2024年07月10日

北海道一周ドライブ2024 その4(三毛別、宗谷岬、稚内編)



前回の「北海道一周ドライブ2024 その3(松前・積丹・小樽編)」では、函館から渡島(おしま)半島の日本海沿い、日本海追分ソーランラインを北上し、中間のせたな町に一泊し、その後積丹半島を回って小樽のペンションに宿泊しました。

そしていよいよ北海道で1日400km近くを下道で走り抜けるロングドライブが始まります。コキコキ(首)

***【7日目】***

前日に小樽の亀十パンで買った朝食のパンと十勝の牛乳で気合いを入れ、予定より1時間早い7時にペンションを出発です。この日は日本海沿いの日本海オロロンラインをひたすら北上し、日本最北端の稚内へ向かいます。

小樽市内から札幌市の郊外地域を走るため、通勤ラッシュにあわないよう早めに出ました。石狩市を抜けるまではやはり交通量が多く、平均速度は思ったほど出ません。

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写真出典:アクアマリンふくしま
ところで「オロロンってなに?」と調べると、正式名称はウミガラスという海鳥で、樺太や北方領土などから広く日本沿岸に生息していましたが、現在は絶滅危惧種になっています。

日本海オロロンラインは小樽(石狩からという説もあり)から稚内までの国道231、232号線の名称で、左に海、右に湿原や平原を見ながら単調な直線の道を淡々と走ります。これぞ北海道のイメージ通りの道!という感じです。

うっかりしていると速度が上がってしまいます。そこで今まで高速道路以外ではほとんど使ったことがない後付けしたドイツ純正のクルーズコントロールが役立ちます。なんせ2012年登録の古いクルマなので元々はクルコンが付いてなかったのです。

VWポロにクルーズコントロール装着

困るのは、40キロ制限、50キロ制限、制限解除(60キロ制限)の3種類速度制限が数キロ単位で次々と変わることです。

下の写真は、ドライブレコーダーの同じ路線の数キロの間に現れる「50キロ制限標識」と「50キロ制限解除標識」を抜き出しました。

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見やすい位置に配置される「50キロ制限標識」と、見落としそうな位置や雑草や木の枝に半分隠れるような位置ばかりに設置される「50キロ制限解除標識」です。

しかも速度制限がある場合は。よく見える場所に何度も繰り返して標識が出てきますが、速度表示の上に設置される青い斜め線の制限解除標識は1回のみで、その後は新たな速度制限が始まるまで速度標識は出てきません。したがって一度の制限速度解除の標識を見落とすと「ここは50キロ制限?60キロでいいのか?」と混乱します。

というより初めての道でしかも長距離を先頭で走るのは疲れるので、後続が追いついてきたら早めに道を譲ります。イライラさせてあおり運転など余計なトラブルを起こさない配慮も必要です。それに慣れてくるとある程度は見落としていても「ここはたぶん60km/hだろう」とわかってきます。

それに速い地元のクルマの後を付いていくと安全に走行距離を稼げます。走っているクルマ自体が少なく、見渡す限り前後にクルマは見えず、したがって追いつかれるということは滅多にないんですけどね。

稚内までのルートの途中でぜひ寄ってみたかったのが、三毛別(さんけべつ)ヒグマ事件復元地(苫前町三渓)とサロベツ湿原です。

その前に、「道の駅 おびら鰊番屋」の敷地内に明治時代に建てられた重要文化財の旧花田家番屋があり、サクッと見学します。

番屋とは網元や漁師たちが寝泊りした居宅兼漁業施設のことで、高村薫著の小説「晴子情歌」の中で、番屋で働く主人公やニシン漁師の様子が詳しく書かれていました。

三毛別ヒグマ事件は吉村昭著の小説「羆嵐」に詳しく書かれていますが、1915年(大正4年)に実際に体重340kgの巨大な羆(ヒグマ)が北海道開拓民を襲った日本で最大の熊被害現場です。

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温暖化による食料の減少などの影響で、全国で熊被害や、目撃情報が相次いでいて、もう100年以上前の出来事とは言え、その本場とも言える場所だけに、恐る恐るクルマを降りて復元された場所を見学しましたが、他には誰もいないシーンとした山の中で、昼間でも怖かったです。

