先月の「ブラオヤジ9(含む旧車シリーズ)」の続きです。こうやって見ると、私の住まいから半径3〜4キロぐらいの範囲(健康のためウォーキングで毎日往復5〜7キロぐらいを歩きます)には数多くの旧車、名車が見つかります。一時的に置かれているものもあるでしょうけど。
今ほど旧車と言える20年以上前の中古車に注目と人気が集まったことは過去にありません。
正直言って中途半端に古いクルマに何百万円も支払うのは躊躇うというか絶対にないなと思いますが、まさか普通の国産車までが投資の対象になるとは思いませんでした。ま、個人の趣味や好き嫌い、価値観はそれぞれあって良いのでそれはそれで尊重します。
その人気の理由をいろいろと考えて見ましたが、安全装置や快適装備が満載の新車価格がバカ高くなり、比較的安い中古車に人気が集まったことや、団塊世代を中心に、若い頃に買えなかった当時の人気車種を、金も暇もある引退後に買って乗りたがっているのかなと想像していますが、アニメの影響や昭和デザインへの回帰などもっと他にも理由はいろいろありそうです。
旧車に大きな魅力があるのはわかりますが、様々な箇所で老朽化から不具合が起きたり、消耗品や補修部品がすでになかったりして稼働状態で維持するのは思いのほか大変です。
それに現在では当たり前の安全装備(エアバッグや自動ブレーキ、ALBなど)がないものが多く、その他カーナビやオートエアコン、クルーズコントロールなど快適装備もなかったり機能が限られていたりします。
車検では13年目から自動車税と自動車重量税が高くなりますが、本来なら古いものを長く大切に使うことは世界的に取り組んでいるSDGzに合致していて推奨されるべきことですが、今の税制は長く使うとまるで罰金を払わせるかのような仕組みです。法律を作る政治家や官僚達はいつも最新の高級車にしか乗らないのでそういうことがわからないのでしょう。
古いクルマは排ガス規制が緩く環境に悪いという主張もわかりますが、それなら新車を作るためにどれほど環境を壊し空気を汚しているのか?ってことも考えなくちゃ不公平です。
愚痴っぽくなってきましたが、私の乗っている6Rポロ(2012年式)もまもなく初年度登録から13年目に入りますので、先のことをいろいろと考えざるを得なくなります。
それでは今回の旧車、名車です。
スバル レガシィB4 BE型

1998年にフルモデルチェンジして3代目が登場したレガシィ(BH型、BE型)、メインはツーリングワゴンでしたが、初代からセダンタイプもありました。この3代目からはセダンに「B4」という名称が付けられ、ツーリングワゴンから8ヶ月遅れて登場しました。
この3代目レガシィは20世紀から21世紀と世紀をまたぎ2003年まで販売されましたので、デビュー当時は「新世紀レガシィ」というキャッチコピーが使われ、スバルの大ヒット作となりました。
B4はセダンとしては珍しい全モデルフルタイム4輪駆動で、高性能グレードには2リッター4気筒水平対向ツインカムエンジンにターボを装備し圧倒的なパワーとそのパワーを支える足回りで、全天候、舗装路でも悪路でも走れるオールマイティなセダンという位置づけでした。
今ではほとんど消えてしまった5ナンバー高性能小型車セダンの究極のモデルだったと思います。
◇旧車パンフレットシリーズ48(スバル BE型 3代目 レガシィB4)
◇ ◇ ◇
日産 3代目 シーマ FY33型

シーマというと、1988年バブル経済まっただ中に登場し「シーマ現象」という社会現象が発生した初代モデルが有名ですが、その後も2代目が1991年から1997年、この3代目は1996年から2001年まで販売されていました。
日産の中ではショーファーカーを除き、最上位のフラッグシップの位置を占める高級車だけに、欲しいと思ったことはなくあまり詳しいことは知りませんが、日本車で初めてミリ波レーダーセンサーを使った自動ブレーキ機能を装備したモデルがありました。
長く日産の高級車はセドリックと姉妹車のグロリアという時代が長く続きましたが、バブルの中、日産はシーマ、トヨタがセルシオ(現在のレクサスの前身)という高級車が出てきて、お金持ちの趣向が「高級車=ベンツ」という常識を打ち破ろうと苦心したモデルでした。
バブルがはじけた後に登場した3代目ですが、エンジンは2代目から引き続き3リッターV6ターボと4.1リッターV8と高級路線を歩んでいました。
当時は400〜500万円の価格でしたが、20数年経った現在では200万円以下で購入できますから、ゆったりした国産車に乗りたければ案外お得かも知れません。外見は決して古びて見えません。
◇ ◇ ◇
三菱 レグナム

