2023年06月03日

鳥取・島根歴史探訪ツアーその3



鳥取・島根歴史探訪ツアーその2」の続きです。「鳥取・島根歴史探訪ツアーその1」はこちらから。

ツアー3日目は、松江市から出雲市へ行き、荒神谷遺跡(こうじんだにいせき)と博物館を見てから、念願だった出雲大社(出雲市)へお参りし、すぐ近くにある島根県立古代出雲歴史博物館に寄り、日本海に面した日御碕神社(ひのみさきじんじゃ)、松江市内に戻って佐太神社(さだじんじゃ)を回るスケジュールです。

朝の9時オープンに合わせてまず訪問した「荒神谷遺跡」は、1983年(昭和58年)に農道を建設する際に遺跡の調査員が田んぼのあぜ道で土器の破片を発見し、本格的な調査がおこなわれた結果、358本の銅剣が一度に出土するという奇跡的な発見があった場所です。

この銅剣の数はそれまで日本全土で発見された銅剣の数が300本余りだったことから、一箇所でそれを上回る数が発見されて俄然注目されました。さらに2年後には銅剣が発見されたすぐ近くの場所で銅鐸6個と銅矛16本が出土しました。

遺跡では発見された当時の場所と雰囲気がダミーの銅剣などで表現されています。

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遺跡のすぐそばには荒神谷博物館があり、発見に至る経緯と調査など詳しく説明されていました。この大量の埋蔵は果たして誰のためか、なんのためかという謎はわかっていません。

銅剣の製作時期は、弥生時代前期末から中期中頃の間とされていて、この発見によりそれまで出雲は単に神話の世界の地域という学説を完全にひっくり返すインパクトがあったようです。

荒神谷博物館にも寄ってきましたが、生で遺跡を見てきた後ではあまり感慨はありません。

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この荒神谷遺跡で発見された銅剣や銅鐸、銅矛はこの荒神谷博物館ではなく出雲大社横にある島根県立古代出雲歴史博物館に展示されていますので、後ほどそれを見に行きます。

  ◇   ◇   ◇

次は本日のメインディッシュの出雲大社参拝です。出雲大社に近い無料の駐車場は広大ですが参拝者が多い週末などは満車になることもあるそうです。今回は平日の午前中と言うこともあり楽々駐車できました。

出雲大社」の主祭神は大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)で、創建については、日本神話などにその伝承が語られているだけでハッキリした年代は不明です。もっぱら近年は縁結びの神として取り上げられますが、10月の神無月に全国の神がここ出雲に参集することから来ているようです。

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今回初めて知りましたが、テレビや写真などでよく見る一番大きなしめ縄があるのは、本殿から少し離れた向かって左横の神楽殿です。神楽殿は明治時代に新たに作られた建物で、現在は婚礼などに使われています。

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大国主大神のご神体がある本殿の手前にある拝殿にも神楽殿よりやや小さなしめ縄が飾られていますが、こちらは柱が多くてやや暗い感じです。その点神楽殿のほうは柱が少なく明るく見栄えがしますので絵として使う場合は神楽殿のしめ縄ということになるのでしょう。

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昨年行った紀伊の熊野本宮大社の鬼門札とともに、自宅に飾るため、出雲大社最強のお守りと言われる「生弓生矢」(いくゆみいくや)を授かってきました。

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「生弓生矢」は須佐之男命が大国主大神に授けたといわれている伝説の神宝(武器)で、そのおかげで出雲の国を平定できたことで破魔矢と同じく魔除けの力と、大国主命の念願がかなったことで、念願達成のご利益があると言われています。私にとって今回の旅では一番のお土産になります。

また高田崇史著「鬼棲む国、出雲 古事記異聞」でウンチクが語られていた、本殿の真後ろにある本物の大社とも言える大国主大神の祖先にあたる、素戔嗚尊/須佐之男命(スサノオノミコト)が祀られる「素鵞社(そがのやしろ)」にもお参りしてきました。

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地味なたたずまいですが、その素鵞社の軒下には大国主大神が国譲りの交渉(つまりは不良から校舎裏に呼び出されて国を譲れと脅迫されたというイメージ)をしたと言われる稲佐の浜の砂?が置かれていて、袋に詰めて持ち帰る人もいました。

