2009年11月26日

車の大規模オフラインミーティングについての考察(考察シリーズ11)



11月21〜23日は3連休ということもあり、各地で様々なイベントが催されていました。自動車関連では22日(日)の富士スピードウェイに2万8千名を集めた「トヨタ モータースポーツ フェスティバル2009]」がたぶん最大で(レースは除く)、その他に21日(土)には佐藤琢磨のファンクラブ・イベント「Takuma Club Meeting」が約1000名を集めて東京有明で、23日(月)にはヒストリックカー・ラリーの「COPPA DI TOKYO(コッパディ東京)」がクラッシクカーだけを東京汐留に100台を集めました。

そんな中、私は岡崎市で開催されたMMFオーナーズミーティングという三菱自動車のオーナーズクラブのイベントへ、昨年に続き日帰りで参加をしてきました。

このような大規模な車関連のイベント、特にネットのコミュニケーションから発展した自動車のオフラインミーティング(オフミ)について、少し考えることがあったのでまとめてみます。

(1)イベントの運営全般について
毎年継続を前提としたイベントを運営(主催)するのは、車のメーカーや販売会社というケースもまれにありますが、多くの場合は、同好者が集まった任意の団体(クラブや実行委員会)というケースが多いようです。

おそらく歴史があって1車種として最大規模なのが、マツダロードスターの軽井沢ミーティング(主催:軽井沢ミーティング実行委員)で、1993年から毎年春に軽井沢で開催されており、今年も1000台以上のロードスターが集まっています。毎年の開催でこれだけの台数を集められるのは、趣味性が強く比較的濃いオーナーの多いロードスターならではでしょう。

他に濃いオーナーが多い車種としては国産車ではスカイライン、インプレッサ、ランエボ、レガシィ、MR2、スープラ、フェアレディZ、S2000、コペン、ビート、カプチーノ、デリカ、パジェロ、ランクルなど、外車ではポルシェカレラやビートル、ゴルフなどスポーツ系か趣味性の強いものが多いようです。

ただ趣味性の強い車でも、せいぜい10〜20台程度の集まりが多く、これぐらいが一番仲間意識が高まり、かつ気兼ねなく集まりやすい台数なのかも知れません。20台ぐらいならばあらためて場所を確保しなくとも、広い駐車場さえあればいつでも集まることが可能です。

今回参加したMMFは「三菱の車が好き」という趣旨に賛同し、各地の三菱車のオーナーズクラブが親睦を図る目的集まり、三菱自動車などの協力を取り付けて運営・開催されています。従って主催は各クラブの寄り合い所帯からなる組織で、その中の有志達がボランティアでまとめ上げていったものです。

その結果賛同したクラブに属してない限り、このイベントがあること自体なかなか知り得ないもので、昨年はたまたま「みんカラ」上で知り合った人に教えてもらい、その方達と仮のグループを組み参加の申込みをしました。今年は自由行動をしたかったので、個人で申込みをおこないました。

MMFは車両だけで800台以上が集まる比較的大規模なイベントですので、もし参加者が全員個人だと、運営側は案内から始まり、申込みの受付、申込み変更やキャンセルの手続、案内書の送付、問い合わせ対応など、それこそネットや携帯メールをフルに使ったとしても膨大な作業になります。

そこで基本は各クラブ単位での参加ということにして、そのクラブの代表者だけと連絡を取り合うようにしています。案内や注意書の事前配布、各種の変更・問い合わせもクラブ単位でまとめるようになっていますし、会場への入場時間や駐車位置などもクラブごとに決めることが可能となります。この点はうまく考えられています。

しかし今年の私のように、クラブに制約を受けたくない個人参加者が増えてくると、運営側の負担はあきらかに増加します。

運営組織に加わり開催に協力しているのは個人よりも熱意のある各クラブのリーダーやメンバーが多いと思われますので、いずれは運営に加わるクラブに限定もしくは優先となり、ただ美味しいところだけを食い散らかしていく個人参加者を制限していく方向に向かうのではないかと思っています。