1996年にギャランのステーションワゴン版として、また当時人気沸騰していたスバルレガシィツーリングワゴンに対抗するため登場し、2002年までの6年間販売されていました。
デビューした1996年の日本カーオブザイヤーではイヤーカーとして選ばれましたが、後継モデルはなく、この1代限りで終わったことから販売においてそれほど大きなインパクトはなかったようです。
エンジンは1.8L〜2.5Lまでの4種類あり、その中でも1.8L(途中で2.0Lへ変更)エンジンに当時としては最新のGDI(ガソリン直噴エンジン)を採用していたのが大きな特徴です。
またランエボで実績のある4輪駆動システムや電子制御を使ったVR-4やVR-4 type-Sという高性能モデルもありましたが、台数限定だったりしてイマイチ人気は出ません。
もう少し粘って2代目、3代目とステーションワゴンを育てていってもらいたかったモデルですが、当時三菱自動車は本来は国交省へ届けなければならない欠陥を届けないリコール隠しをおこない、問題が起きたときだけ「闇改修」をおこなっていたりして、全社的にコンプライアンスが効かないという悪しき慣習のまっただ中で、社会からの批判を受けメイン車種でないステーションワゴンに新たな投資をする余裕がなかったのでしょう。
◇ ◇ ◇
トヨタ XE10型 アルテッツァ
1998年から2005年まで販売されたスポーティなセダンとワゴンで、1998-1999日本カー・オブ・ザ・イヤー(COTY)を受賞しました。駆動方式はFRがメインで、フルタイム4輪駆動もありました。
ただグレードによって軽い2リッター4気筒エンジン+6速MTでガシガシ走るスポーティ路線と、重い2リッター6気筒エンジン+ATでゆったり走る高級車路線の二つに分かれるというトヨタとしては珍しく商品企画になにか混乱があるクルマという印象がありました。
外観デザインは精悍で、前のめりに見えるショートオーバーハングで、タイヤも17インチと、当時としてはスポーツカーの範疇にはいるものでした。
このスポーティなセダンというデザインは、その後セダンがSUV風とクーペスタイル風の二つに分かれていくことを考えると、クーペ風セダンとして中途半端ながら先駆けとも言えます。
アルテッツァの後継モデルはなく、そのコンセプトはレクサス(ISやCT)へ移されていきました。
◇ ◇ ◇
ホンダ 初代 ライフ
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初代のホンダライフは名車と呼び声の高いN360の後継車として、1971年〜1974年に販売されていた軽自動車です。
比較的モデルチェンジのサイクルが長い軽自動車にしては4年未満と販売期間が短いのは、1972年から発売された小型乗用車の初代シビックが大ヒットして生産が追いつかず、そちらの製造に集中するためと言われています。
ボディは4ドアと2ドアの2種類で、こうした2ボックスの形状でもリアハッチ(5ドアや3ドア)がないのは(後にワゴンタイプ追加あり)ユニークです。
駆動方式はFFで、エンジンは前代のN360が2気筒空冷エンジンでしたが、このライフからは2気筒水冷エンジンに変更されました。駆動方式はFFです。
写真のライフは1972年に追加された「ツーリングSL」で、ツインキャブ搭載の高性能モデルです。
◇ ◇ ◇
日産 R34型 10代目 スカイライン 前期モデル

初代スカイラインは私の誕生年と同じ1957年に登場し、その後順調にモデルチェンジを繰り返してきました。この10代目スカイラインは1998年〜2001年に販売され、わずか3年で次へとモデルチェンジした異例の短命モデルです。
エンジンは2Lと2.5Lで、2.5Lにはターボ付き高性能モデルもあります。また2.6LターボのR34型GT-Rも1999年に追加されています。
人気のスカイラインシリーズですが、前代の9代目が5年間で21万7千台販売したのに対し、この10代目は3年間で6万4千台と、大きくスタイルデザインを変えたこともあり、イマイチ人気がないモデルでした。見た目は決して悪くはないと思うのですけどね。
◇ ◇ ◇
トヨタ 2代目 SW20型 MR-2
1989年〜1999年の10年間販売されていたSW20型MR-2はその評価が大きく分かれるスポーツカーでした。
しかしファミリーユーザーが中心顧客で、そのため保守的で80点主義のトヨタが、思い切ってその正反対のミッドシップ2シーターのクルマを比較的低価格で出していたことに当時は拍手を送っていたひとりです。
当時のFFカローラの部品構成を利用し、エンジンとトランスミッション、トランスアクスルをグルッと反転させただけのお手軽モデルと揶揄されていたとしてもです。
当時ミッドシップカーと言えばフェラーリやロータスでしたが、それらが軽く1千万円以上した時代に、MR-2は若い人でも頑張れば手の届く200万円ちょっとで売り出したのですから。
若い人が、ソアラやプレリュードのような軟派なデートカーではなく、軽量ボディでスパルタンな走りを楽しみ、走りを練習するのに最適なクルマだったと思います。
しかしこのMR-2はこの2代目で終了となり、後継はフルオープン(ロードスター)のミッドシップMR-Sへと変わります。
◇ ◇ ◇
スズキ 5代目 アルト ワークス
1998年〜2004年に販売されていた5代目アルトの高性能バージョンのグレードがワークスでしたが、ワークスは2000年のマイナーチェンジで廃止されました。
ワークスが消えたのには様々な理由があるでしょうけど、当時から軽自動車の最高出力規制(業界自主規制)があり、横並びでエンジンパワーが制限され、ワークスとしての高性能の特徴が消えてしまったことによるところが大きいかなと思っています。
このアルトワークスにはDOHCターボエンジンに、可変バルブ機構、さらに航空機に導入される技術をクルマ用に変えたドライブ・バイ・ワイヤを採用するなどかなり凝った軽自動車でした。
外見もただ者じゃない!って感じがします。
◇ ◇ ◇
スズキ 4代目 アルト

1994年〜1998年に販売されていた、当時のスズキの屋台骨を支えていた主力の軽自動車です。
上記の高性能グレードのワークスとは違い、ごく普通のグレードですが、30年近く前の低コスト、低品質で作られた(例えば内張にベニヤ板を使うなど)軽自動車がこうして2024年に存在することが素晴らしいので思わずパシャッしました。
しかし残念ながら保存状態はあまり良くなく、リアタイヤはパンクしたままで、このまま朽ち果てていきそうです。
今は中古車、特に20年以上前の旧車の価格が異常に上昇していますが、さすがにこの30年近い古い普通の軽自動車を欲しがる人や部品取りとして引き取りたい人はいなさそうです。
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