2009年06月28日

■ETCについての考察(考察シリーズ2)


高速道路がETCを付けているといくぶんか安くなるのは助かっています。私のように月1回程度しか高速道路を使わない人間でもありがたく感じるので、普段通勤やレジャーで頻繁に使っている人にとっての恩恵はかなり大きいのではないかと思います。

しかし高速道路を使わない人やETCを取り付けていない人はまったくそれによる恩恵が受けられません。

ガソリン税や自動車重量税などを使った施策ならばそれも仕方がない面がありますが(それでも自動車は持っていてETCを付けていなくて恩恵を受けられない人にとっては同じことだが)、(たぶん)一般財源から巨額の税金が旧道路公団とETC関連団体に投入されているわけで、これに対して不公平感を感じて怒り出す人がもっと多くいても良さそうな気がしますが、今のところその声はあまり聞こえてきません。

さてETC制度の金儲けの仕組みについてだが、ETC車載器の普及が高まれば国土交通省管轄の天下り団体である道路システム高度化推進機構(以下ORSE)が濡れ手に粟状態で潤うようになっています。これはあちこちで指摘がされていますが、その規模や詳細についてはなぜか出てきません。

ETCを利用するためには1台ごとに個人情報や車種などの情報を登録するセットアップをおこなわなければなりません。

この通常2000円から3000円がかかるセットアップ代金の中から500円がORSEに入ることになります。またこのセットアップ作業をおこなうためにディラーや販売業者が機材をORSEからレンタルし最初に1万円、その後その機材のレンタル料として毎月2000円を収めることになっています。

さらにクレジットカード会社等から発行されるETCカードは1枚発行するごとにカード会社からORSEに100円を支払います。

まだまだあります、ETC車載器の製造メーカー(Panasonicとか三菱電機など)は1台製造するごとに100円をやはりORSEに支払うことになっている。

天下り官僚達の飽くなき欲求はまだまだ続く、高速道路などにあるETCレーンが1機設置されるごとに、税金から53万円がORSEに支払われます。

つまりETCが普及すればするだけそのETCユーザーやETCの関連企業(カード会社、ETC製造メーカー、セットアップ業者)および税金から自動的にORSEに金がどんどんと入ってくるという仕掛けです。

普及が滞ると政府を動かしてETC装着車のみ通行料金割引をおこなったり、普及キャンペーンと称し車載器購入助成という名目で税金で買い取ってもらったETC本体を無料配布します。

もちろんセットアップ料金含めORSEにはなんら痛みはなく満額が入ってきます。こんな美味しい商売はほかに絶対考えられません。

国内の登録車両数は約8000万台で、まだETCの装着率は35%ぐらいです。それが100%になることはあり得なくてもここ数年のうちには軽く50〜60%ぐらいの装着率にはなると思われます。ETCに群がるごく一部の特権をもつ人達にとってまだまだ有望で甘い汁が吸える業界です。

しかし「もし民主党が政権を取ったら高速道路無料化を公約(マニフェスト)にあげているのでETCは必要なくなるのではないか?」と思われるかも知れませんが、そんなことトップ大学を優秀な成績で卒業した頭のいい官僚達は百も承知。民主党の公約はあまり触れられてはいませんが、正確に書くと「高速道路の料金を段階的に無料化を目指す」となっています(はず)。

さらに無料化すると大渋滞を引き起こす都市部の高速道路については、この先ずっと値下げはあってもまず無料化にすることはないでしょう。

都市部の高速料金が無料にならない限り、高速道路は都市部も地方もつながっているので、いずれは無料になる予定の地方から地方の利用であっても都市部を通過していないという証明が必要なはずで、民主党が政権を取ってもここまで普及が進んだETCがなくなることはないし、ETCを付けておけば無料になるのならばと土・日通行料1000円の時以上に慌てて取り付ける人が急増するでしょう。

ただ民主党であれ自民党であれ、今後本気で税金の無駄遣いや天下り廃止の改革を進めることができれば(まずできないと思うが)、このORSEの天下り利権構造にもメスが入ることが考えられるので、わずかながらそれを期待したいところです。

その国交省管轄の団体ORSEは、当然天下り官僚達の巣となり食い物にされています。

理事長以下16名の役員のうち14名は国交省や警察庁のOB、ETCに関連する企業(カード会社へ製造メーカーOB)から送り込まれています。そして頭のいい官僚達が我が身を守るために考え出した極めつけのアイデアは理事長です。

これらの美味しい利権や天下り先をマスコミに厳しく追求させないために理事長にはトヨタの取締役会長を据えています。

国民に対して影響力が大きいマスメディア(テレビ・新聞・雑誌・ラジオ・インターネット)はトヨタから巨額の広告費をもらっていて、あるいはのどから手が出るほどもらいたいと思っているので、トヨタやその取締役が深く関係するORSEに対しては極めて及び腰です。

したがってこのORSEの利権を追求する報道番組や特集記事というのは、まずないことになります。あとは骨のある政治家が破れかぶれで挑戦するか、外圧頼みで改革していくしかないのでしょう。

【考察シリーズ】
自動車盗難(2013)の考察(考察シリーズ27)
ランエボの維持費についての考察(考察シリーズ24)
カーナビについての(自己流)考察(考察シリーズその4)


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