今回も開催2週間ぐらい前には個人参加の申込みが締め切られましたが、これは会場の駐車スペースの関係だったと思われます。

MMFのイベント運営は当然ながら素人の域を出ませんが、本業ではなく片手間で準備をおこない開催までこぎ着けるには、相当高いモチベーションと自己犠牲がないとできないことは容易に想像がつきます。

たぶん毎回同じリーダー、ほぼ同じ運営ボランティアが中心となり継続しているのだと思いますが、できれば2〜3回ごとにリーダーや運営幹部を変えていく方法を考えないと、とてもその高い熱意は持続しない気がします。

そしてそのリーダーの熱意が冷めてしまった時に継続不能となってしまいます。まぁそうは言っても、その大変さを周辺の人はよく知っているだけに次のリーダーをかって出る人は、なかなかいないでしょう。

もし喜んでかって出る人がいたとしたら、それはなにか商売気があってのことかと勘ぐる必要があるのかもしれません(それがダメとは言いませんが)。

(2)車が集まれる会場の問題
このMMFでは三菱自動車工業が会場を無償で提供してくれることに大きなメリットがあります(その分制約も付きますが)。

800台以上の車を安全(MMFでは駐車する際に隣同士の車のドアがぶつからないよう、駐車スペース1台置きにゆったりと停めるよう工夫してます)でしかも安価に駐車できるスペースと、およそ1200名ぐらいの参加者用のトイレや食事、それに駐車スペースとは別に開会式等をおこなえるイベントスペースの確保や、事務局(迷子や怪我などトラブル対応など)の設置、雷雨の場合の避難場所などを考えると、この場所探しが一番たいへんです。

オフシーズンのスキー場の駐車場であれば詰め込めば1000台ぐらいは問題なく駐車ができるところはありますが、当然人里離れた山の中であったり、その日のためだけにレストランや施設をオープンしてくれませんので、別途考えておく必要があります。

もちろん場所を借りるのは有料で、そんな山の中の駐車場でも100台分の貸し切りスペースでも1日10〜20万円が必要です。もし雨天用としてロッジなどを開放してもらうにはまた別料金がかかります。

前述の1000台集まるロードスターのミーティングは軽井沢プリンスのスキー場駐車場を利用していますが、関東以北の人にとってはベストな場所かも知れません。ただ関西以西の人にとっては遠くて宿泊なしでは厳しく、しかもプリンスホテルの経営ですから食事や宿泊費用が高くつくことを覚悟しなければなりません。

また自治体や公共団体が運営する○○公園とかの施設に巨大な駐車場やイベントスペースがあったりしますが、お役所や天下り公共団体に対し、「貸し切り」でしかも「車のイベント」に使うと言っただけで、特別なコネクションなしでは速攻拒絶されてしまいます。

仮に借りることができたとしても、そこはお役所仕事、事前準備のために早朝から使いたくても例外措置は認めてもらえず、その他様々な規制や遵守事項があり、融通が利かずに難しいというのが実態です。もちろん自治体はそこの住民サービスのために存在するわけで(自分達役人のために存在すると思っている人もいます)、全国から集まってくるそこの住民でない人達のために、なにか便宜を図ろうという考えはまったく頭にないことは仕方がありません。

(3)運営費、参加費などお金の問題
通常は会場費以外に運営経費(テント数張り、マイク・スピーカーなど音響設備一式、長机、椅子)が必要で、100台(150名の参加)程度のイベントでも最低40〜50万円が必要(配布物、食事、宿泊、参加記念品等一切なし)です。

それ以外に万一のことを考え参加者全員に傷害保険や損害保険をかけるケースもあります。800台(1200名)ともなると会場やその他設備も大幅に容量アップし、最低でもその3〜4倍の150〜200万円ぐらいは必要となるでしょう。

参加台数800で割ると1台あたり1500〜2500円が原価として必要となる計算です。人件費は全員ボランティアで、その費用は一切かからないのが前提です。MMFのように会場代がメーカーの提供で無料であれば、おそらくその半分から2/3ぐらいで済みそうです。

