2015年02月22日

自動車の車幅に関する考察2(考察シリーズ29)


最近販売される国内の普通乗用車のサイズを見ていると、国際的な流行のダウンサイジングではなく、アップサイジングの傾向がまだまだ止まらないようです。

私がクルマを選ぶときに注目しているのは、狭い日本の道路や駐車場で取り回しやすく最適と思われる小型乗用車(5ナンバーサイズの幅1700mm未満)と最少回転半径(概ね5m以下)なのですが、もうこれは国産乗用車ではほとんど意味をないしていない状況になっています。

例えばトヨタのミニバンで、つい最近モデルチェンジしたアルファード/ヴェルファイアの幅は1850mm、最少回転半径は5.6〜5.8mで、2tトラック顔負けのでかさです。狭い国内の道路や都市部の駐車場では不便極まりないと思うのですが、どっこいこれがまた、同じ車幅を持つ日産エルグランドとともに小金持ちなオヤジ達に大人気でよく売れるんですよね。

ちなみに最小回転半径は外側のタイヤの軌跡で、タイヤ前後のオーバーハングの大きさによって実質的な最小回転半径(ボディの外側軌跡)はまた違ってきます。

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私がランエボXを手放した理由のひとつに「幅がでかくて(1810mm)、小回りが効かず(最少回転半径5.9m)、使い勝手が悪すぎ!」という点にありました。確かに維持コストの面も理由としては大きかったのですが、それに増して狭い場所での使いにくさにはヘキヘキしました。そうした狭い場所には近づかないと割り切ることができればよかったんですけどね。

例えば信楽(滋賀)の古い工房地域へ迷い込んだ時、筑波山神社(茨城)付近で混雑を避けるべく脇道に入った時、ヤビツ峠から宮ヶ瀬(神奈川)へ抜ける時、室町・壬生寺・島原・鞍馬(京都)を観光で巡った時、浜石峠・さった峠(静岡)を上り下りした時、観音寺山城(滋賀)へ向かった時など、対向車とすれ違えないのでバックしたり、急なカーブで曲がりきれず、切り返しをすることになったりします。この前は軽で楽々走れた関ヶ原の古戦場巡りも、狭くて曲がりくねった道が多く、ランエボだと相当に苦労しただろうと思います。

親戚の家に行ったとき、狭い道を90度曲がったところにある駐車場へ入れる際、「クラウンでも1回で曲がれるのだから(クラウンよりも車格が下の)そのクルマ(ランエボX)なら楽に入れる」と言われたものの、どうやっても曲がれず2度も切り返しをすることに。そりゃ〜車幅が同じでも最小回転半径が5.2mのクラウンと、5.9mのランエボでは全然違いますってば。

各社の代表的な普通乗用車の車幅サイズを見てみると、現行の日産シルフィー(ブルーバード後継)はモデルチェンジ後に5ナンバー枠を飛び出し1760mmに、さらに上級のフーガ(セドリック後継)370GTタイプSだと1845mmです。

レガシィも登場したときはセダンもツーリングワゴンも5ナンバーサイズだったのが現在(B4)は1840mmまで拡大。トヨタが満を持して発表し販売が開始された燃料電池車MIRAIは1815mmです。

マツダのアテンザセダンやSUVのCX-5は1840mm、ホンダ オデッセイ2.4も1840mm、新型レジェンドは1890mm、三菱アウトランダー(エアトレック後継)は1800mm、パジェロは初代が1690mmの5ナンバー枠だったのが今は見る影もなく18.5cmもデブって1875mmです。いくら走破動力性能が高くなっても、狭くて通れない山道やトンネルが増えたことでしょう。

サイズが拡大していく理由は、国内販売不振とは逆に海外販売好調で、従来のように国内専用サイズでクルマを作るよりも、海外、特に北米輸出に合わせたサイズでクルマを作って、それを国内でも売っちまおうと単純なことです。

この車幅1800mm前後のサイズだと北米では車幅が2mを超えるフルサイズのキャデラックやリンカーンが走っていた時代からすれば十分にダウンサイジングになっているのですが、軽(1480mm)や5ナンバー(1695mm)が主体だった日本の自動車からすればとんでもなくアップサイジングなわけです。

北海道始め、土地が余っている地方ならば道もそこそこ広いし、駐車場にも余裕がありますが、都会や昔ながらの街や古くからある峠や山道では、未だに30年以上前の5ナンバーサイズに最適化されたインフラが多いです。都市に多いリフト型の立体駐車場は最近は幅1850mm未満のところが増えてきていますが、少し前のタイプだと幅1800mm未満や5ナンバー以下するところもまだ多く見掛けます。

