2010年02月28日

ランエボXこの2年を振り返って その1(足回り、運動性能、パワートレーン)



ランエボX(GSR TC-SST)が2008年3月2日に納車され2年が過ぎました。走行距離は控えめで1万6千キロ少々。この間で感じたことを3回連載で書いておきます。

前々車、前車ともレガシィツーリングワゴンのターボ車(BF、BH)で、およそ14年間乗っていましたので、4駆&ハイパワー車にはおよそ慣れていたつもりでしたが、正直言って同じ2000ccとは思えないこのランエボのパワーとトルクには驚きました。

スペック的には似たようなものですが、この10〜15年間の進歩というかメーカーも違うので一概に比較するのは難しいのですが、走りにおいてはなにもかもが新鮮でした。

■晴れて納車ランサーエボリューション]

まず足回りですが、前車BHでは標準でビルシュタインショックが奢られており、前々車(レガシィBF5D型)から比べるとコーナーリングがスムーズで足回りがとてもしなやかでした。

ランエボの場合はその特性からロングドライブ志向ではなく、ワインディングロード用に固めのセッティングとなっているので、しなやかさとは無縁です。

しかし電子の力を借りているとは言え、オーバースピード気味でタイトなコーナーに突っ込んでしまっても、何事もなく曲がってくれる粘りのきく足回りと4輪制御には驚くばかりです。これに慣れてしまうと、他の標準的なクルマに乗り、錯覚してランエボと同じようにコーナーに突っ込んでしまうと、えらい目に遭いそうです。

徹底した国産車嫌いのカーグラフィック誌のテストでは、4輪制御機能を全部ONにしていればスピンはしないと言われていたランエボXをスピンさせて、文句タラタラの記事が書かれていました。貸し出されたランエボXが壊れていたのか、それともカーグラが意図的にやったのかはわかりませんが、私もどんなことをしても絶対にスピンはしないなどとは思っていませんので、通常ではあり得ないような操作をしておいて、文句を書くほうがどうかしている気がします。

なにか文句を付けたいがためにテストをおこなったという悪意を感じました。同社のNAVI誌が今月で休刊(廃刊)となりましたが、カーグラもそういう意味のないおバカなことをやって、自慢気に書いているようであれば、読者も遠ざかってしまい廃刊になるのもそう遠くないでしょう。もしかすると三菱の広告出稿量が少なかっただけかも知れません。

タイヤはレガシィ(BH)が215/45-17インチだったのが、ランエボXでは245/40-18インチと幅広になったため、段差や路面の凸凹はゴツゴツとよくひろってしまい、形状はセダンでありながら、乗り心地はサルーンの世界とはまったく異なります。でもスピードを殺さなくとも踏ん張って曲がっていくコーナリングの気持ちよさと、標準で強力な前後ブレンボ製キャリパーが装着されていて、乾燥路でのブレーキ性能は抜群です。

次にパワートレーン系ですが、BHではトルクコンバーター式の4速ATでした。10年前なら普通だったのかも知れませんが、当時他のメーカーでは中・高級車の一部には既に5速ATが搭載されていたので、やや旧式な感じがしました。これは水平対向エンジンを縦に積む他社にはない特殊なエンジンレイアウトをもつスバルではパワートレーンも自社で開発をおこなっており、パワートレーン専業メーカーに開発、生産を委託している他社と比べると不利だったのでしょう。

ランエボXは言わずもがなドイツのゲトラグ社と共同で開発したツインクラッチ式のSST(Sport Shift Transmission)です。以前からゴルフやアウディに同様なミッションが搭載がされていて、ずっと羨ましく見ていたのですが(Golfを買おうかと真剣に考えたこともあり)、日本車では初めてランエボXに搭載され、このクルマを買う大きな決め手となりました。

何事も初物にはトラブルやアクシデントが付きものなので、多少の不安がありましたが、今のところ大きなトラブルはなく(SSTに関してリコールがありましたが本体のトラブルではない)順調です。

■ランサーエボリューション]リコール!2つ目

旧来からあるトルコン式のATも進歩していて5速どころか6速、7速と多段式になり、しかも全段ロックアップがついたりとパワーロスを限りなく押さえ、燃費もよくなってきていますが、6速のSSTは基本構造はマニュアルギアシフトのため、ギアが直結して、伝達にまったくパワーロスは起きません。

通常手動マニュアルシフトの場合、時としてうまくギアが入らなかったり、エンジン回転数が合わずにタイミングをミスしてしまうことがありますが、SSTの場合はシフトアップ、シフトダウンとも瞬時に、しかも自動的にエンジン回転を合わせた上でおこなってくれますので、走行中はステアリング操作だけに集中ができて、すごく楽チンです。私のようなロートルドライバーや、マニュアルには乗りたいけど腰が悪くてクラッチ踏むのがつらいという人などには最適です。

しかし、ATしか運転したことがない人がSSTに乗るのはちょっとどうかなと思ってしまいます。というのも先に書いたとおりギアの変速は自動的にやってくれるものの、SSTは基本はマニュアルミッションです。

SSTのリコールの原因になったのも、稀に起きるリバースギアのかみ合いが悪いときに(ATの場合はそういうことは起きない)、ギアを入れ直すというマニュアルシフトであれば当たり前のことを知らず、さらに深くアクセルを踏み込み、あげく急につながって暴走させてしまうという信じられないことを平気でやってしまうからです。同様にATしか知らない人が、SSTに乗って起こすトラブルが今後も出てきそうな予感がします。

ATだと坂道の下りでは、どんどんと高速側にアップしていき、スピードも速くなっていきますが、SSTの場合は、下り坂になっても勝手にシフトアップはせず、逆にブレーキでも踏めばシフトダウンしていきますので、エンジンブレーキや下り坂のコーナーリング&立ち上がりがATと比べると極めてスムーズになります。長くATに乗っていたので、これには一番驚きました。

ただし、長い渋滞に遭いノロノロと動く、停止(1速)→2速→停止(1速)→2速→停止(1速)が続くのがSSTは苦手で、変速ショックがかなり大きく感じられ、神経質な人なら酔ってしまうのではと心配に思えるぐらいです。

あと私にはまだ経験がありませんが、SSTは発熱量がすごく、夏場での長い渋滞やサーキット走行のような激しいシフトチェンジが多用されるとオーバーヒートして操作不能になってしまうとか。そうなるとしばらく停めて冷やさないと走行ができなくなるそうです。その限界がどのあたりにあるのかは是非知っておきたい気がします。

エボは4輪駆動ということもあり、寒冷地で使う人も多いのではないかと思いますが、割高な設定の寒冷地仕様でなければ、高容量バッテリーやワイパーヒーター(ワイパーがウインドーに貼り付かないよう暖める装置)、サイドミラーヒーターなどの設定がありません(マイナーチェンジで高容量バッテリーが標準になった)。

その点スバルのレガシィ(BH5A-GTB)は全車が寒冷地仕様、つまり標準が寒冷地仕様車となっていて、ややオーバースペックとも思えますが、スキー場へ行ったときなど安心感が全然違います。水島(岡山)で作っているランエボと、太田(群馬)で作っているレガシィの差ではなく、メーカーとしてのポリシィが伺えます。

スバルの場合、単純に通常仕様と寒冷地仕様と別々に作るとコスト高になるから統一したという可能性もなきにしもあらずですが、、、

次回はエクステリア&インテリア編です。

ランエボXこの2年を振り返って その2(エクステリア&インテリア)
ランエボXこの2年を振り返って その3(エンジン、その他)


posted by makan at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ランエボ]
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