2012年10月08日

ランエボの維持費についての考察(考察シリーズ24)



一般的なクルマの維持費は年間どれほどなのか?そして自分のランサーエボリューション]の場合とどれほど違っているのかを計算してみました。もちろん様々な前提条件や机上の計算と実際では違ってくるのは承知の上です。

まず一般的なクルマの維持費を計算してみます。

前提条件は、自分の過去の使用パターンと一般的な想定に基づきます。

・値引込み車両本体価格250万円の車両本体で購入し、9年間使用
・車重は1.5トン未満の普通車セダン
・走行距離は年間5千キロ
・レギュラーガソリン仕様(142円)、平均燃費9.0km/L
・任意保険は21歳以上限定、車両保険含め基本全部込み、等級12
・定期点検、車検はすべてディーラーで実施

■購入費用
車両本体250万円
購入時の税金・強制保険など諸費用40万円
購入時オプション(カーナビ、サンバイザー、マット)30万円
購入時合計320万円

9年後の下取り価格10万円
年間分割費用(320-10÷9年)34.4万円
月間分割費用2.9万円

■維持費
9年間ガソリン代(9年×5000km÷9km×142円)71万円
車検代(税金・保険代含む)3回分(17万円×3回)51万円
任意保険代(14万円×9年)126万円
自動車税(4.5万円×9年)40.5万円
整備費用(3万円×9年)27万円
故障修理費用(5万円×5回)25万円
有料道路代(2万円×9年)18万円
タイヤ、バッテリー等消耗品代(8万円×2)16万円
駐車場代(1.5万円×12ヶ月×9年)162万円

維持費計536.5万
年間59.6万円
月間5万円(駐車場代抜きの場合3.5万円)

購入費用含む月間総コスト7.9万円
=================================

次に2008年式ランサーエボリューション]で維持費を計算してみます。

・値引込み車両本体価格360万円(2008年当時)の車両本体で購入し、9年間使用
・車重は四駆のため1.5トン以上
・走行距離は年間5千キロ
・ハイオクガソリン仕様(150円)、平均燃費7.0km/L
・任意保険は21歳以上限定、車両保険含め基本全部込み、等級12
・定期点検、車検はすべてディーラー

■購入費用
車両本体360万円
購入時の税金・強制保険など諸費用45万円
購入時オプション(カーナビ、サンバイザー、マット)30万円
購入時合計435万円

9年後の下取り価格50万円
年間分割費用(435-50÷9年)42.8万円
月間分割費用3.6万円

■維持費
9年間ガソリン代(9年×5000km÷7km×150円)96万円
車検代(税金・保険代含む)3回分(18万円×3回)54万円
任意保険代(22万円×9年)198万円
自動車税(4.5万円×9年)40.5万円
整備費用(4万円×9年)36万円
故障修理費用(6万円×5回)30万円
有料道路代(2万円×9年)18万円
タイヤ、バッテリー等消耗品代(12万円×2)24万円
駐車場代(1.5万円×12ヶ月×9年)162万円

維持費計658.5万円
年間73.2万円
月間6.1万円(駐車場代抜きの場合4.6万円)

購入費用含む月間コスト9.7万円
=================================

まず、走行距離が「年間5千キロとはえらく少ないじゃん!」と思われますが、実際に他の家族も使わず週末のみのドライバーならそんなものです。私の場合も週末だけと、年に1〜2回は関西を往復(約千キロ)していますが、ここ30年間ぐらいはずっとそんな感じです。

その他、任意保険は事故を起こさなければ翌年度は等級が上がり、車両価格が下がって保険料が毎年下がりますが、ま、そのような細かなことは省略しています。だって事故を起こせば逆にもっと高くなることもありますからね。

故障修理費用やタイヤ・バッテリー費用に関してはエイヤの世界です。おそらく消耗品にはワイパー、ベルト類、油脂類などがありますが、その消耗度は乗り方によっても大きく変わってきます。

あと大きいのは任意保険です。もし35歳以上限定+割引最高ランクであれば、おそらく今回記載した任意保険は半分ぐらいになるでしょう。駐車場も自宅敷地にあるのか、有料で外に借りるのかによって大きく維持費が違ってくるものです。

総合すると、2000cc級の普通のセダンに乗る場合は、初期費用320万円、その後は月々平均5万円(自前の駐車場があれば3.5万円)という結果になります。車検時や修理時に一気に支払うことが多いので感覚的には毎月そんなには支払っていないように思いますが、平均してならすとするとこれだけかかっているのです。

さらに、購入時の初期費用も含めると、9年間で856万円支払うことになります。1年平均にすると95万円ですからザクッと年間100万円、月にすると8万円コストがかかります。

一方、ランエボ10の場合、初期費用435万円、9年間の維持費合計658.5万円とやはり普通のセダンよりは初期費用で115万円(9年後の下取り価格を考慮すると75万円)、9年間の維持費用合計は122万円高くなります。

維持費用の中でも特に事故や盗難リスクが一番高いランクとなる車両保険を含む任意保険の差が大きく、月間維持費は6.1万円(駐車場代除くと4.6万円)で、普通セダンより1万円ほど多く支払うことになります。

購入時の初期費用も含めると、総額1044万円(9年後の下取り分含む)で、月々に換算すると約10万円近く負担することになります。普通のセダンとの比較では有利な下取り価格分を差し引いても月々負担の差は約2万円ほどあります。

一般的な2000ccクラス普通車とランエボXとでは、任意保険以外にも車重があり構造が複雑な分だけ税金や整備費用などの維持費が高くなります。例えばバッテリーひとつとってみてもカーショップで普通のセダン用が1万円程度で買えるものが、ランエボ10の場合、トランク内に装備する特殊な純正バッテリーは3万数千円かかります(そんなクソなの使わないけれど)。

20101016_08.jpg

その他では車検、点検整備、故障修理代が上がり、さらに高性能ワイド&グリップタイヤのため摩耗が激しく、高価なタイヤをより多い頻度で買い換える必要が出てきます。今回は含めませんでしたがスタッドレスタイヤを買うにも通常のセダンのタイヤとでは価格に1.5倍ぐらいの開きがあります。

いずれにしても普通の2000ccセダンでも月間維持費が5万円、駐車場が自宅にあっても3.5万円がかかる自家用車ですから、これだけ収入が低迷する中では、通勤や仕事で必要な人、障害や病人を抱えて移動に必要な人、クルマの保有に価値を見いだす人以外はそう多くなさそうです。

若者のクルマ離れを心配する人が多いですが、若者と言うよりも、いままでクルマの所有に価値を見いだしてきた多くの団塊世代が、65歳を過ぎて収入が年金しかなく、巣立った家族と出掛けるようなことがなくなると、クルマを手放すこととなり、ここ数年の間に一気に新車販売台数が減少していく可能性のほうを心配しています。

それを避けるためにも高齢者が安心して乗れて車両本体も維持費も安いクルマ。つまり小型乗用車でありながらアイサイトなどの先進的な安全装備が付き、しかも世界一品質にうるさい日本の高齢者向けに、アジア製ではなく国産で上質でフル装備を施したモデル、例えばフォルクスワーゲン「up!(アップ)」のようなモデルを出してもらいたいものです。

こんな記事がありました。
月間維持費1万円を実現せよ―「若者のクルマ離れ」を考える(Biz誠)

ランエボX から N-WGN へ その1(プロローグ)
ランエボと自動車保険(特に車両保険)についての考察
もっと光をあてていい軽自動車の考察(考察シリーズ23)


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