2015年05月17日

軽自動車の馬力規制は解除されるのか?



軽自動車の馬力規制のアホらしさについては前回書きましたが、それではその自主規制は今後解除されるのか?解除されるとしたらいつなのか?について考えます。

今から2年前の2013年5月に総務省が主催で開かれた「自動車関係税制のあり方に関する検討会」で、消費税増税に合わせる形で、自動車税の見直しが検討されました。

その内容としては厳しい財政事情を考慮しつつ環境問題にも配慮をして、新しい自動車関連税制を議論しているわけですが、いずれにしても軽自動車の性能が高まってきて性能的には小型車との差がなくなり、その税制にメスを入れようとする動きが見られます。

軽自動車、小型自動車、普通乗用車の保有台数推移
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例えばこのような議論がなされています。

■軽自動車税の見直し
車両の基本性能の保持に必要な最小限の規格として定められた軽自動車について、小型自動車と比較した場合、登録制度の違いによる財産上の価値の違いや検査制度の違いは残るが、価格面で接近していること、道路損傷負担金的性格から見た場合でも、車両重量にも大きな差異がなくなってきていることなど、その差異が縮まっている現状にあり、排気量や燃費等、環境損傷負担金的性格から考えた場合でも、両者の間にはかつてほど大きな差異は認められないと考えられる。その上で、さらに下記のような点を考慮に入れれば、排気量及び規格に応じて定められている軽自動車税の負担水準の適正化を検討すべきである。
イ 2000cc 未満クラスの自動車税が 39,500 円、1500cc 未満クラスの自動車税が 34,500 円、1000cc 未満クラスの自動車税が 29,500 円と 5,000 円刻みであるのに対し、軽自動車(660cc、自家用乗用)の税率が 7,200 円と 1000cc 未満クラスと 2 万円以上の格差があるのは、軽自動車の特殊性を考慮したとしても、バランスを欠いていると考えられること。
ロ 軽自動車税の規格の拡充が数度にわたり行われているが、その一方で、定額課税である軽自動車税の税率が、物価の動向等にかかわらず、据え置かれていること。
ハ 地方団体からは、軽自動車税については、軽自動車の大型化・高性能化及び自動車税との負担の均衡等を考慮し、税率を引き上げること等の要望が出されていること。
ニ 地方部の財政が厳しいいくつかの市町村では、軽自動車税を制限税率限度である標準税率の1.5倍で課していること。
ホ かねてより、全米自動車政策評議会、欧州自動車工業会から、軽自動車への優遇措置の廃止や見直しが求められていること。

そして、すでに2014年4月1日に軽自動車税が増税され、乗用が年間7,200円だったものが1.5倍の10,800円になりました。

ただし4月1日以降に購入した新車に適用されるので、3月31日以前に登録された中古車は対象とならず7,200円です(買い換えの促進のため13年を超える中古車は軽自動車税が1.2倍となり8,640円となります)。

660ccを超える小型乗用車や普通乗用車は排気量ごとに自動車税が定められています。欧州の一部の国では排気量ではなくCo2排出量で課税区分しているところもあるようですが、日本ではその取り組みは今のところなさそうです。

現状の軽自動車の軽自動車税と小型、普通乗用車の排気量別自動車税のグラフです。

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このグラフを見ると、どうしても660ccの軽自動車税が、その排気量を超える乗用車の自動車税と比べると優遇されていることがわかります。

もちろん軽自動車は大排気量車に比べると環境にも優しく、裕福ではない人や、生活する上で自動車が必需だったりする人のために、特別の恩恵が与えられてきたという歴史的な事情があります。

