石(または外枠)の設置が義務づけられているので、お墓の設営(建墓)を進めていくことになります。

つまり「まだ納骨する遺骨がないので、当面は空き地のままで放置しておこう」というわけにはいきません。

そこで、とりあえず墓石や工事のことを知るためにネットで調べ、その後、実際に石材店に足を運び、話を聞きに行くことにしました。

また石材店に行く前に、霊園にはどういったお墓があるのかを何度か現地の霊園へウォーキングがてら調査に出掛けました。自宅から徒歩でも20分程度の距離なのでいつでも行けて便利です。

この事前視察が思いのほか役立ちます。というのも、いきなり石材店へ行っても、こちらはなにもわからない素人で、相手は専門知識が豊富なだけに、ややもするとうまく言いくるめられたりすることになります。

まず墓地の視察時に、墓石の外枠に、工事をした業者名のプレート(下の写真赤丸)が貼られていますので、自分の好みに合った墓石や丁寧な工事の跡が見られるところの施工業者のプレートを含め写真に撮り、あとで業者選びや検討の材料にしました。

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気に入ったお墓の写真を撮っておくのは良い方法で、後に業者と話しをして見積書を作ってもらう際、「こういうイメージの墓にしたい」といくつかの写真を見せて伝えることで話しがずっと早いです。また相手にもちゃんと事前によく研究していることが伝わります。

そして、お墓に貼られているプレートを次々見ていると、そこの霊園での工事に慣れているかどうかわかります。

もっとも、ここの公営霊園は太平洋戦争中の1943年に開園し、その後次々と広げていった巨大霊園なので、その霊園の周辺には需要を当て込んでいくつもの石材店が軒を連ねています。

石材店の役割は、最初の施工工事だけではなく、古くなった墓石や外枠の改修工事や、新たな納骨時に墓誌への彫刻、納骨室を開いて納骨作業、代理で清掃や参拝、改葬工事など様々な需要があります。

そうした数ある石材店をネットで検索し、墓石の施工実績の写真や料金などを表示しているところをピックアップしていきます。

石材店というのは一般的に昔から継続している小規模な家族経営の店が多い上に、顧客は高齢者が多いということもあり、積極的にITやネットを使ったビジネスとは縁遠そうで、ホームページすらなかったり、あっても最初に作ったきり何年も更新されていないという業者が結構あります。

そういうところって未だに昭和時代の感性と仕事を引きずっていそうで、個人的にはイマイチ好きになれません。

こちらは暇なので、要望があればバイトで日々のホームページ更新(工事風景の動画や静止画の撮影から墓石発注前の要領、注意点などの記述)を代わりにやってあげたいぐらいです。従来は墓石を求める人(≒高齢者)はネットで調べるような人は少なかったかも知れませんが、今はそうではありません。

そこで、霊園近くに店を構えていて墓石に付けられた施工業者のプレートを何カ所も見かけた石材店2社と、霊園の近くではないけどネット上の情報が豊富で公営霊園の仕事も多くやっていそうな石材業者2社の合わせて4社にメールを送り、順にアポイントをとりました。

業者に出すこちらの希望と条件は、いろいろと検討した結果、「4平米、石碑は西洋型の桜御影石、地下カロート(納骨室)、墓誌、外枠片側にベンチを設置」です。石碑の桜御影石や外枠の石材はいくつか種類があるので、業者から提案してもらうことにしました。

桜御影石は、最近増えてきている、ピンクがかった石材で、産地によって数種類あり、通常のグレーの石より少し割高です。墓石の西洋型というのは日本の伝統的な縦型の和型墓石(竿石)ではなく、横型で低くシンプルな形状です。

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墓石(西洋型)はイメージです
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西洋型にしたのは、まもなくやってくるだろう首都圏大地震で縦型の墓石だと大きな地震でかなり倒壊する危険性があるのではないかと思い、杞憂かもしれませんが、低くて接地面が大きいタイプの西洋型を選びました。

その代わり、高さがない分、周囲の高い墓石の中に埋もれてしまい、遠くからは見えない(見つけられない)というデメリットもあります。

墓誌は外枠や石碑の横に立っている戒名など故人の名前や日付などを彫ったものです。設置後固定された墓誌にどうやって彫るのかな?と思ったら、最近はゴムで型抜きした文字を貼り、そこにサンドブラストを噴射して彫っていくようです。

