2013年10月20日

自動車の車幅に関する考察1(考察シリーズ28)



車幅が1810mmと2リッターセダンとしては比較的ワイドなランエボ10に乗っていて言うのも変ですが、最近の日本車の車幅がどんどんと広がっていることに懸念を覚えています。

1990年半ばまでは国産乗用車といえば小型乗用車という5ナンバーサイズの車幅1700mm未満(車幅1695mmというのがお約束)がほとんどでしたが、1989年の税制改定で、自動車税に関しては5ナンバーでも3ナンバーでも関係がなくなり、排気量だけで税額が決まるようになりました。その後モデルチェンジを繰り返すごとに、従来は小型乗用車(5ナンバー)だった乗用車の車幅が拡がっていくことになります。

syahaba2.jpg

1980年頃まではクラウンやセドリックでさえ1700mm未満の5ナンバーサイズだったものが、やがてバブルでふくれあがった日本の景気と、欧米からの強い外圧により、日本独自規格の小型乗用車優遇税制が見直されることになりました。

なぜ外圧があったかと言えば、この小型乗用車のサイズは日本の自動車メーカーを外国メーカーから守る上で大いに役立ったのですが、他の先進国にはこのような車幅の規格がないので、例えファミリーカーでも車幅が1700mmを越えてしまい、それによって国産乗用車の同クラスと比べ自動車税が年間で数万円高くなるというハンデを背負っていました。

輸入車は高い関税の他、日本の左側通行用にわざわざ右ハンドルに変えたり、独自の排気ガス対策をおこなったり、その他にも180km/h以上のスピードが出なくなる装置や110km/hを越えるとアラームが鳴る装置とか日本独自の基準に合わせるための装備を追加させられたうえに、さらに自動車税が割高ということであまり売れず、国産メーカーを守ってきたわけです。

一方では日本メーカーは、最初は国内で売っていた小さな車をハンドル位置だけ左側に変えてそのまま海外へ輸出していましたが、やがてそれが軌道に乗ると、今度は車幅を拡大し大型バンパーを付けた輸出専用モデルを作り、世界に向けて一気に売りまくったのです。

そして現在では国内で売る台数よりもはるかに多い台数を輸出していますので、立場は逆転し、車幅の広い輸出仕様の車をそのままハンドル位置を変えて国内でも売るようになりました。

なので、本当は現在の国産普通乗用車(3ナンバー車)の車幅は国内の道路や交通インフラに適したサイズではなく、海外、特に数が売れる北米や豪州向けの車のサイズそのものなのです。

三菱ランサーエボリューション、トヨタカムリ、スバルレガシィの歴代車幅変遷
syahaba1.jpg

例えば都市部に多い立体駐車場の多くは、幅が小型乗用車サイズ(ミラーを倒したあとの出っ張りも含め1800mm以内)が多く、これだとカタログ上車幅(ミラーの出っ張り分含まない)がギリの1800mmだとしても、折りたたんだサイドミラーの出っ張り分が邪魔をして入らないか、細心の注意が必要であまり実用的ではありません。

ショッピングセンター、スーパー、コンビニ、高速のサービスエリア、道の駅など、最近できたところは多少広めにとっていますが、それでも基本は小型乗用車サイズの1700mm幅+左右に200〜300mm程度で、隣に停めた車との余裕を足して間隔が400〜600mmといったところです。

古くからあるスーパーの狭い駐車場に停める場合、運悪く3ナンバーサイズの車が両側にあると、両側とも駐車スペースをはみ出さんばかりにいっぱいを占めていて、隣との隙間がほとんどなくなり、ドアは30cmぐらいしか開けず、苦心して乗り降りするはめになります。そうなると今度はドアを開けるとき、よほど注意をしないと隣のクルマのボディにガツンと当ててしまう(当てられてしまう)リスクが拡大しています。

また古くからある道路の幅は狭く、3ナンバー同士だと走行しながらすれ違えないという場所が多々あります。しかもそういう道には電柱が張り出していたりして、歩行者や自転車のリスクも大きくなります。狭い道路ではよく電柱や標識にミラーがぶつかった後が見られますが、これは運転の上手い下手より車幅がドライバーの感覚以上に広がってきている弊害ではないかなと思っています。

山道を走ると、元々軽トラや小型車がギリギリ走れるような場所に出くわすことがあります。幅広の3ナンバー車だと道の中央を走っていても左右から飛び出している木の枝が次々と接触し、ボディ塗装を傷め、またカーブなどでは舗装した路肩から片方の車輪が落ちて泥だらけになることもよくあることです。

syahaba3.jpg

しかしこの車幅拡大の流れは止められそうもなく、国内のインフラをこれから整備していくときにはこれらの要素を反映したものになっていくのでしょう。例えば新東名高速道路の車線幅が旧東名より広くなっているのもその表れでしょう。

最近発売された1.8〜3リッターの3ナンバー車の車幅を書いておきます。
三菱 アウトランダーPHEV  2リッター+HV  1800mm
三菱 RVR 4WD  1.8リッター  1770mm
マツダ アテンザ セダン  2〜2.4リッター  1840mm
マツダ アクセラ・ハイブリッド  2リッター+HV  1795mm
レクサス ISハイブリッド  3リッター+HV  1810mm
レクサス RX  2.7リッター  1885mm
トヨタ クラウン ロイヤルサルーン  2.5リッター  1800mm
トヨタ SAI(Gパッケージ)  2.3リッター  1770mm
トヨタ アルファード  2.4リッター  1870mm
トヨタ  エスティマ  2.4リッター  1800mm
ホンダ アコード ハイブリッド  2リッター+HV  1850mm
ホンダ オデッセイ  2.4リッター  1800mm
ホンダ CR-V  2リッター  1820mm
スバル インプレッサXV  2リッター+HV  1780mm
スバル フォレスター  2リッター  1795mm
日産 シルフィ  1.8リッター  1760mm
日産 エクストレイル  2リッター  1790mm
日産 エルグランド  2.5リッター  1850mm

自動車の車幅に関する考察2(考察シリーズ29)

【旧車シリーズ】
旧車シリーズ(日産編)
旧車シリーズ(スバル富士重工編)
旧車シリーズ(三菱自動車編)
ブラオヤジ7(含む旧車シリーズ)
ブラオヤジ2(含む旧車シリーズ)
ブラオヤジ3(含む旧車シリーズ)
ブラオヤジ4(含む旧車シリーズ)
ブラオヤジ5(含む旧車シリーズ)



posted by makan at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 考察シリーズ
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/185754332

この記事へのトラックバック