その後、再び日本海オロロンラインに戻り、「道の駅えんべつ富士見」の「レストランみなくる」で、ホタテ天丼を食べました。数えると小ぶりですがホタテの天ぷらが14個ほど山のように盛られていました。食った食ったふぅ

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海岸線沿いにズラーと並ぶ壮大なオトンルイ風力発電所は、空が青かったらさぞ絵になるでしょうけど、低い雲が立ちこめる中ではあまり絵にはなりません。

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走行動画 https://www.youtube.com/watch?v=cIYjZi6oKl8


横から見るとこんな感じです(動画) https://www.youtube.com/watch?v=fq0Mnege6lY



サロベツ原野を上から眺められる「幌延ビジターセンター」の展望台がポツンと建っていて、他に誰もいないので、ひとりでヒーヒー言いながら昇りました。

展望台上からの眺めは壮観です
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次に湿原の上を木道で散策できる「サロベツ湿原センター」に寄りました。こちらは観光の拠点化が進み団体観光客など多くの旅行者がいました。

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天気が良ければ、セキレイなど鳥たちのさえずりを聞きながら、満開のエゾカンゾウやコバイケイソウなどを眺めゆっくり散歩ができたのですが残念です。でもひとりで歩いていると、先ほど行った衝撃的な三毛別の羆嵐の余韻もあり、湿原の中から突然熊が飛び出してきそうな感じもします。

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サロベツまで来ると、宿泊地の稚内まであとわずか50km、約1時間の距離です。稚内のホテルには予定より1時間以上早く16時頃に到着し、先にチェックインをして、少し休憩してから夕食を食べに出ることにします。朝早く出てきて正解です。

宿泊先は夕陽が綺麗なノシャップ岬の近くのペンション風のホテルで、温泉や大浴場はありませんが、広くて綺麗な部屋でゆっくりできました。ただこの日は肌寒い気温でしたが、暑くなると冷房の設備がないのでエアコンに慣れた都会人にはキツいかも。気候変動の影響で、この辺りでも急に気温が高くなる日もあるそうです。

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ホテルから徒歩で行ける場所なので、ノシャップ岬(根室の納沙布岬とは違う)から夕陽が海に沈むところが見たかったけど、朝からずっとぐずついていて、稚内に滞在した2日間ともお天道様は拝めませんでした。

夕食は、当初はホテルのすぐ近くにある海鮮料理の食堂「みなとや」を予定していましたが、あいにく函館の夜のスープカレーの店と同様、不定期休業の休業日にあたってしまい、翌日に食べようと思っていたクルマで10分ほどのところにある「大王 本店」で稚内名物の正油チャーメン(1,080円)を食べました。

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チャーメンはいわゆる「あんかけ海鮮焼きそば」です。そう言えば前日の夕食も小樽であんかけ焼きそばを食べました、、、

稚内は今回の旅の折り返し地点で、少し休養するために連泊してのんびりし、たまった洗濯物を片付け、最北端エリアを観光します。

7日目の走行ルート


7日目の走行距離 388km (累計 1552km)


***【8日目】***

朝起きて、前日にコンビニで買っておいた朝食のサンドイッチを食べ、洗濯物をクルマに積み込み、稚内駅近くのコインランドリーへ行き、洗濯と乾燥が連続しておこなえる最新の?洗濯乾燥機に放り込み、完了するまでの1時間を利用して、稚内駅周辺の見学です。

コインランドリー
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稚内駅と「道の駅わっかない」とが一緒になっていますが、バスやタクシー用の駅前ロータリーと、道の駅の駐車場は駅を挟んで反対側にあるのでわからずにウロウロしちゃいました。

稚内駅と最北端の線路(復元)
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高さ13mの円柱の柱が70本ある古代ローマ神殿風「稚内港北防波堤ドーム」は稚内駅の近くにありますが歩くにはちょと離れています。

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稚内駅の中にある観光案内所で「四極踏破証明書(最北端)」がもらえます。四極踏破をするつもりはありませんが、この後、最東端の納沙布岬へ向かうので二極踏破記念として一応もらっておきます、無料だし。

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洗濯物を回収し、クルマで40分ほどの距離にある日本最北端の宗谷岬へ向かいます。

しかし天気がぐずっていて、すぐそこに見えるはずの樺太がほとんど見えないという悲しい結果に。

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そしてこの最北端の食堂「最北端」で名物の「もずくラーメン」を食べようと思っていましたが、なんとまたまた休業の張り紙がありました。これで3回目。

