2015年10月25日

クルマをもっと売りたいなら、欲しくなるクルマを作ればいい


最近「欲しいクルマがない」とよく耳にします。また「若者のクルマ離れ」の原因について、「若者の非正規化による低所得構造」や、「趣味の多様化」、「スマホの維持費優先」など様々に言われていますが、私が思うには、若者が倹約してでも欲しいと思えるクルマがないからではと思っています。

クルマから趣味性を強く感じるものや、競い合うという刺激が消え、「なにか無難で広くて便利そう」というのが今のスタイルトレンドで、実際私も今販売されている数多くのクルマの中から、様々な独自の条件を加味して選ぼうとすると、なにも残りません。

って言うか、国産メーカーのクルマを見ると、スタイルや性能の違いはほとんどなく、違いは軽かミニバンかセダンかSUVかの違いしか見えてきません。

スタイルや性能、すべてのパッケージを考えるのも決めるのもサラリーマンですから、尖ってしまって失敗することを恐れ、無難に無難に誰からも反対意見が出ないようにまとめることが優先するのでしょう。その結果、どこのメーカーからも同じように似たデザインのものばかり出てきます。

人によって、選択する基準や条件は違っていますので、作る側のメーカーも苦心しているのだと思います。

また国内の販売数は下がる一方ですから、主として海外ユーザー向けに作ったものを、国内でも売ろうとする無理も加わってきています。

そうしたことから、70年代80年代の国産メーカーが、国内利用に最適化された国産車をライバルと競争しながら必死に作ってきたことを知っている世代(50代以上)にとっては、今の国産車の状況は嘆かわしいとしか言いようがありません。

まずクルマの形からして、猫も杓子もミニバンやSUVと言ったものが主流となっています。昭和時代のように子供がたくさんいたり、年老いた両親と同居している大家族にはそれが向くのでしょうけど、少子化の日本で果たしていつまでもミニバンもなかろうと思うのですが。

昔は関税などのおかげで輸入車は高嶺の花で、なかなか値段優先のコンパクトカーなどが国内に入ってくることは少なかったのですが、最近は優秀な外国製のコンパクトカーがこなれた価格で入ってきます。

長い間、「コンパクトカーは日本車の独壇場」と思われてきましたが、現に海外から入ってくるコンパクトカーはデザインはもちろん、性能や使い勝手も日本車に引けを取っているどころか、明らかに上回っているものが多くあります。価格ではアジアン製のコンパクトがシェアを拡大してきています。

国産車至上主義ってほどではないけれど、「国内の道路で使う車は、やっぱり国産車が安くて一番性能もいい」と思っていた私の考え方も最近はあらためる必要が出てきました。

そりゃそうです。海外の道路事情や使用条件に最適化された国産車は、もはや少数派の日本人ユーザーのことなど考えて設計されていません。

たまに国内専用車と銘打って輸出はしないモデルもありますが、そのモデルは開発予算を抑えるためか、それとも日本人ユーザーをバカにしているのか、デザインは見苦しく、とてもチープな感じで、安易に設計されたものと相場が決まっていたりします。

たいして売れない国内専用車につぎ込む人材も資金もないってところがよく現れています。

そこで言いたいのは、日本でクルマをもっと売るために、税金に恩恵があり、立体駐車場や狭い道路事情に便利な日本の小型車の枠で、もっとできることはないのか?ってことです。

新しいロードスターのように車幅だけ5ナンバーの枠を多少超えてしまうというのは、その走りを優先するスポーツカーという特殊な枠組みの中では仕方ないと思いますので許容範囲です。

世界の自動車メーカーは今や主としてエンジンのダウンサイジングがトレンドとなっています。国内メーカーもそれに追随していますが、元々は1000ccとか1600ccエンジンは日本車がもっとも得意とする分野でした。

それが今では欧州勢のほうが優位になってしまったようで、小排気量ターボエンジンにしろ、DCTミッションにしろ、電子制御多段ATにしろ、欧州車のほうが一歩も二歩も先へ行ってしまっている感じです。

軽自動車が四輪乗用車販売の約4割を占めるまで増えてきたのは、1番には税金や維持費の安さから来ていることは明かですが、同時に国内専用という限られた枠の中で、各メーカーが工夫に工夫を重ね、競争しながらも日本人が国内で利用するのにもっとも適した解を提示しているからです。

