2010年02月22日

ヘッドライトなど自動車部品の共用化についての考察(考察シリーズ15)


現在自動車のヘッドライトは、私の若い頃(20〜30年前)と言えばシールドビーム式が一般的でしたが、その後、主流はハロゲン(halogen) か、HID(High Intensity Discharge、一般的にキセノンxenon )となっています。ヘッドライトに求められる性能として主なものは「明るさ」、「耐久性」、「配光」などがありますが、最近は「デザイン」、「大きさ」、「消費電力」などまで求められるようになってきました。

img_00.jpg

ただ残念に思うこととして、昔はヘッドランプの形状やサイズは、ほぼ世界共通仕様(右側通行と左側通行のレンズカットの違いはある)で、ユニットごと自分の好きなメーカーのものが使えました。しかし1980年代頃から車種ごとにそのヘッドランプユニットの形状を変えてしまい、中のランプやバーナーを交換するぐらいしかできなくなりました。

部品の共通化によって価格を下げることよりも、各車種ごとに個性あるデザインや機能を追求した結果なのでしょう。本当にエコ、エコというなら、ワイパーやバンパー、灯火類、スイッチ類、メーター類などを車種ごとではなく、できるだけ多くの車種や、メーカーの枠を超えて使い回しができるような標準規格作りにもっと取り組むべきでしょう。

それによってメーカーも法定耐用年数に基づく在庫の負担が減り、ユーザーにとっても、どこでも修理が可能で、部品代も安くなりいいことずくめです(正規ディーラーでの修理等が減る可能性があるのでディーラーの反対は起きるでしょうが)。

およそ30年前頃に、それまで標準だったシールドビームからハロゲンランプ(ヨウ素球とも言った)に替えたときの印象は、光の色が白っぽく、明るく、配光も綺麗なレンズカットによりシャープで、クルマの顔つきすら変えてしまうほどのインパクトがありました。

そして長くハロゲンランプの時代が続きましたが、十数年前に買った車に、当時としてはまだ稀少だったHID(高輝度放電ランプ)が標準装備されていて、それを最初に点灯した時もたいへん驚いたものです。HIDはハロゲンと比べてより明るく、青白っぽい光で、消費電力はハロゲンより少ないという特徴があります。

プロジェクター式の丸くて小さい凸型レンズのヘッドランプは、ハロゲンランプでもHIDでも可能ですが、ランプ自体の表面積を小さくすることができるので、クルマの顔にあたるフロント周りのデザインに大きな影響を与えました。現在新車の多くは、このプロジェクター式のHIDライトが主流となってきています。

もう一つレクサスやアウディの一部の高級車種に設定されていたLED(Light Emitting Diode)式のヘッドライトですが、大衆車の新型プリウスにも採用されました。

環境問題を機に、家庭用電球(白熱灯や蛍光灯)のLED化が急激に進んでいますが、通常の電球と比べると非常に高価なため、クルマでは一部の車種のブレーキランプなどでしか使われてきませんでした。

しかしここ1〜2年のあいだに家庭用電灯や信号機にも使われるように、量産効果で価格もずいぶん安くなってきたようです。

LEDルームランプその2 2009/9/19(土)
ジェームスの来店粗品と全商品15%オフに釣られて(LEDランプ) 2009/9/6(日)

このLEDのヘッドランプですが、残念ながらまだ明るさはイマイチながら、ハロゲンと違って球切れを起こさないことや、より小型化が図れるので将来性があります。現在は明るさを確保するために、多くのLEDを束ねて使わざるを得なく、本来LEDの最大の特徴である消費電力の少なさをアピールすることができていません。

ただガソリン自動車からハイブリッドや電気自動車に移っていくと、ヘッドランプやその他クルマで使われる電装品の電気消費量が、燃費や走行可能距離に大きく関わってくることになりますので、省電力なLEDに期待する向きは大きいと思われます。

