いまはランエボ10で満足していますが、自分の本当に欲しいクルマを考えて条件をつけるのって運転免許を取得して以来ずっとやってきたことです。もちろん独身時代の20代の頃と結婚後の30代、子供が複数いる30代後半〜と当然その要求される理想形は異なってきます。
【独身20代の頃】
10代後半にクルマの免許を取ってから一番あこがれていたのが、当時ラリーなどの世界を席巻していたランチアストラトスです。アリタリアの派手なカラーリングといい、未来からやってきたような究極のスポーツカーとも言えるスタイリングといい、これほどワクワクさせてくれるクルマは今でも他にありません。

私は元々実用車の形をしながらも、小型ですばしっこいラリーカーに興味があり、このランチアはスーパーカーとしても取り上げられますが、どちらかと言えばラリーカーとしてのイメージが強く(イタリア政府が国家発揚のため、世界最高峰のモンテカルロラリーで優勝できるクルマを作れとメーカーに指示した結果、このクルマが誕生したと噂されてます)とても気に入ってました。
でも乗ることはもちろん、実際に見かけることすらないクルマでしたから、夢のまた夢。現実は当時高年式の中古車だと当たり前だったリーフリジッド(板バネ)の固定式後輪サスペンションのクルマに乗っていたので、それから早く脱し、4輪独立懸架サスの5速MT、ツインキャブか電子制御、できればツインカムエンジン、小振りで小回りの効く(最少回転半径5m以内)クーペというのが求める理想形でした。
しかしそれにどんぴしゃ該当する中古車はなく、結局6年落ちぐらいの中古の710バイオレットSSSクーペ(SUツインキャブSOHCエンジン、セミトレーリングアーム式4輪独立懸架、3AT)を購入しました。
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【社会人になった20代の頃】
大学卒業後もしばらく乗り続けていた中古のバイオレットですが、社会人になってようやく新車に手が届くようになった20代後半、当時の新型車で、5ナンバー、クーペ、DOHCエンジン、先進の変速機(MTでもATでも)、小回り性能、高剛性サスペンション、山道をかっ飛ばしてもフェードしにくいブレーキというバージョンアップした私の求める条件を満たすクルマをあれこれと探しました。
当時販売されていたクルマで候補にあがったのは、スカイラインRS、セリカクーペ、シルビア、プレリュード、ピアッツア、スタリオンあたりです。比較検討して価格、スタイル、先進性を考え2代目プレリュードXXに収まりました。
当初はFFなんてと思っていましたが、試乗してみてわかったのは「ひと昔のFFから走りが大幅に進化している」ということを実感しました。自分の条件と違っていたのは、エンジンがDOHCではないことと、FFの習性から小回りが効かないことの2点でした。しかし国産初の4輪独立したダブルウィッシュボーンサスや、同じく国産車初の4ALB(アンチロックブレーキ)、スタイリッシュなリトラクタブル式ヘッドライトなど最先端の技術と、スマートなスタイリングが魅力でした。
【結婚して一人目の子供が生まれた30代前半の頃】
子供がひとり生まれましたが、まだ小さいので、この頃はまだ走りが楽しめるクーペを理想としていました。買い替えにあたりいくつかの車種を比較検討しましたが、20代後半にプレリュード(XX)を買っていたので、結局はその延長線上で3代目プレリュード2.0SI(DOHC)を購入しました。
気持ちよく高回転まで一気に回る初めてのツインカムエンジンや、狭い場所でもクルクルと小回りがきき重宝し、高速での車線変更では斜めにサッと移動する感じの4WS(4輪操舵)が気に入ってました。ポルシェでさえスポーティ車に4WSは成立しないとあきらめた技術を、わずか10万円程度のオプションで成立させたアイデアはいかにもホンダです。しかしこのシンプルな機械式4WSはその後の車種で使われることはなく、この1車種で終わってしまいました。確かに後退するときは違和感があり難しく、車庫入れや縦列駐車はかなり慣れが必要でした。
その当時、比較検討したのは、セリカ(ST165)、RX-7(FC)、スタリオン、ギャランVR-4などです。ただこのあとすぐに二人目の子供ができ、いよいよクーペから卒業せざるを得ない時が迫ってきました。

私の求めるクルマ理想像 その2へ続く
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