70年代の代表的な国民車と言えばカローラ、80年代はマークII、90年代はバブルカー、2000年代はプリウスでしたが、2010年代の今では日本の国民車と言っていいのはスズキかダイハツの軽自動車ということでしょう。それほど今の国内向け国産乗用車は混乱し迷走しています。

もう一度70年代、80年代の国産乗用車全盛だった頃の、日本国内で使うのにもっともふさわしく、かと言って貧乏くさくもなく、時には欧米車をしのぐ動力性能を持つクルマをぜひ作ってもらいたいものです。発売時のコピーは泥臭く「本気の日本車」です。

例えば、私だったら、、、

好みもあるでしょうから、共通のシャーシを利用して、クーペ、セダン、SUVワゴンの3タイプ。

クーペ(2×2)はFR、セダンはFRと4WD、SUVワゴンは4WDのみ。

エンジンは1300ccターボ(150馬力)と1500ccターボ(210馬力※)。税金も安いし、燃費もそこそこいい!
※市販車のプジョー RCZ-Rは1600ccで270馬力、ルノー ルーテシアRSは1600ccで220馬力です。

ミッションは全車7速DCTで、クーペとSUVワゴンには6速MTも設定。

サイズ(長さ×幅×高さ)は、クーペ4150×1740×1350、セダン4350×1695×1430、SUV4450×1695×1500

車重はアルミやカーボンを多用したクーペ(FR1500cc)が990kg、セダン(4WD1500cc)は1250kg。

私がこだわる取り回しやすさの基準の最小回転半径は、クーペが4.8m、セダン・SUVが5.1m。

タイヤはクーペが225/45R18(op245/40R18)、セダン・SUVが215/50R17(op225/45R18)

その他装備と安全装置としては、全車速オートクルーズ(DCTのみ)、光学カメラとミリ波レーダーによる50km/h以下で衝突回避できる自動停止装置は全車標準装備。ブレーキは前輪4Pot、リア2pot。

大きさのイメージ(スタイルやデザインではなく)としては、クーペはトヨタ86やBRZの全長と幅をひとまわり小型化。ロードスター(ND)とほぼ同じ大きさ。

mazdand.jpg

クーペのみブリスターフェンダーのため小型車の幅1700mmから40mオーバーしますが、趣味性が強くデザイン優先のクーペゆえ仕方なし。追加モデルでオープン2シーターモデルも。

なんてことを考えていたら、10月末の東京モーターショーにトヨタから「コンパクトFRスポーツTOYOTA S-FR」なんていう5ナンバーサイズのヴィッツのシャーシを使ったスポーツカーのコンセプトモデルが登場するそうです。こういうのは数が出ないので、大メーカーからは市販されそうもないですが、5ナンバーサイズを忘れるな!っていうポリシィはいいことです。

toyotasfr.jpg

このコンセプトモデルのもっさりしたデザインはともかく、若い人のためにこういう小型軽量で刺激的なクルマを出してもらいたいものです。斜め後ろから見ると、その昔、金持ちのボンボンではない若者があこがれた日産チェリーX-1Rを彷彿とさせます。

セダンは5ナンバーサイズだった3代目BE型レガシィセダン(初代B4)の全長をやや短くしたような感じ。今見ても初代B4レガシィは5ナンバーサイズセダンとしては走りと居住性を両立させたグッドパッケージングでした。

b4_blue.jpg

SUVワゴンは、ホンダヴィゼルの幅と車高を削り、リアを少し伸ばした感じ。スバルのレヴォーグとフォレスターを足して2で割り全体を縮めて5ナンバー枠に収めた感じとも言う。

hondavezel.jpg

どうでしょ。5ナンバー小型車の枠で作った車は海外ではちょっと幅が不足していて、そのままでは受け入れられないかもしれませんが、国内で売るには最適です。

その日本規格で作られた便利で使い勝手がいい高性能車を、脳みそ絞って世界中に売り込んでいくのも日本のメーカーの大切な仕事だと思うのですが。

そうすればやがてセグメントなんてわけのわからない分類ではなく、日本車の「KEI」「KOGATA」「CHUGATA」「OGATA」がクルマの分類法に変わっていくかもしれません(ないな)。

ともかく、走りに、広さに、エンジンスペックに、使い勝手に、世界最高水準の魅力ある国産小型車の復活を願うばかりです。

【試乗】
ロードスターRFに試乗してきた
今さらですがS660に試乗
ランエボX から N-WGN へ その1(プロローグ)

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