クルマで通常使う電装品の中で電気使用量が多いものとしては、セルモーター、ヘッドランプ、ブレーキランプ、フォグランプ、エアコン(送風)、ワイパー、ウィンカー(ハザード)、バックランプ、デフロスター(デフォッガー)、カーナビ、オーディオ、ホーンなどがありますが、最近ではその他多くの操作が電気、電子式となっていますので、オルタネーター(発電機)やバッテリーへの負担が大きく、省電力化への工夫は今後ますます重要になってきそうです。

また新型プリウスで問題になった「回生ブレーキ」は、ブレーキをかけると発生する熱エネルギーを電気に変えるものですが、この装置は一部の電車や自転車などにも使われています。今まで無駄に捨てていた熱エネルギーの有効利用ができますので、ハイブリッド車だけでなく、電気を大量に使って走る最近のクルマにもっと普及してもいいように思います。

クルマのバッテリーはエンジンをかけず置いておくだけで自然に放電していきます。また最近は防犯のためセキュリティ装置を付けていたり、警報のために常時光らせておく装置があったりします。

通勤などで毎日クルマを使う人はともかく、サンデードライバー向けには、エンジン停止中でもバッテリーロスを補える太陽電池を使ったバッテリー充電システムが標準で欲しいところです。

ボディ表面の塗装やガラスなどに透明なシリコンパネルを埋め込んでおき、明るいところではいつも充電をしてくれるというものです。高級車になるほどボディ塗装に様々な金属などを混入し、見てくれというか高級感を演出していますが、それよりも実用的な太陽電池になるシリコンを上手に埋め込んでもらいたいものです。

自動車を企画、設計、デザイン、製作、販売に関連している人達は、毎日クルマで通勤し、サンデードライバー的な使い方をしている人が少ないので、例えば出張が続いて1ヶ月間クルマを放置しておいたらバッテリーがあがってしまったというような、実はよく起きる経験をすることはなく、そのような発想自体出てこないのだと思います。

それに実際にバッテリーあがりの故障は、JAFなどのロードサービスや、周囲の車とブースターケーブルをつないで応急処理をしますので、メーカーにその件数や実体が伝えられることはないでしょう。

たまに報告があったとしても「バッテリーが元々弱っていたのでは?」とか「後付け部品の暗電流が多いのでは?」とバッテリーや後付け電装品の責任にされてしまうのがオチです。

バッテリーあがりとアイドリング不安定の調査 2009/4/18(土)

バッテリーはブレーキやアクセルと違って重要保安部品ではなく単なる消耗品ですので、どうしても定期点検においても、見落としがちなのです。

そういうわけで、サンデードライバーだったとしても、バッテリーは2〜3年に1回ぐらいのサイクルで新品に交換するのが正しい使い方のようですが、このバッテリーもなんでこんなに種類があるの?って思えるぐらい車種ごとに違っています。こういうのってとっても無駄なことだと思うのですが。

ちなみにランエボXのバッテリーは、前後重量配分の適正化のため、後ろのトランク内に鎮座まします関係で、有害ガスが出ない特別なものを使っています。

したがってよく安売りをしているカー用品店では購入ができず、ディーラーで買うしかありません。とても2〜3年ごとに交換するのは避けたいなって感じです。

【考察シリーズ】
スバルアイサイト(EyeSightVer.2)の考察(考察シリーズ19)
自動車ワイパーの考察(考察シリーズ18)
冬場に常時エアコンを使う是非についての考察(考察シリーズ17)

[PR] Amazonタイムセール/売れ筋ランキング

Amazonタイムセール

ホーム&キッチンの売れ筋ランキング 

枕・抱き枕の売れ筋ランキング

旅行用品の売れ筋ランキング


ミラーレス一眼の売れ筋ランキング 

空気清浄機 タイムセール

掃除機の売れ筋ランキング

ペット用品の売れ筋ランキング


◆ランエボからN-WGN経由ポロGTI日記 つるかめつるかめ INDEX

posted by makan at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 考察シリーズ
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/185791975

この記事へのトラックバック