ですよねぇー、今時、石ノミでコツコツと綺麗な文字を彫れる職人さんってほとんどいないでしょうし、それができる職人さんに依頼すると相当な額になるでしょう。

地下カロートは、4平米の墓地では通常のタイプで、骨壺を収める収納庫が石碑の前にある拝石(石のフタ)の下、半地下にある構造です。地上のカロート(丘カロート)は、主に1平米の狭い墓地で使われる構造で、墓石の中に納骨しますが広さは限られます。

拝石を上げた状態の地下カロート(納骨室)の例
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片側にベンチを設置するのは私のこだわりで、参拝者に少し座って休憩してもらえる配慮と、ベンチの下にバケツやブラシなどが収納できるので、手ぶらで来られ、しかも外観が見苦しくないようにと考えてのことです。

ベンチのイメージです
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いよいよ業者への訪問ですが、最初に訪問したのは、霊園とは離れた場所にあり、江戸時代に創業したという歴史のある一族経営っぽい老舗石材店で社長と直接交渉し、上記の通り、写真を見せて、「墓石はこんな感じで、石材はこの色、片側にベンチを設置、予算は150万円ぐらい」とこちらの要望を伝えました。

すると、「この内容だと最近の円安の影響で輸入石材価格が高騰していて、軽く200万円は超えます」とカウンターパンチを喰らいガックリです。希望と大きく乖離しているので見積書をもらうこともしませんでした。

やはりネットで表示されている料金は、数年前のものが多く、今の物価高や円安でここ1〜2年で材料費や工事費が2〜3割は上がっているような感じでした。

気を取り直して2番目に訪問したのは、霊園近くにある石材店で、家族経営ではなく従業員が数名いるような規模で、交渉相手は営業部長(部下がいるようには見えませんでしたが)です。

前に予算との乖離がありケンホロだったトラウマがあり、恐る恐る、前と同じ条件で、今度は見積もり書をもらうため、「予算の150万円にはこだわらず見積もりをください」と依頼しました。

そのためいくつかのパターンで見積もりを出してくれ、こちらの希望をすべて取り入れると予算から10万円オーバーの160万円の見積もり額が最低額でした。200万円を超えずホッとしました。

3番目に訪問したのは霊園に近い家族経営っぽい石材店で、女性社長が対応してくれました。しかし3社目ともなると、こちらから希望条件などをよどみなく淡々と述べたせいか、すでに石材店をいくつも回って交渉慣れをしていて面倒くさそうと思われたのか、あまり積極的な熱意が感じられませんでした。費用見積もりも200万円を少し切るぐらいです。

最後の4番目に訪問したのは、霊園とは少し離れている店ですが、ネットで工事の段取り風景の写真をたくさん載せていて好感が持てました。しかし費用はやっぱり予算を30万円ほどオーバーしています。

ほぼ同じ条件のお墓でも見積もりに50万円ぐらいの差があるのは、その業者が仕入れる石材(ほとんどが輸入)の種類や海外業者との関係によるものと思われます。つまり業者によって得意な石材や安価で輸入できるルートを持っているなど差があるようです。やはり複数の業者見積もりは必要です。

4つの業者を回った後、2ヶ月ほど間を置いて一度完全に熱を冷まし、2番目と3番目の店にいくつかの質問と価格の交渉のため再訪しました。急ぐ必要はこちらにはないので、余裕の交渉です。

結果的には、2番目の霊園近くにある石材店で、見積もりの160万円から単独の墓誌を省いてもらうことで税込み150万円にしてもらうことができました。粘り強く交渉したことと、墓誌をカットする割り切りで、予算内に収めることができました。

なお、単独の墓誌がなくても故人の名前や日付等は、石碑の裏側に彫り込むことができるということでした。実際そうしているお墓も結構あります。

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それに墓誌は独立して建てるとポッキリ折れることがあり、その設置場所や強度には十分な検討が必要です。下の写真は、偶然見かけたもので、どのような原因で折れたかは不明ですが、折れた墓誌が倒れて隣の墓石に寄りかかっていました。

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このまま設置工事の時期を1〜2年先へ延ばしても、さらに物価高や円安で、工事の人件費や石材の高騰が続きそうで、業者側の都合に合わせ、霊園側に工事の申請を出し(業者がやってくれます)、3ヶ月後に工事をおこなうことで契約をしました。

工事の様子は次回最終回「終活で建墓した その3(墓地設置工事あれこれ)」に続きます。

終活で建墓した その1(公営墓地が当たってしまった!)
◇終活で建墓した その2(墓地施工業者の選び方と交渉の仕方)

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posted by makan at 10:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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