2011年07月08日

高速走行中に集中豪雨に遭った時に関する考察(考察シリーズ22)


梅雨明けが近くなるとあちこちで集中豪雨の被害が起きます。集中豪雨は元々亜熱帯地方に多い現象で一般的にはスコールと呼ばれたりしていますが、日本も気候温暖化の影響なのか頻繁に起きるようになりました。

その集中豪雨も普通にクルマに乗っていれば、濡れることもなくさほど慌てることはないのですが、都市部の道で鉄道や道路の立体交差の下へ潜るような場合、その最下部に水が貯まり、途中でクルマに浸水して動けなくなる事故がよく起きています。

また山の崖付近では、土砂が流れて道をふさいだり、運が悪ければ押し流されることもありますので、そういう場所からは一時も早く脱出するべきでしょう。

私が経験した集中豪雨では、高速道路を100キロ程度で走っている最中に突然ゲリラ豪雨とも呼ばれているもの凄い雨が一気にやってきて、昼間なのに前方視界が十数メートルもなく走行車線がわからないという非常に緊迫した時が何度かありました。

そのような中でも座席位置が高く比較的視界のよい大型トラックは、急な雨で視界不良となりスピードを落とす乗用車に対して、遠慮なく後ろからどけどけとばかりに詰め寄って来ます。危険極まりないし嫌がらせにもほどがあります。

そして乗用車が大型車の後ろや横にいると、大量に跳ね上げられる水しぶきを次々とかぶり、ワイパーでは追いつかず完全に視界を失います。

そうなると乗用車のドライバーとしては、前に走るクルマのうっすら見える尾灯だけが頼りで、必死に食らいついて走るしかありません。怖いからと言って高速道路の走行車線や追い越し車線上で、いきなりブレーキをかけて単独で低速走行するのはこれもまた危険な行為です。

そんな状況に恐怖を感じて乗用車の中には路肩に寄せて停車するクルマもちらほら出てきます。

確かにそのような状況になるとある程度は運転に経験と自信がないと怖くて走れなくなります。しかしその路肩停車も決して安全な場所とは言えないのです。

20110822_11.jpg

集中豪雨の中ではまず視界不良で走行車線がまったく見えなくなります。かろうじて中央分離帯と路側帯のガードレールや防音壁がわかる程度です。

なので路肩に停まっていても、そこに赤いテールランプが見えれば走行車線と勘違いして突っ込んでいくクルマがあっても不思議ではあり舞えん。

まだ双方が動いていれば、後続車は近づくと安全距離を保つためにスピードを落とすことができますが、停まっているクルマを直前で発見しても濡れた路面の急ブレーキでは避けることはできないでしょう。他のクルマも巻き込んで大事故にもつながります。

それに路面は轍(わだち)部分に大量の水が溜まり、ハンドルが取られます。その轍部分を避けようと、車線をはみ出して轍の左右にある比較的盛り上がった部分を(轍をまたいで)走ろうとするクルマが必ず出てきます。

もし狭い路肩に停めていると追突される危険は増大します。轍部分を走るかそれを避けて走るかは、その時々状況を見なければ決めつけられませんが、原則は例え轍があり水が溜まって走りにくくても車線内で走らなければなりません。

そういう怖い目を二輪駆動車で何度か経験してから、私はいざという時に安心感が違うフルタイム4WDを買おうと決めたのが今から20年ぐらい前のことです。

それから構造上複雑になり割高で燃費も悪くなりますが、ずっとフルタイム4WD車に乗っています。おかげでゲリラ豪雨や突風、水たまりや凍結路に突然遭っても慣れもあるでしょうが、慌てることはなくなりました。

4WD車は万能とは言いませんが、そのような悪条件下ではFFやFR車と比べ安定感がまったく違います。もっと言えばFF車やFR車でかろうじて走れる状況でも、4WDだと片手で楽に走れます。

高速道路上が豪雨で大量の水たまりがあり、FF車がおっかなびっくり速度を急に落として50キロ程度で通り抜けるところでも、4WD車ならスピードを落とさず80キロのまま突っ込んでいくことができます。そのぐらいの差はあります。

もっとも4WDと言ってもタイヤ性能やすり減り度によって濡れた路面でのグリップは大きく変わってきますので、私のように、ケチってかなりすり減った状態で乗っている(まだスリップサインは出ていない)と決して安全とは言えないのですけどね。

あと前車レガシィにはリアフォグをDIYで装着していました。日本でも前照灯に加えて補助灯(フォグランプ)を装着している人は多いですが、後ろ向きにフォグランプを付けている人はまだ稀でしょう。

付けていると言っても通常はリアのコンビネーションランプ(尾灯類)の中に埋め込まれていますので外観だけではわかりません。

BMWなど欧州車で、リアの片側だけがブレーキを踏んだときのように、妙に明るくなっているのを見掛けることがたまにありますが、あれがそうです。通常の道ではリアフォグは消すのがまぶしい思いをする後続車への配慮でマナーなのですが、付いているとバカは自慢したくなるのか街中でも点けて走っています。

20090710_02.jpg

このリアフォグは、ゲリラ豪雨の時や霧深い山道を走ることを想定して、後ろから追突される危険を少しでも減らそうと後でDIYで取り付けたものですが、5年の間に本当に必要と感じたのは2〜3回ぐらいで、あまり有用だったとは言えませんでした。

霧の多い欧州ではリアフォグは標準装備が義務づけされていますから、日本車でも欧州へ輸出用の部品を手に入れて少し加工すれば取付けできるものが多いようです。

最後に、高速走行中に突然ゲリラ豪雨に出遭ってしまった際にできる最善の方法は、
1)近くにサービスエリアやパーキングがあれば避難する
2)避難できなければ、乱暴な運転をしないトラックやミニバンなどの後ろにくっついて走る

でしょうか。

ただ
2)の場合、前車が万が一事故を起こすと巻き添えを食う恐れもありますので、安全な車間距離をとり、常に左右に逃げ場所を探しながら走ることが重要です。

前車と十分に安全な車間距離を取り過ぎると、前を走る車の尾灯が見えなくなるので、その距離感覚は悩ましい問題ではありますが、集中豪雨に遭うと車高の低い乗用車の座席位置からは、車線や周囲の状況ががまったく見えなくなりますので、前車の動きが唯一の誘導灯になります。

くれぐれも視界不良の時にヘッドライト(=尾灯)を点灯しないクルマや、左右の車線を行ったり来たりするような乱暴運転のクルマ、それに後続車のことにはお構いなしに、自己中心的に水たまりなどで急激にスピードダウンするクルマの側には近づかないことでしょう。

まずは落ち着いてパニックを起こさず、座席の位置が高く視界のいい背の高いミニバンやトラックに先導してもらい、それらをうまく利用することが一番安全に走るコツです。

都市型集中豪雨はなぜ起こる? 台風でも前線でもない大雨の正体 (知りたい!サイエンス)


【考察シリーズ】
自動車の車幅に関する考察1(考察シリーズ28)
ドアロックする?しない?についての考察(考察シリーズ20)
自動車5ナンバーの栄光と挫折の考察

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