MMFの場合は、三菱自動車等のスポンサーのおかげで参加費は今までずっと無料でした。しかし長引く不況の中、スポンサーからの協賛にいつまで頼れるかという問題があります。MMFには三菱自動車以外の協賛企業が十社ほどつきますが、2〜3社を除きいずれも小規模な企業ですので、おそらく協賛金はほとんどもらえていないと思います(推測)。

よく運営側が協賛スポンサーからリベートをもらっているのでは?という根も葉もないことを言う人がいたりしますが、世の中そんなには甘くはなく、100万人近い人を集める東京モーターショーならいざ知らず(それでも今年は例年の半分の出品社数でした)、1000名程度集まるイベントにまとまったお金を出して出展しようとする奇特な企業などないというのが現実です。

同じコストをかけるなら手間のかからない雑誌に広告を出して数万人に読んでもらった方がずっと効果的です。

昨年はMMFで名札を入れるネックストラップや昼の弁当が無料で配られましたが、今年は予算削減のため、それらの配布はありませんでした。もし来年開催されるなら、参加費が必要となる可能性がありますが、どのように折り合いを付けていくか今後の課題となるでしょう。

ちなみに前述のロドスタ軽井沢はお弁当付きで事前申込み3千円、当日申込み4千円で、これでも会場費、お弁当代等を考えると実質の原価にかなり近いものだと思います(元々営利事業ではないので)。

私としては、本来このようなイベントは原価程度なら有料にしていいのではないかと思います。有料にすると運営側に様々な責任が発生し、入金管理、参加者の支払確認、終了後の収支報告、余剰金や不足金が出た際の対応など作業も増えますが、健全な運営を長く維持していくならばいずれ必要になると思います。

(4)その他の事項
車の集まりですから心配事がいくつかあります。中には運営側の指示に従わず、会場で危険運転をしたり、自分勝手な行動をとって周りに迷惑をかける人が一定の割合で出てきます。

それでなくても一部には警察から目を付けられそうな車があったり、爆音仕様だったりします。運営側にとっては一部の心ない行動が全体に及んでしまうことを恐れ、心配の種が尽きません。当然それらが会場周辺の住民や会場を提供してくれる企業や団体に迷惑をかけることになり、場合によっては通報されて警察沙汰になる可能性もあります。

近年車のミーティングの参加者年齢は高くなっていて、多くの場合40代以上が半数以上を占める傾向にあるようです。つまりそれだけ若い人の車離れが進み、車に対する愛着やドライブの楽しみがなくなっているのだと思います。社会に出て20年以上経ち、一応の良識ある大人の参加者が増えていくことで、反社会的な過激な傾向は薄まっていくのではと思いますが、マナーは一概に年齢や年代で決めつけられるものではないかも知れません。

また多くの車が集まることで常に事故の危険や騒音・環境の問題がつきまといます。最悪の場合、会場の内外で参加者が事故を起こしてしまい、イベントにも影響を及ぼすことが考えられます。運営側は規模にもよりますが事前に地元の警察や関係機関への相談、場合によっては届け出など、それらを想定した危機管理も必要になってくると思われます。

【考察シリーズ】
ETCカードの考察(考察シリーズ10)
自動車5ナンバーの栄光と挫折の考察(考察シリーズ9)
安全!快適!ドライブのための考察(考察シリーズ8)
高速道路の無料化メリット・デメリットについての考察(その7)
エコカーの定義についての考察(考察シリーズ6)
ランエボと自動車保険(特に車両保険)についての考察(考察シリーズ5)
カーナビについての(自己流)考察(考察シリーズその4)
高速道路でなぜ自然渋滞が起きるのか?の考察と解消への提案(考察シリーズその3)
ETCについての考察(考察シリーズ2)
ランエボ]に付けたオートクルーズコントロール(以下クルコン)についての考察


posted by makan at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 考察シリーズ
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