しかし近年軽自動車が新車販売台数全体の4割に増加してきたことで、もはや特別扱いができないという財務省や赤字が多い自治体の都合ということが大きいのでしょう。

で、そうした軽自動車の増税の流れの中、様々な意見や報道が出ています。

軽自動車は1000cc 自動車取得税廃止と軽自動車増税に関する提案 其の1
・・・豊富な車種が揃う軽自動車と、極端に車種が少ない1,000ccクラスを統合してはどうでしょう? つまり、軽自動車税を上げる代わりに、軽の排気量を1,000ccにしてしまうのです。その税額は1,000ccクラスの半額、軽自動車税の約2倍に相当する15,000円程度が妥当かと僕は考えます。もちろんこれは5ナンバーの乗用車に限った話で、軽トラックなどの商用車には、事業者の負担にならない程度の増税額を設定して欲しいものです。

取材の現場から 軽規格の撤廃が浮上 スズキ「賛成」、トヨタ「消極的」の不思議
TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)交渉参加により、軽自動車の廃止が進むと見られている。米国はかねて、「日本の軽自動車は非関税障壁だ」と訴えていた。軽規格の撤廃は、実は財務省も関心を示している。先の税制改正で自動車取得税の廃止が決まったが、その穴埋め財源が決まっていない。有力視されているのが、軽の優遇税制廃止。軽自動車税をなくし、自動車税に一本化するというものだ。そうなると年7,200円が約3万円に増税。シェア3分の1のクルマの保有税が4倍になる。財務省は軽廃止にちゅうちょはない。

そして日本独自の軽自動車規格をなくして、その代わりに排気量1000ccクラスの自動車税を下げることや、同時に新しく原付二種でおなじみの125cc程度のエンジンで、二人乗りの4輪コミューター規格を作りその税制を格安にするなども書かれています。

そうすればちょっと買い物に出かけるにもクルマが必要な地方居住者や、子供の保育園への送り迎えや高齢者を病院へ送り迎えする介護者に必要な人には安いコミューターの恩恵があるし、グローバルスタンダード的に中途半端な排気量や車幅などはなくなり、世界的にブレークしそうな1000ccのコンパクトカーは国内専用車ではなく、広く世界中に販売することで大量生産のメリットが生まれます。

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また日本の自動車産業に関わる行政は過去から外圧との戦いという図式があり、TPPの一環で日本の自動車税制区分が外圧によって見直しがされることも十分考えられます。米や牛肉など食料品だけではなく、バランスよく工業品の不公正も改善していく必要があるからです。

ま、そうした事情を利権で凝り固まった役人が認めてくれるとも思えませんが、上げたばかりの軽自動車税含め、自動車税を増税していくことに関してはもう既定路線と思われるので、軽の馬力規制はそうした税制改正が明らかになると同時に有名無実化していくことになるのでしょう。

その時期はいつか?

当初の予定では2015年10月に消費税が10%に増税される予定でしたが、景気回復が思わしくなく、1年半延期して2017年4月からの増税がほぼ決定しています。

消費税増税により当然軽自動車含め、自動車の販売にも大きな影響が出ることになりますので、私はこの消費税増税のタイミングで軽自動車の馬力規制が撤廃され、同時に、その1年後から環境負荷に応じた税制をと言ううたい文句で自動車税改正(水素や電気のエコカー以外は実質増税)が決まるのではないかなと思っています。つまりクルマを買うなら今のうちに買いなさいと促進策を打ち出して消費増税の落ち込みを防ぐ方策です。

軽の場合はどちらかと言えばエコカーなのですが、1年後の新税制で有利になるかというと、そうとも言い切れず、上記のように660ccの排気量区分が撤廃されて1000ccと同様な税制になるかも知れず、そうしたネガティブな要素を振り払うためにも馬力規制撤廃は有効な販売促進策でうまく飴と鞭を使ってということになるのではないでしょうか。

以上はもちろんなんの根拠もない話しで信頼性は乏しいもので、結果的に大外れであっても、文句はつけないでください。

バカバカしい軽自動車の馬力規制の考察(考察シリーズ30)
ランエボX から N-WGN へ その1(プロローグ)



posted by makan at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | その他雑感
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