自分で買ったことはないけれど、日本という人口密度が高く狭い道路しかない国に一番相応しい乗り物は軽自動車だと思っているわけです。この軽自動車の規格は日本独自のものですが、エコが世界的なブームとなり、海外からもこの規格はよい評価をされているそうです。
クルマがないと不便な生活を強いられる地方の家では、世帯主は普通車に乗っていて、その妻や子供達の多くは2台目3台目のクルマとして軽自動車に乗っていることが多く、なんと言っても車両価格とともにガソリン代や税金、保険料など維持費の安さから日常の足として使うには最適な乗り物です。
しかし最近はそうでもないのですが、一般的には軽自動車は名の通り軽く見られがちで、高い乗用車に手が出ない人向けの若者や貧乏人用のクルマというイメージがつきまといます。
それは各メーカーとも車体価格を抑えるために内装など作りがチープだったり手抜きだったり、快適さや安全性よりも実用性重視だったりするのでやむを得ない面がありました。
しかしそれだけで終わらなかったのが、さすがに日本の優秀な自動車メーカーで、バブルの時期(開発時期)というタイミングだったとはいえ、下記のような秀逸で世界に誇れるいかにも日本的な軽自動車を世に送り出してきました。こういうクルマは世界広しといえども日本でしか生まれないでしょう。
ホンダ ビート 1991年-1996年
スズキ カプチーノ 1991年-1998年
マツダ・オートザム AZ-1 1992年-1995年
ダイハツ コペン 2002年-2012年
当時はユニークな車作りで世界を驚かせてきたホンダが作ったビートは高級スポーツカーと同じミッドシップエンジン・リアドライブ方式をとり、屋根がないフルオープン2シーターモデルです。

もちろん4輪独立懸架装置、4輪ディスクブレーキなどが装備されています。総生産台数は6年間で33,892台(wikipedia)とのこと。1991年に亡くなったホンダの創業者本田宗一郎氏が送り出した(見送った)最後の4倫車ということです(同)。
軽自動車の雄スズキが満を持して売り出したカプチーノは、ビートと真っ向対決するライバル車で、FR方式のフルオープン2シーターモデルです。サスペンションは高級スポーツカーに多い4輪ダブルウィッシュボーン式、ボディーやルーフの各所にはアルミニウムを使い軽量化にも努めていました。
スズキはこのこのカプチーノ登場よりさかのぼること20年、1971年にフロンテクーペという軽の2シータースポーツモデルを出しています(後に4シーターを追加)。
このときは排気量も360cc、車両サイズも今より小さなものでしたが、当時としては衝撃的なスタイルでインパクトがありました。このフロンテは基本デザインはイタリアのデザイナージョルジェット・ジウジアーロ氏が手掛けるなど、従来の機能優先で貧乏たらしい軽自動車の概念を塗り替えてしまう大きな出来事でした。
AZ-1は長く軽自動車も作っていたマツダがビートやカプチーノに強く影響を受けたのか、それらから約1年遅れで世に出した驚きの軽自動車でした。

エンジンこそ提携先のスズキから調達しましたが、軽自動車で唯一のガルウィングドアを持ち、高性能エンジンをミッドシップに積み当時流行ったスーパーカーのミニ版を世に出しました。もちろん格好だけでなく走りも洗練されていて、ハンドリングマシンとして高く評価されました。
軽自動車の西の雄ダイハツも黙っていません。コペンはホンダやスズキから大幅に遅れながらも、軽スポーツのが熟した頃に出したラグジュアリー志向のフルオープン2シーターモデルです。
特徴は、軽自動車でありながら電動油圧ポンプの開閉式ルーフを持ち、ビートやカプチーノが生産中止になったあと、唯一の軽オープン2シーターとして長く販売されてきました。しかし残念ながら誕生10年目の今年でとうとう生産が打ち切り(すでに完売)となります。
このような特殊な軽自動車は、決して数が売れるわけでもなく、それだけで大きな利益が得られるわけではないので、メーカーにある程度資金的な余裕がある時でないとなかなか売り出せません。世界的な景気低迷により厳しい環境で、その余裕がないこともわかります。
しかしこれらのクルマは直接的な利益ではなく、それぞれのメーカーの技術力と、イメージを高める効果があり、根強いファンには長く愛され、ずっと記憶に残る名車として語り継がれていくことになります。そういうメリットと遊び心を経営陣がどう考えるかでしょう。
ビートにしてもコペンにしても後継車の噂が出てきていますが、果たして売りに出せるかどうかは不明です。しかしこれだけエコ、セーフティ、環境性能と言われる中で、HVやEVに十分対抗できる日本の軽自動車の技術は、おそらく今後ますます世界中で認められていくはずです。
その軽自動車の象徴的なフラッグシップカーとして、エコと安全と快適さを併せ持った2シーターオープンスポーツモデルを、国内と世界に向けて再度売りまくってもらいたいと願うのは私だけではないでしょう。
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