2011年07月03日

旧車シリーズ(三菱自動車編)


旧車シリーズも日産編スバル富士重工編と続いてきましたが、今回は三菱自動車編です。2009年に三菱自動車名古屋製作所(岡崎市)の中にある岡崎ショールーム(三菱オートギャラリー)で撮影をしました。(写真は右下クリックで拡大します)

上:三菱A型(レプリカ)下:PX33型軍用四輪駆動車試作車(レプリカ)
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写真上:三菱A型(レプリカ)は1917年(大正6年、94年前)に日本初の量産乗用車として30台が製作されました。基本はイタリアのフィアットのコピーに近いものと思われます。その後軍からの指示で航空機製造に注力するため戦後まで一般向けの乗用車を作ることはありません。エンジンは2,765cc 直4、4サイクル側弁式で、7人乗りのクーペショーファー型ボディと呼ばれています。

写真下:PX33型軍用四輪駆動車試作車は1935年(昭和10年、76年前)に三菱重工が陸軍自動車学校向けに製作した国産初のフルタイム4WD車です。今で言うパジェロのご先祖ですね。この展示車は1988年にパジェロをベースに作られたレプリカです。しかし結局陸軍には正式採用されず試作車だけで終わりました。

左:三菱・ジープ 、右:パジェロT(コンセプトモデル)
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左:Jeepと言えばアメリカのウイルス社ブランドの軍用4輪駆動車のことですが、戦後1953年から警察予備隊の装備のため三菱がノックダウン生産をおこないました。その後三菱独自の改良を加え、三菱・ジープとして1998年まで生産されました。写真は1955年製CJ3B-J10で三菱が民間向けに生産したライセンス国産モデルです。エンジンは2199ccハリケーンエンジン(元は米国製を三菱で生産)で7人乗り、左ハンドルでした。

右:パジェロTは1973年に東京モーターショーに出展された現在のRV車の原点となる4WDレジャーカーのコンセプトモデルです。見た目はジープとそっくりですが、それもそのはずでジープJ52を元に装備を充実させたものです。その後正常進化しながら正式にパジェロが販売されるのは、9年後の1982年です。

上:三菱500 下:ギャランGTO MR・ギャランFTO GSR
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上:三菱500は1960年に高度成長を背景としたモータリゼーションを前にして国策の国民車構想に基づき三菱が始めて独自のデザインと技術で発表した車です。エンジンは空冷2気筒OHV、排気量493ccでちょうど現在の軽自動車クラスのモデルです。しかしそれより前に登場していた軽自動車のスバル360やスズライトなどの好調とは裏腹に人気を得られず2年で生産中止となり、その後コルト600、コルト800へと移っていきます。

下:右のオレンジ色の車がギャランGTO MRで、左の緑色がギャランFTO GSRです。ギャランGTOは1970年に登場した三菱のスペシャリティカーの元祖で、流行の2ドアハードトップクーペで特徴的なリアデザインはダックテールと呼ばれていました。MRのエンジンは強力な1600ccDOHCで、その後マイナーチェンジで2000ccと同じ1970年にはトヨタが初代セリカの販売を開始した年でもあり、スペシャリティカーの当たり年でもありました。考えてみると団塊世代が20才に近づき裕福なお坊ちゃんがデートカーとして乗るのに最適な車だったと言えます。

一方左のギャランFTOは、GTOの弟分として1971年から発売されました。ホットモデルとして1600ccツインキャブエンジン+オーバーフェンダーを装備したGSRはその後初代ランサーがWRCで活躍するエンジンと同じものです。当時S30フェアレディZ、C10スカイライン、カローラレビン、スプリンタートレノ(TE27)、チェリーX-1Rなどオーバーフェンダーが流行した頃でした。1975年に後継の大ヒットしたランサーセレステの登場によりFTOの名称は一旦なくなりますが、19年後の1994年に復活します。

右:コルト1200カスタム 左:コルトギャランAUGS
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1963年に登場したコルトは600ccからスタートし、その後1000cc、1100cc、1200cc、1500ccへとグレードアップしていきます。写真のコルト1200カスタムは1968年のモデルでその後スタイルを一新したコルトギャランが登場してからもしばらく製造販売されていました。この頃の車種には「カスタム」や「デラックス」という名称がよく使われていました。

コルトギャランAUGSは1969年から販売開始されたギャランシリーズの1970年に追加されたモデルです。この初代ギャランには4ドアセダンと2ドアハードトップモデルがあり先進的で抜群にいいスタイルでした。この逆スラント状のフロントマスクは現在のギャランフォルテスにも受け継がれています。エンジンは1200ccと1500ccの2種類ありましたが、AUモデルは1500ccです。

上:ギャラン16L GS(サザンクロスラリー仕様) 下:ランサー2000ターボラリー

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三菱自動車はスバルと同様早くからラリーへの参戦をおこなってきたメーカーです。コルトでラリーに参戦していましたが、その後このギャラン16L GSにも引き継がれていました。写真のギャランは1972年のサザンクロスラリー(豪州)でアンドリュー・コーワンのドライブで優勝したクルマです。

写真下のランサー2000ターボラリーはラリーで輝かしい成績を残した初代ランサーからフルモデルチェンジされ2代目ランサーEXに2000ccターボや電子制御燃料噴射、オーバーフェンダーを装備した国際ラリー専用車(海外では販売)です。私はこのスクエアな形が今でも一番好きです。WRCでの成績は1982年の1000湖ラリーでの3位が最高で、期待した成績を収めることはかないませんでした。これ以降ラリーはアウディやランチア勢を主に4WD車が全盛となっていきます。

スタリオン4WD ラリー
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スタリオン4WDラリーはランサー2000ターボ世代のあと4輪駆動車全盛となり1984年に三菱が満を持して投入したラリー専用スペシャルモデルです。しかし1986年に出場クラスであるグループBがなくなってしまい当時世界最高峰のポテンシャルを持ちながら、実際に活躍する機会を失われてしまった悲運のラリーカーと言われています。哀川翔の主演映画「SS-エスエス-」に登場していたのはこのレプリカです。

このあと三菱は1992年のランサーエボリューションの登場まで本格的なラリー活動はしばらくなりを潜めることになります。

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