また本殿の中の大国主大神のご神体は、本殿の正面ではなく西側を向いて安置されているそうで、本殿の西側に回ってお参りすることも忘れずにおこなってきました。

一通り出雲大社境内をグルッと回り、参道を歩いて「島根県立古代出雲歴史博物館」へ向かいます。

博物館へ向かう途中に、大国主大神が彼方から飛んでくる光(魂)を受け入れようとする場面を再現した大きく迫力のある「ムスビの御神像」がありました。

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  ◇   ◇   ◇

古代出雲歴史博物館には先に訪問した荒神谷遺跡で発見された銅剣などが国宝として展示されています。

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古代の出雲大社の模型ですが、このように天に届けとばかりに本殿は高いところに作られていました。その時の柱の跡(3つの円)は出雲大社の拝殿前に刻まれています。

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出雲大社と博物館をひとまわりして駐車場へ戻ってくると、ちょうどお昼の時間になり、駐車場の近くにある出雲蕎麦の老舗「八雲本店」でランチです。

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頼んだのはちょっと豪華に五色割子で1950円です。バカ (゚д゚)ウマーでした。

ランチのあと、クルマに乗って出雲大社から5分もかからない「稲佐の浜」へ。大国主神が高天原から派遣された武甕槌神(たけみかづちのかみ)と国譲りの交渉をした場所です。入る駐車場を間違えてちょっと遠いところに出てしまいましたが、サラサラの細かい砂で綺麗な浜でした。

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  ◇   ◇   ◇

次に向かうのは「日御碕神社」(ひのみさきじんじゃ)です。稲佐の浜から切り立った海岸沿いの峠道を走ること8km、10数分で到着です。

日御碕神社の中には上下の2社があり、下の宮の主祭神は天照大御神(あまてらすおおみかみ)、上の宮の主祭神は天照大御神の弟であり誓約上の配偶者でもある素盞嗚尊(すさのおのみこと)です。

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天照大神が祀られる下の宮「日沈宮(ひしずみのみや)」※沈は正しくは「さんずいに冗」
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この日御碕の近くには出雲日御碕灯台があり、海岸が綺麗に見える遊歩道もありますが、ここは次を急ぐのでパスしました。

  ◇   ◇   ◇

次に訪れたのは、宍道湖の北側を50km、約1時間走り、松江市に戻り、出雲の四大大神(いずものよんだいおおかみ)のひとつ佐太神社(さだじんじゃ)です。

出雲の四大大神(いずものよんだいおおかみ)とは、『出雲国風土記』に記載された神々の中で、この四柱のみ「大神」と尊称された神々とその神々を祀る島根県に鎮座する神社のことで、「熊野大神 熊野大社(松江市八雲)」、「所造天下大神 出雲大社(出雲市)」、「佐太大神 佐太神社(松江市鹿島町)」、「野城大神 能義神社(安来市能義町)」のことです。すでに「能義神社」、「出雲大社」は参拝していますので、この佐太神社で3つめ、明日行く予定の「熊野大社」でコンプリートです。

佐太神社の主祭神は、出雲国で最も尊いとされる四大神の内の一柱で佐太大神(さだおおかみ)、別名、猿田彦大神(さるたひこおおかみ))です。創建は古く西暦717年頃と言われています。

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出雲はぜんざいの発祥と言われていますが、この佐太神社の駐車場内に小さな小屋の「佐陀乃だんだん家 」というお店があり、神在餅(お供え神在餅)をいただきました。お値段は550円です。

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出てきた元のぜんざいには砂糖は入ってなく(当初はそうだったらしい)、少し食べてみましたがほとんど何も味がしない不思議な感じでした。小豆は甘いというイメージがすり込まれていて、それは砂糖が大量に混ざっているからだということがよくわかりました。別の容器の砂糖を少し入れて食べるといつもの味になりました。

諸説ありますが、ぜんざいの語源は、旧暦10月に全国から神様がここ出雲に集まり、出雲以外は「神無月」(かんなづき)となりますが、出雲は「神在月」(かみありづき)となります。そこで振る舞われたのが神在餅(じんざいもち)で、それが変化してぜんざいと呼ばれるようになったとか。

この日の予定はすべて終わり、松江市内で夕食をとろうと、玉造温泉へ帰る途中にある事前に探しておいたレストランに行ってみると休業中というのが2軒続き、もう探すのはやめてコンビニで弁当とサラダを買って旅館へ帰りました。えぇ、食事には全くこだわりがないのです。(T_T)

3日目の走行ルート(距離112km)


鳥取・島根山陰ドライブその4」へ続く

鳥取・島根山陰ドライブその1」(福知山城、鳥取砂丘)l
鳥取・島根山陰ドライブその2」(境港、美保神社、ベタ踏み坂、能義神社、揖夜神社、黄泉比良坂)





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posted by makan at 10:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 旅行/ドライブ
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