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気を取り直し、岬を見下ろせる小高い展望台「宗谷岬公園」へ向かいます。

と、そこには普通にエゾシカちゃんが草を食んでます。人にも慣れています。

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そしてここからだと、肉眼ではうっすらと水平線の43km先に浮かぶ樺太の姿が見えました。写真では微妙な感じですけど。

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お腹が空いてきたので、近くにあった大きなオランダ風風車の「ゲストハウス アルメリア」の隣にある「ホタ亭」というレストランへ行きました。店名にもなっている帆立カレーライスを食べましたが、味は学食か合宿所のそれで、イマイチな感じ。私、カレーとラーメンにはうるさい人なんです。

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ちなみにこの日は6月21日の夏至だったのですが、お店の中はストーブが焚かれていて、中に入ると暖かでした。外は曇り空で気温が12〜3度、強風が吹いていて寒かったのでホッとします。

その後は宗谷岬の近くにある「宗谷丘陵展望台」と「白い道」に寄りました。「宗谷丘陵展望台」と言ってもなにかあるわけではなく、丘陵が眺められるところに小さな駐車エリアがあるだけでした。写真も撮りましたが天気が悪く、ただ広い原っぱという感じでパッとしたものが撮れず省略です。

白い道
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「白い道」は稚内の特産品、ホタテの殻を3kmにわたり敷き詰めた狭い未舗装路です。ハイキングコースにもなっているようですが、普通にクルマで入っていけます。一方通行ではなく、すれ違いもできない狭い道路だけに、繁忙期は混み合いそうです。

道路の貝殻を手に取ってみるとこんな感じです。それほど細かく砕いてはいないです。

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ただこの白い貝殻、写真を撮るために何度か乗降を繰り返えしていると、靴の底にくっついて車内の足下に敷いている黒いマットが白く汚れてきます。こりゃまいった(帰ってから水とブラシで洗ったらほとんど消えました)

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しかしこの「白い道」を考えて実行した人は天才です。周囲に全くなにもない丘陵の中の狭い未舗装の悪路に、捨てるのにもお金がかかる廃物を利用し、地元の人たちの健康的なハイキングコースとして、また私のような観光客が押し寄せるインスタ映えスポットを作り出したのですから。しかも貝殻は有機物の自然肥料で周辺の土壌に悪影響はありません。

再び稚内市街地に戻り、メチャ高いガソリンの補給をしてから日帰り温泉施設「ヤムワッカナイ温泉 港のゆ」に寄り一風呂浴びました。港湾が見渡せる良い眺めの温泉で気持ちよかったです。

その後、いったんホテルに戻り、夕食にホテルから徒歩1分の「みなとや」へ行き(前日に行く予定だったが休業だった)、いわゆる海鮮丼の「ノシャップ岬丼」(2,400円)を食べました。ウニ、カニ、イクラ、ホタテ、エビ、マグロと海鮮オールスターが勢揃いし、しかも新鮮そのものでとても美味しかったです。

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この日のノシャップ岬の夕暮れも雲が厚く垂れ込めていて、岬から10kmほど沖に見えるはずの利尻富士や、海に沈む夕陽は拝めませんでしたが、一応記念にパチリ。

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8日目の走行ルート


8日目の走行距離 80km(累計 1632km)

北海道一周ドライブ2024 その5(網走、根室、知床編)」へ続く

特別編 北海道一周ドライブ(2024年6月)まとめ1(観光先/費用編)

特別編 北海道一周ドライブ(2024年6月)まとめ2(食事編)

特別編 北海道一周ドライブ(2024年6月)まとめ3(給油/フェリー編)

特別編 北海道一周ドライブ(2024年6月)まとめ4(走行ルート編)

特別編 北海道一周ドライブ(2024年6月)まとめ5(お土産編)


北海道一周ドライブ2024 その1(出発編)
北海道一周ドライブ2024 その2(函館編)
北海道一周ドライブ2024 その3(松前・積丹・小樽編)
北海道一周ドライブ2024 その4(三毛別、宗谷岬、稚内編)
北海道一周ドライブ2024 その5(網走、根室、知床編)
北海道一周ドライブ2024 その6(釧路、富良野、帯広編)
北海道一周ドライブ2024 その7(襟裳岬、日高、帰着編)

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posted by makan at 10:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 旅行/ドライブ
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