都会のスーパーの駐車場やコインパーキングへ行くと、3ナンバー同士が隣り合わせに停めると、ドアが開くすき間がほとんどないという時がよくあります。自走式の立体駐車場ではビルの中をクルクルと回りながら上ったり降りたりするわけですが、狭いコーナーを曲がりきれずに何度も切り返しをしているシーンや、コーナーの壁や柱、料金精算機にこすった跡が残っていたりするのをよく見掛けます。

もっとも柱や壁にこするのは運転が下手なだけで、クルマの大きさには関係がないとも言えますが、少なくとも小さなクルマは狭い場所での取り回しについてはずっと楽にできます。

って、前述の通り、最近まで幅1810mmで、最少回転半径が小型トラック並みの5.9mもあるランエボXで、狭い場所で切り返しばかりしていた私が言うのもなんなのですが、乗ってみて初めてわかることも事実です。今ではもう取り回しの悪い3ナンバー車は懲り懲りって思ってます(3ナンバー車すべてが悪いというのではなく、幅や最小回転半径が大きく取り回しの悪いのがダメってこと)。

メーカーにしてみれば、海外向けに作ったクルマを国内で売ることは、上記に述べたように効率的、つまり儲けが大きくなるので、利用者に不便を強いることについては一切触れようとせず、また軟弱な自動車評論家も本質的なところではメーカーに逆らいたくないのであえてそれを話題にしたりはしませんが、考えてみるとく大メーカーの都合に合わせて押しつけられた幅広車の流行はまったく酷いものです。

それともうひとつ頭にくるのが、都会の道路ではよくある「センターラインのない車道の幅が4〜5mの狭い道」で、そうした幅があるミニバンが「おらおらーどけどけ!」とばかりに道の中央を我が物顔で向かって来るケースです。対向車がいようと、坂の上りや下りの優先などお構いなしに「オレ様がまかり通る」です。

そうした道では片方か、あるいは双方ともに端に寄らねばすれ違えないわけですが、でかいミニバンのオレ様ドライバーは常に自分が優先されるものと思っているに違いありません。まったく困ったアホな奴らです。

こちらが優先であるのに、そういう厚かましく威圧してくる相手には、同乗者がいないときに限りますが、ぶつかる寸前まで避けずにいる(チキンレースみたい)ことがあります。

「当然相手が避けてくれる」と思っているミニバン側は急ブレーキ急ハンドルで、目を釣り上げてこちらをにらみつけてきますがザッマミロ!いい気味!です。

えぇ、相手が急ブレーキをかけないと間違いなく衝突(あるいは接触する)しますので、危険で大人気ないことだと自覚しています(真似はしないでください)。ミニバンだけでなくタクシーも同様に相手を威圧し、なめた真似をしてくることがよくあります。

世界的にはエンジンのダウンサイジングが流行していますが、ここらで自動車の幅のダウンサイジングもぜひ日本車が先陣を切っておこなってもらいたいものです。でも実は今の5ナンバー車って、デザイナーの怠慢ですがパッとしないデザインのものばかりで、あまり売れていないんですよねぇ、、、

昔は5ナンバーサイズでも117クーペやピアッツァ(JR)、セリカ(A60、T160、T180)、RX7(SA、FC)、フェアレディZ(S30、S130)、レガシィ(BF、BG、BH)、ローレル(C130)、ブルーバード(510、910)、ギャランシグマ、セフィーロ(A31)など、5ナンバーでも洗練されたデザインのクルマも多かったのですが、最近の5ナンバー車は地味で貧乏たらしく、メーカーもとりあえず品揃えするため仕方なく作っているような物ばかりで納得がいきません。

世界的に見ても日本には軽自動車や小型自動車の規格があり、その限られた範囲で最善を尽くしてきたという先駆者の利があります。これは他の国ではすぐに真似が出来ない大きなアドバンテージで、背伸びをしてメルセデスベンツやBMW、フォードにガチンコ対決をするのではなく、小さくても安全で壊れずよく走り、しかも格好よくて機能的なデザインの日本車をもっと自信を持って突き詰めていってもらいたいと願ってやみません。

【考察シリーズ】
バカバカしい軽自動車の馬力規制の考察(考察シリーズ30)
自動車の車幅に関する考察1(考察シリーズ28)
自動車盗難(2013)の考察(考察シリーズ27)

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